今から4年前
キス友さんと酒飲んでる時にこんな質問をされたことがある。
『マロンさんが今までで好きになったアイドルは誰ですか?』
…。
『誰ですか』て。
いるのが当然かのような質問だった。
生まれてこの方一度もアイドルを好きになったことはない。
敢えて言うならキムタクかなぁ。(男として尊敬できるから)
ただそれってもちろん女性アイドルでもないし、美人とか可愛いとかはあるけど『好き』って感覚はやっぱないかなぁ。
妄想の世界に滞在できるほど余力がないというか…。
実はその昔、日産プレジデントに乗りたいと思ってた時期があって。
↑
コレ
すげー高くて中古でも400万とかした。
その当時(23)の薄給では到底買えるようなシロモノじゃない。
でも、乗りたいわけよ。
結局オレはちょっとでも近い車に乗ろうと思いセドリックを購入した。
↑
こんなやつ(88万円で購入)
理想と現実。
乗りたい車と乗れる車。
よくマロンは子供だと言われるけど
現実的という点ではかなり達観してるのではないか。
例えばめちゃくちゃ仕事ができるヲタさんがいたとして。
きっとオレなんかより頭も良いし仕事もできるしいっぱい責任も任されてる。
それ自体は素晴らしいことなんだけど、それ故に自分を崩そうとしない。
その先に本当の自分がいないだろうとわかっている。
『理想を現実に変える』
自己実現を達成した人間はまず周りに流されず、今の自分の小ささを受け入れ、虚勢を貼ることなく、地道なことを続けた先にある。
ちょっと厳しい言い方かもしれないけど
オレは『妄想とは虚勢』だと思っている。
今の自分が変えられないのは自分の小ささをわかっていないからだ。
そしてそれはいつも自分に言い聞かせてることでもある。
20歳の時にもらったテレクラのカード。
この何の変哲もないたった一枚のカードが
オレを変えた。
そしてここが一番肝心なトコなんだけど。
こんなカードで人生が変わるほどオレは『小さかった』ということだ。
天秤に乗せて釣り合うほどのレベルの低さ。
当時、小皿の世界で生きていたオレ。
もはや容易に想像できる。
みじめでかっこ悪くて恥ずかしい姿そのものだったんじゃないだろうか。
…………
オレは自宅の電話から吉田さんに言われたとおり伝言メッセージを入れてみた。
名前(ニックネーム)・仕事・住んでるところ・年齢なんかを入れた。
こんなんでホントに返信が来るのか?
なかば半信半疑だったが、ちょっとだけワクワクしたのを覚えている。
そして次の日。
仕事先で吉田さんにメッセージを入れたことを報告。
よく考えたらここでも小さな変化があった。
自分から吉田さんに話しかけたことだ。
社会に出てから他人に対して積極的に話したことなんて一度たりとも無かった。
でもこのときは少しの日常の変化が嬉しくて。
普段全く笑わなかったクールなオレが明るいのを見て、吉田さんも目を細めた。
そして仕事を早々に終え、砂煙を上げて帰宅。
返事が来ているか確認してみた。
…。
……。
メッセージハ0件デス
…音声ガイダンスがオレを地獄に突き落とした。
そりゃ今考えたら当たり前なんだけど、この時はそれなりにショックだったな。
まず返信がない理由。
それは一言で声が暗かったからだ。
ただ、そんなのは当たり前。
だって
当時のオレ暗いもん。(人見知り日本代表ナメんな)
『暗いから暗い声を出す』
至って普通のことだ。
でも、それだと返信メッセージは来ないわけで。
オレは受話器をゆっくりと置き考えた。
『どうしたらうまくいくんだ』
するとあることを発見。
男性は有料だけど
女性はフリーダイヤルだったのだ。
オレは敢えて女性専用のフリーダイヤルにかけてみた。
他の男がどんな風にメッセージを入れているかを知るためだ。
そして驚愕する。
そこにはさまざまなメッセージがあったのだ。
明るいメッセージはもちろんのこと、オレみたいな暗いメッセージ、あとおじさん(お爺さんみたいなのもあった)、大学生、社会人、既婚者。
そりゃこれだけの量だ。
オレの暗い声で返信なんて来るわけがない。
ものすごく納得させられた。
それと、オレが女性ならどのメッセージを返したくなるのかを考えた。
そこでいろいろなメッセージを聞いて(全部男性な)、一番良い感じのメッセージをメモに書き留め、それを自分が出せる最大限の明るい声で録音した。(必死)
一見するとバカみたいな行動に見えるけど、今思えばこれはこれですごい。
まず評価されるべきは『最大限の明るい声』という部分だ。(自己評価)
今までの自分ではない自分を演じた。
これこそがテーブルの世界。
小皿の世界にいて振り向く女性がいないのは
さすがのオレでもわかった。
次にこれもよくできたなぁと思うのが、結果の出そうな人を真似したこと。
これは女性にも当てはまることで。
モテる女性はモテそうな女性の真似をしている。
だから見た目とか大したことない女子でもめちゃくちゃイケメンの彼氏いたりするわけ。
雰囲気美人ってやつ。
もしブスなのにモテてる女子見て嫉妬してる人がいたら、それは完全に盲点を突かれてる。
んで、ここも肝心なトコなんだけど。
モテない人はモテない人の真似を知らず知らずにしてるってこと。
たまに見た目かわいいのに彼氏いないってのはそれ。
負け美女ってやつな。(頼むからオレに石投げないでね)
結局このなんでもない一連の行動の中に微妙な変化があったのは間違いない。
今までの自分ではない声で臨んだメッセージ。
次の日が待ち遠しかった。
そして、運命の日。
…。
……。
メッセージハ3件デス
オレは選ばれた。
『拝啓 吉田さん⑤』へつづく




















