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一松書院のブログ

ネット上の資料を活用し、出来るだけその資料を提示しながらブログを書いていきます。

iMac の Pages で原稿を作成する

Word を使用しなかったのは――
Word のライセンス形態(永続版・企業配布版など)によっては、EPUB 出力ができない場合がある。私の Word では EPUB 出力ができなかった。
そのため、iMac の Pages で作業を行うことにし、その手順をご紹介する。
また、Word ではルビを使用すると行間が乱れる。韓国・朝鮮関係の原稿ではルビが多くなるため、これは大きな問題である。Pages ではこの点に問題がない。

参考:Windowsで作業を行うには――
iPadやiPhoneではPagesを使用できる。WindowsのWordで作成したDOCXファイルをiPadまたはiPhoneに転送し、Pagesで開いてEPUBファイルとして書き出す(Pages 13以降であれば縦書きにも対応)。生成したEPUBファイルを、Windows版Sigilで以下の要領に従って編集する。

Ⅰ.基本設定

■ 想定仕様
仕上がり:ペーパーバック(128 × 182.1 mm)
    :Kindle電子ブック
作成環境:Mac「Pages」 EPUBエディター「Sigil」



新発売 『続 韓国社会を掘る』
Kindle 本      ペーパーバック    

 

■ Pages書式設定
用紙サイズ:A5
余白:上 30 mm/下 35 mm/左右 各 25 mm
文字方向:縦書き
フォント:游教科書体 横用(10〜11 pt)
行間:固定 18 pt

本文に文章を入力または貼り付け、必要に応じて画像を挿入・配置する。
画像は 300 dpi/1280 pixel 以上を推奨。
ルビを付ける箇所には「ルビ」機能を使用する。

Ⅱ.原稿構成とスタイル設定

■ セクション区切りの挿入
 中表紙、目次、はじめに、奥付の各ページには、必ず「セクション区切り」を挿入する。
■ スタイルの指定
 本文中の見出し・段落には「Heading1」「Heading2」「Heading3」「本文」などのスタイルを適切に設定する。これは 目次生成および EPUB 出力時の構造反映に必須。
■ 引用部分
 前後に空行を入れ、三文字程度インデントを下げる。
■ ページ番号(ノンブル)の設定
 - 「書類」タブ → 「書類」項目で 「見開きページ」 にチェック
 - 「セクション」タブで 「左右のページで異なるヘッダとフッタ」 にチェック
 - 本文セクションのみページ番号を挿入し、1 から開始する。
 - 奇数ページは左寄せ、偶数ページは右寄せに配置。
■ 目次の作成(縦書き時)
 「挿入」→「目次」→「書類」から自動目次を作成する。
 ただし、縦書きでは整形が崩れるため、自動生成後に目次項目をコピーして、別ページに貼り付け、手動で目次ページを作成する。

ペーパーバック用 PDF の書き出し

「ファイル」>「書き出す」>「PDF…」を選択。
「PDF の品質」を 「最高品質(Best)」 に設定。
游明朝体・游教科書体横用などのフォントは自動的に PDF 内へ埋め込まれる(フォント埋め込みは必須)。
書き出した PDF を確認し、不要な白ページを削除または白ページを挿入して、本文の冒頭ページと奥付ページが、PDFの奇数枚数目(例:5枚目とか7枚目)になるように整える。

 

ペーパーバック表紙の作成

Kindle Direct Publishing(KDP)の「本棚」>「ペーパーバックのコンテンツ」で原稿 PDF をアップロードし、続いて表紙をアップロードする。
書籍の版型とページ数を入力すると、表紙用の KDP テンプレートが生成されるので、それをダウンロードし、これに合わせて「表表紙」「背表紙」「裏表紙」を画像として作成する。




 

完成した画像を印刷プレビューで確認し、用紙サイズを「カスタムサイズ」に設定して、「全体の寸法」(例:273.85 × 188.35 mm)に合わせ、PDF として書き出す。

この PDF を「表紙」として KDP にアップロードする。
※ ページ数が少ない場合、背表紙に文字を入れられないことがあるので注意。

 

EPUB ファイルの作成と編集

■ EPUB の書き出し
 Pages から「ファイル」>「書き出す」>「EPUB…」を選択。

■ 編集ツール
 EPUB ファイルは無料ソフト Sigil で編集するのが便利。

(1)段落間の余白を削除

 


 

各 xhtml ファイル内の以下の箇所:

