去年クリスマスの水曜日、
夕方から伊賀上野で用事があり、
たっぷりの時間があるので、
朝から徒歩で向かった。
38km程度なので、
7時間もあれば到着できるだろうと、
17時半待ち合わせのため、
10時に家を出発した。
長距離踏破の際は、
いつも苛まれる。
歩き出して30分までは、
「やめときゃよかった」、
「部屋でビール飲んで
ゆっくりしておくべきだった」と、
後悔との闘いとなる。
しかし、
慣れ親しんだこの後悔。
だんだん身体が温まってくると、
意識が目的地に向かいだす。
隣の駅、
JR上狛駅までやってきた。
真っ直ぐに続く線路の風景が
味があってええ感じ。
5キロ地点にある
早朝深夜の客が少ないためか?
7:00〜23:00が
営業時間となっている。
ここで朝食をいただく。
胡麻鮭と焼鮭ハラミとエビアン。
塩おにぎりが一番好きであるが、
無かったので、
次に好きな鮭にした。
小腹を満たし、
隣町へ抜ける。
最初の難関。
国道163号線の
木津川市から三重県までは
安全確保が十分な歩道が少ない。
基本私は、
ほぼほぼ歩道がないところでは、
何があっても右側通行を行う。
右側通行の場合、
対向車が近づくと、
運転手を観察することができる。
スマホ片手に
運転しているドライバーは
いまだに多いため、
運転手の状態を
チェックして通過する。
従って、
運転手の顔を振り返らないことには
わからない左側を歩くことは、
怖くてできない。
ゆーてるまに隣町にイン。
ちょっとだけアガるが、
まだまだ始まったばかりである。
これぐらいの歩道でもあれば
全然安全感が違う。
道標石。
信楽回って帰れば、
簡単やなぁと思いつつ、
上野方面へ足を向ける。
ひとつ目のトンネル。
2010年12月23日に開通した
家から10km地点である。
あまり恩恵を受けられるような
機能はないトンネルであるが、
短く広い歩道で進みやすい。
たくさんの埴輪と共に、
謎のオブジェが多数陳列されている
アトリエ萬太郎。
ネットではヒットせず、
その内容は闇に包まれたままである。
木津川河川敷の
BBQキャンプ場はスルーして、
和束町、
笠置町へと入っていく。
笠置とくれば、
がある。
「この辺」のエリアがわからないため、
微妙な表現で集客狙っている
有名な看板である。
ここに併設された
おにぎりタイム。
ここで家から15km。
順調である。
男らしい名前のおにぎりをゲット。
そういやぁ、
10年前に同じコースを大西大と走って、
ここで同じようにおにぎり休憩したのが
思い出される。
しっかり胃に収めて出発。
家から17kmの笠置のキャンプ場。
クリスマスとはいうものの、
平日水曜日ということもあり、
いつもとは違い、
利用客が疎である。
出発から18km地点。
キャンプ場からすぐにある
昭和55年3月完成。
私が高校生の時に
完成したトンネルであるが、
それまでは木津川の
崖っぷちの片側1車線の道を、
青信号30秒、赤信号10分
(正確な時間は記憶なく印象である。)
ぐらい待って、
交互に利用していたのを
記憶している。
赤信号になると、
今のように「あと何分」
という表示がなかったため、
イライラが募る信号機であった。
信号機側には自販機があり、
赤になったばかりの時は、
外に出て缶ジュースを
飲んでいるドライバーが
多くいたように記憶している。
現在、
木津川沿いの崖っぷち道は
閉鎖されているかもしれないため、
トンネルを抜けることとする。
3つ目のトンネルは、
21km地点にある北大河原トンネル。
2016年8月完成。
トンネル開通前までは
南山城村役場付近の
細い道を迂回していたが、
冬になると路面の凍結が多く、
大型車が立ち往生し、
雪の日はひどい渋滞が
発生していた区域である。
このバイパスが完成してから、
この辺りの渋滞は解消された。
ここを利用すると、
一直線で三重県に
向かうことができる。
行程の半分は過ぎたので、
気持ちは少し楽になる。
えっ!?
歩行者だけでなく、
自転車すら通行禁止やん。
仕方ないから旧道へ迂回する。
迂回路にある
不気味な小さい
歩行者専用のトンネル。
オカルトは信じていない方であるが、
ちょっとドキドキしながら通過した。
って言っている間に、
26km地点の
道の駅みなみやましろ村に到着。
糖分補給。
お茶系のスイーツが推しであるが、
その中でも期間数量限定なので
クリスマスショコラパフェにした。
あっ、
もちろんここの名物の
「村カレー」は既食である。
加水し、
トイレ休憩して、
再出発。
道の駅を越えると、
すぐそこは三重県。
テンションが上がると同時に、
足取りも軽くなってくる。
ここも十分な歩道がなく、
国道の右側を
ドライバーとアイコンタクトしながら
東へ進む。
歩いていると、
あちこちに栗が落ちている。
それも結構な量が、
長距離に渡り、
続いている。
!?
栗ではなく、
タワシである。
典型的なこの亀の子の形を
しているのならすぐに反応できたが、
先ほどのはねじれていたため、
たわしと認識するまでに
時間がかかってしまった。
たわしの仲間。
たわし素材の箒か!?
こんなものまで落ちていた。
タワシ素材の清掃用具を運搬中に
事故ってばら撒いたのか!?
ともあれ真相はわからず、
道端で見つけた「違和感」であった。
ここで加水。
三重県最初のコンビニ、
32km地点のファミマ伊賀三軒家店で
トイレも借りる。
ここを抜けると、
もうすぐ上野盆地で視界が広がる。
ゴール近し。
しかし、
思いの外、ペースが早く、
このままでは待ち合わせまで
かなりの時間が余ってしまう。
逸る気持ちを抑えつつ、
ここからはペースをさらに落とす。
何度か食事したことがある
ふる里を抜けて、
ちょっと汚いけれど、
この辺ではピカイチの
デカ盛りを提供している
松の家の横を抜けていく。
数分歩くと、正面には
見えてくる。
その左手には伊賀上野城も
はっきりと目視できる。
市街地を抜け、
お城の近くを通り、
目的地、忍者市駅に到着。
厳密には上野市駅であるが、
通称の方が有名な駅である。
伊賀鉄道株式会社HPより引用
派手な電車がウリのひとつ。
ツッコミどころ満載の
駅周辺を彷徨いていると、
だんだん日没に近づいてきた。
あっ、
今日はクリスマスやった。
だから、
駅側のイルミネーションも綺麗。
伊賀上野での忘年会
開始10分前に到着。
時間にぴったりであった。
こうして、
乾杯のとても美味しいビールを
いただけることとなった。
これぐらいの距離なら、
筋肉痛や膝のガクガクも全くなく、
普段通りの後脚である。
普通に100km近く歩いでも、
同じように
後脚の筋肉の疲労はほぼ無い。
もちろん前脚を使って
四足歩行したのではない。
江戸時代の日本人の歩き方を
マスターしたのかな?
翌日の診療に問題なかっただけでなく、
お昼休みに
6kmのランをすることができた。
ともあれ、
一歩一歩大きな目標に向かって
進んでいます。