幸せのかけら

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幸せのかけら


「幸せのかけら について語ってもらえませんか?」

というリクエストを頂いた。



えー? 語っていいのですか?

こんな名曲、私ごときが語って良いのですか?笑





ということでありがたく語ってみた。 



幸せのかけら  ーー


リトグリの曲の中で数少ないバラードである。

もしかしたら、一番バラードらしいバラードと言っても良いのかもしれない。


この曲は2017531日リリース8th Single「だから、ひとりじゃない」に収録されている。

麻珠卒業の直後にリリースされたCDだ。




いつものように曲の流れに沿って語っていきたい。



キーはB♭


イントロ

ピアノとうっすらストリングス(シンセサイザー)の音色でスタート。

と、すぐにコーラスが入る。

ha〜とリードを取るのはアサヒだ。

(コーラスの中でリードという表現は正しいのか?)

アサヒのリードがha〜からWoo〜に変わるとバックコーラスの音量が上がり、アサヒの声がコーラスに同化していく。


とてもキレイで切ないイントロだ。

このアサヒのファルセット、今までであればかれんか芹奈のイメージか。

この辺りからアサヒのオールマイティ度、ユーティリティが高くなってきているように感じられる。


1

■Aメロ

電車の窓を〜 MAYUリード

MAYUリードの中でも定評のあるパートである。

私的にはMAYUは力を抜いて呟くように歌うのが魅力的だ。しかも地声では得意の中低音域。

"窓を の語尾の息、"終わーるの語尾のかすかな""などムードがあってゾクっとする。

これはMAYU以外、誰にも出せない味だ。



■Bメロ

幸せのかけら 誰もが〜   芹奈リード

MAYUの雰囲気をそのまま引き継いでいる。

MAYUと違うのは

"幸せのかけら""誰もが"頼りない"の初めの音。語尾ではなく語頭。ここに込める思いがとても切ない。

音階は付いているけれども感情の込め方はもはや言葉なのかもしれない。

この辺りを無意識にできるのが芹奈の才能だ。


後半、"つな"いだら  ""から""までナント1オクターブ音階が飛ぶ。シ♭→♭(オクターブ上)

だ。飛んだ音の音程を的確に捉えるのも芹奈の大得意の才能。

瞬時に高音を正確に出す力は日本屈指だと思っている。


つないだらあなたの笑顔になった♪

の 笑顔に の前のブレス!

芹奈はブレスにさえ感情と熱量を込める。


また、ここのバックコーラスのクレッシェンドによる盛り上げは抜群の効果。

ラストのシンバル音と相まって、一気に熱量を上げる。

そして次のサビへとつなぐ。



サビ

この広い世界の中〜  manakaリード


芹奈の熱量をしっかり受けとめて、manakaが芯のあるしっかりとした声で歌い上げる。

素晴らしい声の伸びだ。

今と比べれば、わずかにあどけなさが残っているものの、すっかり大人の歌い方だ。

探してた〜♪のラストはビブラートはかけないストレート。 個人的にはここは若干ビブラートかけて、もう少し伸ばしても良いのかなあ、と思うのは贅沢かもしれない。


あなたを〜(あなたのことを〜)

ここのアサヒの追っかけコーラスが妙にいい。

最後に瞬間的にビブラート?



2

■Aメロ

疲れたからだ〜  芹奈リード

気だるさ を表現させるのはやはり芹奈だろう。

おかげで歌詞の内容がイメージできる。

ここの歌詞は妙に現実的で刺さる。


このAメロ(1番のMAYUもそうだが)、私たちは当たり前のように聴いているが、このパートを元気ハツラツのアイドルが歌ったら恐ろしいことになるだろう σ(^_^;)


あくまで、気怠く。


■Bメロ

manakaリード

何ひとつうまくはいかなかった今日を頑張った証が頬をこぼれた♪


ここも心に刺さる歌詞だなあ。


こういう時ってあるよねー、

いや、大人になるほどに"うまくいかなかった日だらけになると言ってもいいかもしれない。

そんな時に帰りの電車でこれを聴くと、かなり心にくる。

涙こそ我慢するけれど。 



サビ

アサヒリード

この名曲の2番サビをアサヒに託した。


いい。

いつもより声の裏返りを少し抑えめに歌っているかな?

所々のブレスがアサヒらしくけな気だ😍


最後、♪探してたー♪はやはりビブラートかけず。この部分、堂々たる発声で声の密度が高い!