<body dir="ltr" onload="Body_onLoad()">
<div class="body" style="
white-space:pre-wrap; line-break:strict;">

上記の white-space:pre-wrap; を削除する。
全てのxhtml ファイルで設定されているので、全てを削除。

 

(2)縦書き時に横書き目次が出ないようにする

 

epb.opf ファイルの <spine> および <guide> の記述部分から、以下の2行を削除する:

 


<itemref idref="toc"/>
<reference type="toc" title="目次" href="toc.xhtml"/>

(3)画像の処理

 

デフォルトでは以下のように記述されている:

<p class="p3"><span style="float:left;display:inline-block;vertical-align:baseline;height:9.372em;margin-top:9.204%;margin-bottom:2.922%;text-indent:0;"><img src="images/abcdef.jpg" alt="abcdef.jpg" style="height:100%;"/></span></p>

ページ全体に画像を独立表示したい場合は、以下のように書き換える。

<div class="image-wrapper">
  <img src="images/abcdef.jpg" alt="" class="center-image"/>
</div>

さらに、Sigil のStylesにある book.cssファイルに次のスタイル項目を追記する。

.image-wrapper {
  display: block;
  clear: both;
  margin-block-start: 1em;
  margin-block-end: 1em;
  text-align: center;
}

.center-image {
  max-width: 100%;
  max-height: 100%;
  display: inline-block;
}

アップロード

以上の修正を行った EPUB ファイルを Kindle 本としてアップロードすれば、電子書籍として登録できる。

以上



Kindleで買える一松書院の本

続 韓国社会を掘る 著: 秋月望
Kindle 本      ペーパーバック    

韓国社会を掘る 著: 秋月望
Kindle 本      ペーパーバック    

原四郎と朝鮮 著: 秋月望
Kindle 本      ペーパーバック    

三代の追想: 学而と致と徹 著: 秋月徹
Kindle 本      ペーパーバック    

我、汝の名を呼べり: 秋月致随筆集 著: 秋月致
Kindle 本      ペーパーバック    

 

 こんな話をX(Twitter)に書いたら、「いいね」が1,100個以上ついた。

1980年代の韓国旅行記でよく見かけた話だ。

食堂に入ると、壁に書かれたハングルがどうやらメニューらしい。

とりあえず一番大きく赤い字で書かれているものを指差すと、「ダメダメ」と手を振って断られた。

あとで、韓国語がわかる人と一緒に行ってみると、「ああ、あれは불조심ですね。火の用心のことですよ」と言われたという。

 

 この系統の話は、関川夏央の『ソウルの練習問題』(1983年1月)や、森枝卓士と朝倉敏夫の『食は韓国にあり』(1986年4月)にも出てくる。

 韓国ではありとあらゆるドアは開けてみるしかない。そうすれば必ず食堂にあたる。またそうしなければ食えない。
…中略…
 食堂を発見したら、席につき、壁に貼り出してある品書きのなかのひとつを選べばいい。よくわからなければ右側からひとつずつトライするのも悪くはない。もっとも、いちばん右側の札を指して、「あれをひとつ」と注文したら、店員が奥に駆け込み、やがて主人を伴って現われ、その主人が日本語で「お客さん、冗談おっしゃっちゃ困ります。あれは“火の用心”でして」といったという話もある。

関川夏央『ソウルの練習問題』

 

 このハングル、食べものがからむと余計、大きな悲劇が待ちかまえている。誰か通訳してくれる人間が一緒だといい。しかし、一人で食べに行くと先ず何があるのか分からない。それどころか、高級店はそれらしくて食べもの屋だと分かるが、庶民的な店だと本当にそんな店なのかさえも分からない。ハングルで何か書いてはあるが、店の作り自体、ガラス戸を閉めてあると代書屋かなんかの事務所みたいなのだ。
 とまれ、匂いとか人の出入りでそれと分かったとして、中に入る。次の問題はどう注文するかだ。壁にメニューは貼ってあるが、もちろんハングル。適当に「これっ」とやったら、『火の用心』か『スパイを見つけたら早く申告しましょう』という文句だったという小話は有名になったようだが、実のところ標語の方には値段が書いてないからすぐ分かる。スパイ申告の件なら賞金額が書いてあるが、何千万という桁だからこれもすぐメニューではないと分かるか、注文する気力がなくなる。

森枝卓士・朝倉敏夫『食は韓国にあり』

 

