刑事物語(1982年キネマ旬報社) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

武田鉄矢は多才な人物である。海援隊そして金八先生

映画でも『幸せの黄色いハンカチ』(1979年)

を皮切りに現在も活躍している。

個人的には中年以降の影のある役が好きで『リミット刑事の現場2』

や『ストロベリーナイト』等のTVドラマの演技には注目していた。

刑事物語は武田が主演・原作・脚本と力を入れて取り組んでいる。

当時話題になった蟷螂拳(カマキリ拳法)も様になっている。

ハンガーヌンチャクのアクション、そして鍛え上げられた肉体

は鍛錬の賜物ですばらしかった。

シリーズは好評で5本作られている。

 

 

あらすじ

福岡県警の博多署の片山刑事(武田鉄矢)は風俗の取り締まりの批判のため、

博多署から静岡県の沼津署勤務を命じられる。

博多で取り締まりで知り合った身寄りのないひさ子を引き取り

沼津同行する。沼津署では3連続女性殺人事件の捜査が難航しており

片山も捜査にあたる。やがて被害者が売春組織と関係があることが判明し、

捜査は佳境に入っていく。

 

重要な点

①樹木希林が婦警役で登場。場の雰囲気を和ませるのは流石だ。

②田中邦衛はラストまで引っ張っる謎の隣人役を好演。

③高倉健は特別出演で華を添えている。

 

良かった点

初見だが非常に楽しめた。武田鉄矢という俳優のハマり具合は半端じゃない。

アクションもストーリーも演技も素晴らしい。

博多弁(九州弁)で全編突っ走るのも小気味良い。

ひさ子を演じた有賀久代もヌードも辞さない体当たりの演技で素晴らしかった。

ラストは胸を打つが、シリーズ化するには仕方がないか。

 

悪かった点

原案なのでしょうがないが地方公務員である片山は全国転勤はない。

わかっているがそこには目をつぶるしかない。

1982年当時はまだまだ刑事ドラマが多く,拳銃も撃つし、

逮捕の時は犯人をボコボコにしても良かった古き良き時代(笑)。

片山刑事の暴れっぷりはコンプライアンス違反とか

固いことは抜きでお約束として楽しみたい。