大鐘 稔彦のブログ
淡路島の診療所からお送りいたします。
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その611

☆台風10号が、ゆっくりと九州を北上しこちらへ向かっている。当初の予想では一昨日あたりにこちらを直撃するはずだったが、意外にも晴天続きで、35度の暑さに耐えきれず、例のごとく海へ飛び込んだ。さすがに今朝は雨模様で犬の散歩もお休みだ。我がジェニファー(9歳になるボーダーコリー。我が永遠のマドンナ、ジェニファー・ジョーンズに因んで名付けたことは前にお話しした)には悪いなと思いながら、この暑さで苦行になっている日課から解放されて、飼い主はほっとしている。

☆昨日、栃木県にお住まいで94歳になられる下村徹さんから思いがけないお電話をいただいた。ストセラーになり映画化もされた「次郎物語」の作者下村胡人氏のご子息で、声楽家の夫人洋子さんともども、一度講演に赴いた自治医科大学の口腔外科教授故赤坂庸子さんを介して知己を得た。30年も前のことである。

 BSで「孤高のメス」を見ました、懐かしかったです、と開口一番。新聞の番組欄かテレビの予告でそれと知ってくださった幾多りかの方からも同様のコメントをいただいた。

 15年前の2010年にクランクアップした「孤高のメス」の試写会に下村さんご夫妻は来てくださった。

 下村さんは海外生活が長く、その間に覚えたゴルフに夢中になった由、私が4、5年前ゴルフを始めた時、こちらへ来てくださった折一度限り打ちっぱなしにご一緒したことがある。そのとき既に90歳近くであったと思われるが、背筋が伸び矍鑠としておられた。英語版のゴルフ解説書を差し出され、これで勉強してみてくださいとおっしゃったが、私には「猫に小判」「豚に真珠」であった

 とまれ、その御年にしていささかも惚けておられないから感服の至りだ。洋子夫人は一回り以上年下の傘寿、その記念コンサートをお弟子さんを率いて先ごろ開催、400人の聴衆の前で歌われたというからこれも驚きだ。

☆驚きと言えばこちらに生家があり、年に何度かは帰省される元俳優の山口崇さんも御年87歳で健在だ。やはりゴルフが大好きな方で、一度ラウンドや打ちっ放しにご一緒させていただいたが、しなやかなスイングで年期が入っているなと感じさせられた。ゴルフ場ではカートにあまり乗らずほとんど歩かれ、時には小走りされる健脚ぶりに脱帽した。今夏も東京からゴルフバック一式をこちらの洲本カントリーに事前に送られたそうだが、二週間の滞在中一度も使う機会がなかった、ヤマト運輸を設けさせただけだ、と嘆いておられた。

山口さんの不都合故ではない、この前までは連れがあって帰省を知った彼らから誘いがあるのだが、今回は誰からも誘いがなかった、皆この暑さに参っていたらしいと、帰られる8月二〇日の前日、お互いの至近距離にあるホテルアナカで一献傾けた折、無念そうにつぶやかれた。

 下村さんも山口さんも、八十路を過ぎてしまった私の範とするお方だ。

☆20年来東京の短歌結社の同人の末席をけがしており、毎月10首を投稿している。同人仲間は次々と歌集をだしているが、私は一度も出したことがない。しかしこの度、歌集とは言えない、主に散文交じりの本を上梓した。名付けて「短歌で綴る折々のこと」。これまで「白球は死なず」「私が足の裏の米粒を取らなかった理由」近刊では「異端とは何か」を出版してくださったアートヴィレッジ社から4冊目の本になる。今年も残り少ないが、年内にあと数冊上梓の予定である。ご笑読いただければ幸いである。

その610

☆異常な猛暑が続いている。慶野松原に近く住んでいて、浜辺へは歩いて数分と言う地の利を得ている畏友の薬剤師田浦さんには先を越されたが、例年のごとく、勤務を終えた夕刻6時ころ、こちらは車で数分の浜辺に出かけひと泳ぎをしている。最初は浮袋に身をゆだね、少し深いところへ行って仰向けの格好で空を見上げながらゆらゆらしていると、入道雲のはるか遠く、銀翼を光らせて旅客機が航跡を描いて東へ、あるいは西へと飛び去るのが目に入る。あ―日本は平和だ、幸せだ、と感じる。