 関川は1981年に韓国を旅してこの本を書き、斬新な韓国へのアプローチとして注目された。森枝はICU在学中に、当時明大の院生で後に全南大学に留学する朝倉と出会った。1980年代前半に韓国滞在中の朝倉と一緒に韓国で取材・調査をして本を書いた。

 

 1970〜80年代、ソウル中心部からちょっと外れたところや地方都市では、商店や食堂、事務所のガラス戸に青いフィルムが貼られていて、中が見えないのが当たり前だった。メニューの看板も食品サンプルもなし。表のガラス戸を開けてみないと食堂なのか事務所なのか分からない。

 食堂の場合、小さな店ならコムタン専門とか、キムチチゲ・テンジャンチゲとか、冷麺の店とか、出せるものはだいたい決まっていた。大きめの食堂になると、メニューも多くなり、壁に値段と一緒に貼られていた。

 


 

 1968年には北の武装工作員がソウルの大統領官邸裏の山まで侵入する事件があった。1972年には朝鮮戦争後初の南北接触があり「南北共同声明」が出たが、その一方で政権に異論を許さないとして、「維新憲法」で民主化勢力を徹底的に抑え込んだ。

 

 朴正煕体制を安定させるキャンペーンの一環として、街にはさまざまな標語が貼られた。“火の用心(불조심)”もあちこちに。“スパイ通報は113・112(간첩신고는 113・112)”なんてのも至るところで目に入った。

 

 

 「火の用心」を注文してしまう話は、実は関川や森枝の本の10年ほど前、1971年5月号の『婦人公論』に出てくる。写真家・李剛が「漢字全廃」というエッセイの中で、プルチョシムを注文した観光客の話として書いている。

 ソウル市内の商店街を歩いても、漢字で書かれた看板は皆無といってよいほどみあたらない。昨年から今年にかけてほとんどがハングルに塗り変えられてしまった。漢字で書かれた看板が目につけばそれは〇〇飯店等漢字の国の店である。ハングルを読めない外国人には看板だけでは何を商う店なのか判らない。食堂のメニューも仮名ばかり、壁にプルチョシム(火の用心)と書いてあったのを食物の名と思って注文して笑われたという観光客の笑えない話を聞いた。

 

 どうやら、これが活字になった最初の例らしい。李剛は1971年3月刊『世界の旅:目で見る6(香港 マカオ 台湾 韓国)』で韓国部分を担当しており、この取材・撮影時に仕入れた話なのかもしれない。

 

 1970年前後、日本人の韓国旅行は団体ツアーが主流で、ハングルが読めないまま個人で旅行する観光客は珍しかった。他方で、日本人の駐在員や記者、大使館員は増えていた。ソウル日本人学校の前身の補習校ができたのが1970年。1972年5月には漢南洞で日本人学校が開校している。ちょうどその時期だ。

 

 食堂で「火の用心」を注文した観光客が何人もいたとは考えにくい。むしろ、韓国語ができない駐在員がハングルのメニューに苦労するなかで出回った“自嘲的小話”が元ネタ、という方が自然かもしれない。

 

 今では「プルチョシム」や「カンチョプシンゴ」の貼り紙を見ることもなくなった。食堂の窓はやたら大きくなり、中で何を食べているかまで丸見えの店が多い。おまけに今は写真を見ながらキオスクで注文するのが当たり前だ。

 

 「火の用心」を注文した笑い話でウケてもらうには、こうした時代背景の説明が必要かなと思って、長々と書い、失礼しました。

 今年7月から、iPhoneやApple Watchで韓国のT-Moneyが使えるようになった。

 

 ソウルに到着した翌日、さっそく地下鉄駅のT-Moneyチャージ機で現金1万ウォンをチャージし、利用を始めた。

 ※iPhoneでT-Moneyを使う(解説)

 

 いつもソウルでは、街の変化を感じるために地下鉄ではなくできるだけバスを乗り継ぐようにしている。iPhoneでバスの乗り継ぎを検索しながら、停留所の路線図やバスの経由表示を確認して移動する。そんな時、カードを出し入れなしにそのままiPhoneでタッチして乗り降りできるのはとても便利だ。

 

 ところが3日間、バスと地下鉄を利用してみると、多い日には交通費だけで9,000ウォン以上かかっていた。iPhoneでは、支払いや乗り継ぎの履歴が場所と金額とともに表示される。30分以内の乗り換えは「支払いなし」なのだが、ちょっと用事を済ませてからまた移動となると、1,500〜1,550ウォンの支払いが生じる。