ピュアな声なのに凄みすら感じてしまう。


これまでサビを全面的にアサヒに託した曲ってなかったのではないか。

あらためて、アサヒ、すげー。



あなたの〜(あなたのことを〜)1番とは逆に 

manakaのお返しとばかりの追っかけコーラス。

これもいい。




■Cメロ

静かな曲にあって、ここだけは感情の昂りが感じられるパート。落ちサビ〜サビと並んでこの曲の聴かせどころ。


起承転結で言うと、ここは転だ。


転 のパートだけに、ここでキーはB♭からB♭mに転調する。

B♭という同じ主音のもとでメジャー(長調)からマイナー(短調)に変わったわけだ。



……ここは芹奈しかいない。


もちろん芹奈は起承転結のどこでもできる。

この天才は、

静かな立上がりだろうが、盛り上りのサビだろうが、何でもこなせる。 

が、中でもこのCメロのような感情が一気に沸いてくる""の部分は芹奈が最もふさわしい。


出だし、♪前に のインパクトの強さがいかにもギアが一段上がったときの芹奈だ。

せりあがって音を探すことなく、頭からズバッと正確な音程を突いて♪前に だ。これがパンチを生む。

その後も感情を昂らせながらも、リズムにきちんと歌詞を乗せる冷静さもある。


進んでいるから♪の""の飛び出た高音に力を込める。音程は極めて正確。パンチ力十分。


このCメロの芹奈は何というのか

ホントに素晴らしい。


そして最後の♪I feel your loveの箇所で かれんがフェイクで絡み、芹奈と見事なハーモニーを奏でる。


同時にここでB♭mからB♭へと戻る転調がなされている。


さあ、短調から長調に戻って舞台は整った。

ここまでバックコーラスに隠れていたかれん様、満を持しての登場だ。




落ちサビ〜サビ

Cメロで芹奈が盛り上げておいてかれんで落とす。


ここは麻珠がいれば麻珠だったろうなあ、と当時の私は考えた。(当時のメモ書きみたいなのが残っている。Twitterで呟いたのかな?)



しかし麻珠なき後、ここで起用したのがかれん。

デビュー初期のかれんはどちらかと言うと、ノリのいいパートや、キレと迫力あるパートや、音程の高い&低いパートなどでリードを取ることが多かった。


でも、そこはさすがかれん。

予想を遥かに上回る歌唱パフォーマンスを見せてくれた。 大当たりの起用だった。


まさに、ここからはかれん劇場だ。



落ちサビ 始めの

このひろー" せかいーの"なかー"

"とか "なかーのふわっと抜く技術!


普段はエッジのハッキリとしたトンガった声を出すかれんが、いきなりこのふわ感。


普段は息を極力排除して声100%に近い歌声のかれんが、いきなりこの息ブレンド感。


しかし、ふんわりもここまで。

ここを抜けたら後は容赦ないかれん攻撃が始まる。


わたしのー♪からは息ナシ声100%全開、しかもビブラートに逃げることなく超ストレートボイス 

によって、かれんのパワーボーカルが大波の如く押し寄せてくるようだ。

また、これを盛り立てるコーラスがすごい。

一気にアクセル全開。



昔々、このブログで書いたことを覚えているが、

最後の♪さがしてたー♪ の ビブラート無しのロングトーンは素晴らしい。

パワー、音程、どこを取っても超一級品だ。


ビブラートは綺麗に歌い上げるための重要な技術だが、同時にごまかしの技術とも言える。

普通は、ビブラート無しに音を正しい音程で伸ばすことはとても難しいことなのだ。


かれんはロングトーンに対して一切ごまかさずド直球勝負を挑んでいる。

それがレーザービームのようにキレイにまーっすぐに耳に届くのだ。

この"レーザービーム唱法"ができる歌い手はそうはいない。  というか他に思いつかない。




以上、つらつらといつものように勝手な感想を述べてきた。



この歌の妙は、天才的な芹奈をサビでなく転の世界にとどめ、ほかのメンバーをフィーチャーしているところにある。

アサヒはサビ、それ以外にも随所に目立つコーラスで露出度を上げているし、何と言ってもかれん!

かれんの凄みをあらためて前面に出した作品として受け止めている。


これ以降のかれん、アサヒの活躍は皆様もご存知の通り目を見張るものがある。


麻珠というエースのひとりが抜けても、その不足を見事にメンバーの個性の発揮と力量で補った。

これをきちんと世に証明した名曲だ。



それから約4年。


リトグリは49曲も収録したベストアルバムGRADATI∞Nを発売した。


幸せのかけらは、ナント、最後の曲である。


3枚組アルバムの3枚目の最後

正真正銘の"大トリ"である。


アルバムの中で最後に据える曲は、やはり特別な曲だろう。どうでもいい曲は絶対に最後には置かない。

メンバーやスタッフにとっても幸せのかけら はそれくらい思いの詰まった曲なのだ。





みなさんは

忙しい日々で幸せのかけらを見落としてしまっていませんか?


同じ未来を見れる人、探せましたか?