☆それに比べて、ウクライナ、ガザ、イスラエルでは連日のごとく無残な殺戮が行われている。何かが間違い、狂っている。虫けらのごとく命を落としていく人々の背後には、大勢の関係者、身内がおり、その人たちの人生も狂っていく。

 ユダヤ教徒はエホバの神を、イスラム教徒はアラーの神を信じているが、残念ながら、その神々は何もしてくれない。いくさを起こすのも、戦いを終わらすのも人間に他ならない。神の出る幕はないのだ。

☆岸田さんが退陣を表明した。すわとばかり何人かの面々が後釜に名乗りでているが、どの顔を見ても総理の器には見えない。岸田さんにはまだ品詞、風格があった。河野や茂木が本命視されているが、暑苦しく、一国の長たる顔つきではない。まして女性候補たるや1チンパンジーに毛が生えた程度の品のない顔つきのトランプがのさばっているアメリカもさりながら、日本の将来もおぼつかない。本当に暑苦しい夏だ。

 

 

 

その609

☆梅雨明けとともに一段と暑さが増してきた。ゴルフ、卓球もしばらくお休み。息抜きは週末の午後の囲碁と将棋だ。囲碁の相手は元卓球仲間であった豊田啓造さん。元世界史の高校教諭だった人だ。私より5,6歳若い。ゴルフはこの人に誘われて連れ合いと共に数年前から始めたが、囲碁は私の方から誘った。教員時代にちょっとかじったぐらいですからと当初はあまり乗り気でなかったが、いつしかやる気満々になられて、NHKの毎日曜の「囲碁トーナメント」も熱心にみられるようになった。私が勧めたからだが、これも「見ていると10分ほどで眠くなって、気が付いたら終わちゃってるんですよね」などと不真面目なことを言っていたが、最近はしっかり見ているようだ。それというのも、対戦し始めたころは私が圧倒的に勝っていたのが、最近は逆転、豊田さんが勝つことが多くなり、囲碁の面白さに俄然目覚めたからのようだ。私は彼と対戦する以外には専らタブレットでAIを相手にするくらいで、AIの三級にたまに勝つ程度だから実力は4級程度だろう。豊田さんもそれくらいだからいい勝負で楽しい。

 彼は多趣味な人で昔から奥さんともども旅行を楽しんでいたようだが、数年前からは俳句をたしなみだし、なかなかセンスを感じさせる句を詠む。大変な読書家でもあり、かつ読むスピードが速い。私の大部な「マックスとアドルフ」をわずか2週間で読破してくださったのには驚き感激した。その他拙著のほとんどを読んでくれているのは豊田さんくらいだ。敬服の至りである。

☆将棋の相手は卓球仲間で元郵便局員だった稲垣隆志さんだ。こちらは私より10歳ほど若い。卓球の合間にタブレットを取り出してAIと将棋をしているのを見て、一戦交えたくなったのだ。将棋は。碁より早く小学生の時に覚えたが、今から思えば幼稚の域を出ないものだった。やはりNHKの「将棋トーナメント」を見るようになってから幼稚の域を脱した。稲垣さんはAIの三級と五分五分かやや勝勢だと言う。私は一級と初段にたまに勝つ程度、二級にも分は悪いから、精々三級程度だろう。稲垣さんにはやや勝勢だが、油断のならない相手で、うっかりすると王手飛車を食らって逆転される。私も最近やっとその妙味を覚えたが、稲垣さんは歩使いの名手だ。つまりは将棋をよく知っているということだ。手つきがいい。

 囲碁も将棋も極めることは到底できないが、ぼけ防止にはもってこいだろう。毎日が日曜日となった高齢者にはぜひともおすすめしたい。

☆11月に迫ったアメリカ大統領選。トランプの様な、ポルノ女優との不倫を金の力でもみ消そうとするような下劣な輩が当選したらと思うと気がめいって仕方なかったが、劣勢を強いられていたバイデン氏が勇を鼓して撤退、若いハリス氏に後を託してくれてほっとした。多分ハリスさんが勝つだろう。

☆昨年は不作だったが、今年は2,3冊の本を上梓できそうだ。先駆けとしてこの度「短歌で綴る折々のこと―田舎医者の回想」(アートヴィレッジ社)を上梓しました。。お目に触れれば幸いです。

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