 

 

 そうなると、1日定額5,000ウォンでバス・地下鉄が乗り放題になる「気候同行カード」の方が安上がりということになる。そこで、この「気候同行カード」を入手し、1日だけ試しに使ってみた。

 

 

 この「気候同行カード」とは何なのか、どうやれば使えるのか。まとめてみた。

「無制限定期券カード」の導入

 2023年9月、ソウル市は月額65,000ウォンで市内の公共交通機関を利用できる定期券カードを翌2024年上半期に導入すると発表した。対象は市内バスやマウルバス、地下鉄1~9号線や京義・中央線、盆唐線、新林線など、さらにレンタル自転車のタルンイ(따릉이)も利用できるというものだった。

 

 当時、ソウルの市内バスや地下鉄の料金は8年ぶりに値上げされることになっていた。公共交通の利用者比率は2018年の65.1%から2021年には52.9%に減少。一方、乗用車の割合は24.5%から38%に増加した。そうした中での運賃値上げは、利用離れを招くだけでなく、赤字が続く地下鉄・バスの財政をさらに悪化させ、同時に自動車利用増加による炭素排出量の増大が懸念されていた。

 そこでソウル市は、定額の乗り放題券を発行することで、平日の通勤通学だけでなく週末の利用も促し、年間13,000台分の乗用車利用を削減、温室効果ガスを年間32,000トン削減できると試算した。こうした「環境配慮」を前面に出すため、この定期券には「気候同行カード」という名称が付けられた。

 

 2024年1月27日から、月額65,000ウォンでソウル地域の地下鉄・バス・タルンイが乗り放題となる気候同行カードの試行運用が始まった。当初は首都圏の隣接自治体との調整が不十分で、市境をまたぐ利用に制約があったが、3月には金浦市や高陽市などと協約を結び、使用範囲は徐々に拡大していった。

 

「短期券」の発行

 ソウル市は7月1日からの本格運用開始に合わせ、外国人観光客など短期滞在者向けに、定額で公共交通機関が利用できる「短期券」を発売した。短期券は30日単位で販売される一般券とは異なり、1日券(5,000ウォン)・2日券(8,000ウォン)・3日券(10,000ウォン)・5日券(15,000ウォン)・7日券(20,000ウォン)といった短期間を選んで利用できる。ただし、レンタル自転車のタルンイは利用できない。

 

 

 発売開始から1か月で、短期券は計43,454枚販売された。チャージの際の選択で最も多かったのは3日券で15,423枚、次いで5日券10,257枚、2日券6,483枚、7日券6,127枚、1日券5,164枚。購入時の言語選択では、日本語(30%)が最多で、中国語(22%)、英語(20%)、韓国語(28%)と続いた。韓国語での利用28%は、韓国人や韓国居住者の利用もかなり多いことを示している。利用機関別ではバス(32%)より地下鉄(68%)が多く、チャージ場所は地下鉄4号線明洞駅や2号線弘大入口駅・乙支路入口駅・東大門歴史文化公園駅・乙支路3街駅が多かった。(『京郷新聞』2024年8月5日)

 

 9月末には、公共交通機関利用者の約12%が気候同行カードを利用し、そのうち、短期券の利用者も1万人を超えたと報じられた。(『中央日報』2024年10月10日)

気候同行カードの入手

 気候同行カードは、ソウル観光プラザ観光情報センター(鍾路区清渓川路)、明洞観光情報センター、地下鉄1~8号線のアイセンター、地下鉄近くのコンビニエンスストアで購入できる(カード代3,000ウォン)。2025年9月からは、地下鉄駅の新型券売機でも購入可能になった。
 
 私の場合は、地下鉄5号線シンギル駅3番出口近くのアイセンターで3,000ウォンを払い購入した。ただし購入のためには改札を通らざるを得ず、iPhoneで1,550ウォンを支払ったので、実際には4,550ウォンで入手したことになってしまった😢。
 
 
 9月から地下鉄の駅で気候同行カードの購入ができる新型券売機は下のようなタイプのもの。
 [交通カード購入]→[気候カード]の順に選択すれば気候同行カードの購入が可能。その後、チャージのメニューで日数を選び、現金またはカードで支払ってチャージをする。WOWPASSでの支払いも可能。

 

 これで気候同行カードでソウルの公共交通機関を心置きなく利用できる。ただし使い終わっても3,000ウォンは返金されない。だから、リピーター以外は必ずしもお得とは限らない。