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一松書院のブログ

ネット上の資料を活用し、出来るだけその資料を提示しながらブログを書いていきます。

ここでは、TunnelblickOpenVPNを利用して韓国の国内向け限定のサイトにアクセスするための設定を紹介する。

 

※2024年11月30日にTunnelblickからOpenVPNのマニュアルに書き換え

 

 

  iMacでOpenVPNを利用する

・OpenVPNのダウンロード

 

・Open VPN設定ファイル

 

VPN Gate 筑波大学による公開 VPN 中継サーバープロジェクトに行って、韓国で提供されているVPN Gateを選ぶ。

国・地域(物理的位置)の🇰🇷の中から、「連続稼働期間」が長くて「Ping」の数値が小さいものを選ぶとよいようだ。

 

その項目の右側「OpenVPN 設定ファイル」をクリックする。

 

 

「DDNS ホスト名が埋め込まれている .ovpn ファイル」 (UDP)の方をダウンロードする。

それを、OpenVPNの「Profiles」のスペースにドラッグ&ドロップする。

 

・接続と切断

OpenVPNのProfileをクリックするか、左側のスイッチを右に。

 

 

下のようにCONNECTION STATSが表示されれば接続成功。

 

 

左上のスイッチを左にやると確認画面が出るのでCONFIRMすれば切断される。

  1. 植民地支配下の屠殺場
  2. 解放後〜1990年代の馬場洞
  3. 畜産物市場とモクチャコルモク

 

 2022年3月19日午前11時半頃、馬場洞マジャンドンのモクチャコルモク(食べようぜ横丁)で火事が起きた。

 

 

 上掲左の写真は、2015年に初めてここで焼き肉を食べた時の記念写真。右は火災から1週間後の同じ場所で、右側(南側)の店は焼け落ちてしまっている。そして、その焼け跡に、黄色い警告文が貼られている。

2022年3月26日 KorientaTV

警告文

ここは、国・公有地であり、無断占有・使用およびフェンスの毀損は、国有財産法第82条・公有財産及び物品管理法第99条、刑法第366条により告発されます。

城東区庁長

 ニュースでも、モクチャコルモクの近隣住民などから撤去の陳情や請願が度々出されてきたこともあり、焼失店舗の再建築は難しいだろうと報じられている。

 

 ここはどのような変遷をたどってきた場所なのか。調べてみた。

 

  植民地支配下の屠殺場

 今でこそ、安くて美味しい肉が買える市場、そして煙が立ち込める店で焼き肉が堪能できる横丁というイメージだが、もとをたどれば、家畜を殺して処理する屠殺場の周辺施設だった。

 

 大韓帝国時代の1909年8月21日、法律第24号屠獣規則が裁可された。そして、併合後、京城府は、府営の屠殺場を崇仁面新設里と龍江面阿峴里に置いた。

 

 

 峴底洞にも屠殺場があった。1911年に内田実が京城刑務所の南側に設立したもので、1916年に京城府がこれを買収しこれを京城府営の「京城屠獣場」とした。

 この屠殺場は、1925年になって崇仁洞に移設された。

 

 

 そして、崇仁町の家畜市場と屠殺場は、1937年になって馬場里に移される計画が発表された。

 

家畜市場・屠殺場を馬場里に移転!
起債が承認されて二万坪を買収

京城府勧業課では、今年度約十四万円の予算で現在の崇仁町にある家畜市場と屠殺場の移転先の敷地を購入するための起債の認可申請を行っていたが、数日前にその認可が下り、来月上旬には候補地である馬場里の水田、山林、墳墓、土地など二万坪を買収することになろう。
最近は金融界で土地投機に対して非常に警戒していて郊外の土地価格が下降気味であることから、用地の買収は比較的容易だと京城府では見ている。

1937年修正測図 1:10.000

 

 しかし、この馬場町への屠殺場移転は、馬場町周辺の道路や鉄道計画などの関係で実現しないまま日本の敗戦を迎えることになった。

 

  解放後〜1990年代の馬場洞

 解放後、崇仁洞の屠殺場がそのまま引き継がれた。1958年になってソウル市は馬場洞に「近代的な屠殺施設」を設けることにして土地を確保した。1961年には、「東洋最大の屠殺場」が完成して、三一畜産サミルチュクサン株式会社が落札して経営に当たった。馬場洞は食肉供給の中心地と位置付けられた。

