水薙鳥の翔ぶ碧い海へ -30ページ目
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第1章 藍の向こうの碧い海へ宣侯(1)

ホームポートにしている下田港から約1100キロメートル南下した大海原に30数余の島々が点在している、それが小笠原諸島である、近くには第二次大戦の際、日米が死闘を演じた、硫黄島がある。私がヨットを始めたころから,一度は行ってみたい憧れの島であった、今回の航海に小笠原を選んだのは、確かに小笠原の自然や風土は未知との遭遇といった感があり、「あの島に行こう」という、興味を強烈に引き出すものはあったが、それよりもさらに私の心を突き動かしたのが「冒険心」であった。世界的に有名な堀江謙一さんや白石康次郎さんには遠く及ばないが、ほんの少しでも彼らに近い経験をつんでみたい、この経験をベースに更なる飛躍をしたいと言う気持ちが、今回の小笠原行きを決断させた。


毎年台風シーズンになると大型の低気圧が小笠原周辺で発達して台風になる.船に乗る者にとってはて危険な海域でもある。いわんや私のようなビギナーヨットマンにとってはなおさらで、そのような危険な時期を避けるよう、慎重に航海計画を立てる必要があった。特にタイミングの見計らい方である、その結果、海が最も穏やかな時期7月の中旬から下旬にかけてが最もよい時期だと考え、2009年7月11日出港、7月26日帰港、約2週間、小笠原滞在4日間の予定で計画を立てた。



水薙鳥の翔ぶ碧い海へ

当初はシングルハンドで行く予定で計画していたところ、それは無謀であると周囲から猛反対され、私の良き海仲間の青山藤次郎氏にお願いして、同乗してもらうことになった。小笠原までにはいくつもの島々があり、その島伝いに行けば小笠原にたどり着く、言ってみれば下田から最も近い伊豆諸島を伝い、そのはるか先にあるのが小笠原諸島ということになる。





今回最も大変な航海になるのが、伊豆諸島の最南端八丈島から小笠原にかけてである。八丈島からまる4日間、大海原をひたすら小笠原に向け走るわけであるが、反面、その間、明神礁、ベヨネーズ列岩、須美寿島、鳥島等海底何千メートルからひょっこり顔を出した、まだ見たこともない島や岩に遭遇できる楽しみもある。


ともあれ準備は整った、無事の航海を祈りながら、明日の出港に備える。昼間下田ボートサービスの社長が、半信半疑で「本当に行くの?」と心配そうに話しかけてくれた顔がチラッと目に浮かぶ、明日の朝、バースに鬼平Ⅱが舫われていなく、出港したと分かった時どんな顔をするか、楽しみである。

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