 

 屠畜場の経営は、その後、宇成農易ウソンノンヨク株式会社に引き継がれた。その場所自体は、屠殺と卸売の場所であって一般消費者が足を運ぶ場所ではなかったが、その周辺には、横流しの肉や内臓や骨などを販売する業者や露天商なども相当いたようだ※参考1

 

 

 1980年代中盤に、可楽洞カラクドン畜産チュクサン共販場コンパンジャン禿山洞トクサンドン牛市場ウシジャンの整備が進み、ソウルの食肉の卸しや販売が様変わりし始めた。馬場洞の食肉市場でも、1980年代になると屠殺場・食肉卸売市場の西側の小売店や食堂、いわゆる「場外市場」が次第に増えてきた。

 

 

 屠殺場の移転問題は、周辺の宅地化が進んだ1980年代後半から再三取り沙汰されていたが、移転先が見つけられないまま先延ばしになっていた。

 

 1995年、経営難に陥っていた宇成農易は、屠殺場の規模を三分の一に縮小して、その跡地に高層マンション1017戸を建設することとし、3年後には屠殺場を市外に移転するということでソウル市の開発認可を得た。この時に建てられたのが現在の馬場現代マジャンヒョンデアパートである。

 馬場洞の屠殺場は、移転を実現することができないまま、1998年3月31日をもってを閉鎖された。さらに、食肉卸売市場も赤字が続き、2000年7月末には休業に追い込まれた。

 

 

  畜産物市場とモクチャコルモク

 2001年になって、ソウル市は漢江北側にも畜産物卸売市場が必要だとして、馬場洞766一帯を「畜産物特化市場」に指定しようとした。しかし、近隣住民の激しい反対でこれを断念し、ここの敷地には馬場初等学校と馬場中学校が建設されることになった。


 城東区ソンドングは、場外市場だけになった馬場洞の牛市場について、2004年に23億ウォンかけて環境改善事業を行った。2002年にソウル市長に就任した李明博イミョンバクが、暗渠化されていた清渓川チョンゲチョンの復元を打ち出し、2003年7月に工事が始まっていたからである※参考2。小売店舗が立ち並ぶ571mの場外市場の中央通路に沿って屋根を設置し、各店舗に保冷ケースを設置するなど衛生・環境面での改善をおこなった。また「牛市場」の名称も「畜産物市場チュクサンムルシジャン」に変えて、一般消費者の集客に力を入れ始めた。これが現在のアーケードのある畜産物市場の原型である。

 

2022年3月

 

 さらに、2006年には城東区が主導する「清渓川チョンゲチョン下流特性化計画」で、この一帯を2008年までに韓国を代表する「食のタウン」とするプランを打ち出した。これを伝えた2006年10月31日付『文化日報』にはこのような記述がある。

마장동 ‘불고기 外食명소’로 - 성동구 2008년까지 ‘먹을거리 타운’ 조성계획

(中略)

현재 마장동에는 ‘용문집’ ‘대구집’ 등 대표적인 2개 식당과 먹자골목내 무허가 식당 20여개가 있지만 외부 방문객을 끌어들일 만큼 식당가로서의 매력이 부족한 편. 이 때문에 사실상 축산물도매시장으로만 명맥을 유지하고 있다.

 

馬場洞「焼き肉の名所」に - 城東区、2008年までに「食のタウン」造成計画

(中略)

現在、馬場洞には「龍門家ヨンムンジップ」「大邱家テギジップ」の2軒の代表的な食堂とモクチャコルモクの無許可食堂20軒ほどがあるが、外部からの訪問客を惹き付けるほど魅力ある食堂にはなっていない。そのため、ここは事実上畜産物卸売市場だけでもっているのが現状。

 この時点で、モクチャコルモクでは「龍門家」「大邱家」などの食堂が営業していた。そして、それらの店は無許可営業と書かれている。しかし、無許可にも関わらず、モクチャコルモクの食堂も城東区が主導するプランに組み込まれていた。常設食堂としてではなく、屋台ポジャンマチャのような「仮設」「臨時」の施設として黙認したのであろうか。多分、そのためだろう。各店にはトイレがなく、路地の一番西側に城東区が作った公衆トイレを使うことになっている。

2021年4月 ソウルをおさんぽ

 

 2010年3月30日の東亜日報デジタル版に「馬場洞畜産物市場のモクチャコルモクに行ったことがありますか?」という記事がある。

ソウル城東区馬場洞畜産物市場の隠れたスポットが人気を集めている。他ならぬ「馬場洞モクチャコルモク」だ。約50メートルの路地に15の牛肉専門レストランがある。30年余り前に店ができ始め、建物も古くテーブルも狭く、公共交通機関も不便な上に駐車スペースもほとんどない。毎晩、客で足の踏み場がないというのが信じられないほどだ。

これほど不便なのにも関わらず、外国人までが殺到する理由は、店でおいしい牛肉を安く食べられる上、さまざまな部位を食べ比べることができるからだ。 さらに、多少「不便な環境」が、外国人にしてみると異国情緒の観光ポイントなのだろう。
日本人観光客は、日本の雑誌の紹介記事の切り抜きを片手にやって来るという。日本人観光客が増えたため、店側では日本語の看板とメニューを用意した。

 この取材から30年前ということだと、まだ屠殺場があった1980年代から、場外市場の北側スペースに屋台や仮設小屋のような形で営業をはじめていたということになる。航空写真で見てみると、1988年までは駐車場だったモクチャコルモクのスペースに、1989年には建造物が建てられている。この時期が占有の始まりであろう。

 

 

 それが、2006年には、復元された清渓川下流の馬場洞の活性化の目玉として取り上げられ、2010年前後には、人気スポットの一つになったのである。

 

 城東区が何らかの方便を使って食堂としての営業を認めてきていたのだろうが、敷地が国有地・公有地であることに変わりはない。

 今回の火災で、城東区は原則再建築は認めないという立場のようだが、焼け残った店舗部分もあり、この一帯は果たして今後どのようになっていくのだろうか。

 

「龍門家」も「大邱家」も、今回の火災で焼失した

2022年3月26日 KorientaTV

 


 

【参考1】1984年6月14日『東亜日報』

露天商、取り締まりに投石騒動
馬場洞で2名負傷、9名即決裁判に
14日午前、ソウル城東区馬場洞大韓赤十字社ソウル支社前から牛市場に至る清渓川沿いの約200メートルの「消防道路」で、露天商約20名が、これを取り締まろうとした警察と区役所職員に投石してにらみ合いになり、正午ごろに解散した。
彼らは、前日13日に取り締まり班によって屋台を全て撤去されたが、この日彼らの一部が再び現れて警察と睨み合いになった。
管轄の城東区役所と城東警察では、13日昼、この「消防道路」周辺で牛や豚の内臓などを売っていた100人余りの露天商の取り締まりを行い、商品を全て没収していた。
この日の取り締まりで露天商の一部は、投石などで取り締まりに抵抗し、警察機動隊1名と区役所職員1名が負傷した。警察は暴力を振った露天商9名を検挙して即決裁判に回した。

 

【参考2】

馬場洞付近の清渓川は、1977年に馬場橋から京義中央線鉄橋まで覆蓋工事が行われ暗渠になっていた。

2003年からの清渓川復元工事で、覆いが撤去された。

 

  1. 現地音読み
  2. 尹錫悦のカタカナ化
  3. 韓国語での発音の揺れ
  4. (5月11日)追記

 

 3月9日に投票が行われた第20代韓国大統領選挙は、尹錫悦候補が当選した。

 「尹錫悦を読む」といっても、政策とか人間性とか家族関係を「読む」わけではなく、単に名前をどう読むかという問題を取り上げる。特に、日本語でカタカナ表記をどうするかを中心に考えてみたい。

 

  1.現地音読み

 

 日本で、政府やマスコミが、韓国や北朝鮮の人名を日本語漢字音から現地音読みのカタカナ表記に改めたのは1984年のこと。

 

 それまでは、金大中が東京のホテルから拉致されたのは「金大中(きんだいちゅう)事件」だったし、日本での韓国民主化要求デモでは「朴正煕(ぼくせいき)軍事独裁粉砕!」を叫んでいた。

 それに一石を投じたのが、1975年に北九州の牧師チェ・チャンファ(崔昌華)が起こした訴訟であった。自分の名前を「さいしょうか」と呼んだNHKを相手取って、韓国人の名前を日本語読みするのは人権侵害だとして賠償を求めたのである。賠償請求がないと訴訟が成立しないので1円の賠償を請求して「1円訴訟」とも言われた。

 上掲記事には、「韓国政府の要請と日本外務省の方針に沿った措置」とあるが、実は「1円訴訟」などの日本社会の新たな流れの影響も強く受けての措置であった。

 

 ただ、ハングル表記の音をカタカナで表記するのはかなりの無理がある。「現地音」を、できるだけ「それらしく」カタカナ化するというものにせざるを得ない。韓国語の濃音や激音という区別はできないし、nとŋは両方とも「ン」、mは「ム」になってしまう。だからカタカナをそのまま読んでも韓国語としては、まず通じない。

 とはいえ、日本語漢字音で読むよりははるかにましだということで、今日にいたるままでの30数年間で日本社会にはそれが定着してきている。

 今や、日本社会でも「尹錫悦」を「インシャクエツ」と読む方が珍しい。

 

  2.尹錫悦のカタカナ化

 

 2022年3月の大統領選挙前後の時点でのカタカナ表記をみてみよう。

 総理官邸や外務省は、ウェブサイトで「ユン・ソンニョル」と表記している。

 

 

 これに対して、朝日新聞・日本経済新聞・毎日新聞・読売新聞は「ユン・ソクヨル」と表記している。

 

2022年3月11日『読売新聞』

 

 東京新聞も「ユン・ソクヨル」だったが、3月12日から「ユン・ソンニョル」に変更した。

 

 

 他方、放送各局は、NHKをはじめ、FNN・JNN・NNNいずれも「ユン・ソギョル」という表記が主流である。また、ロイター通信も「ユン・ソギョル」。

 


 

 韓国のKBSの国外向け放送のKBS Worldでは、日本政府と同じ「ユン・ソンニョル」を使っている。


 

 

  3.韓国語での発音の揺れ

 

 今回の大統領選挙期間中、尹錫悦の読み方問題は韓国でも話題になっていた。

 

 尹錫悦陣営が作成した選挙運動用の動画でも、名前を一字ずつ分離して発音する場合は単漢字の漢字音なので発音に揺れはない。「尹」「錫」「悦」をカタカナで書けば、「ユン」「ソク」「ヨル」となる。

 

 

 ところが、尹錫悦陣営が作成した選挙運動用の動画でも、ナレーションの流れの中で名前を出すときには、[윤서결(ユンソギョル)]と発音しているものと、[인성녈(ユンソンニョル)]と発音しているものがある。

 

 

 これは、あくまでも「発音」の揺れであって、ハングルの「表記」が違うわけではない。

 韓国語ができる人なら、どちらの発音を聞いても、「윤석열」というハングル表記を思い浮かべる。従って、どちらかの発音に統一しなければならないという切実さはない。ただ、放送とかナレーションとか会話では、読み手が「석열」をどう発音するか、気になるところではあろうが…。

 

 むしろ問題は、「現地音」を「それらしい」カタカナで表記しなければならない日本語の方である。「ソクヨル」「ソギョル」「ソンニョル」。日本語の感覚からすると、別物としか思えない複数の「現地音」が聞こえてくるわけで、どのようにカタカナ表記すべきか思い悩むことになる。

 

 「ソクヨル」は、単純に漢字音を一文字づつそれらしいカタカナにしたもの。では、カタカナで「ユンソギョル」「ユンソンニョル」と書き分けなければならない違いは、どうして発生するのか。

 

 2019年6月17日、文在寅ムンジェイン大統領が尹錫悦を検察総長候補者として指名した。その直後に韓国国立国語院の掲示板に次のような質問がアップされた。ちなみに、原文は全てハングルなので、一部日本語訳の方にもハングルを入れた部分がある。

윤석열 검찰총장 후보자의 이름을 어떻게 발음해야 하나요?
등록일 2019. 6. 18. 
표준발음과 관련하여 한자어로 된 이름을 발음할 때 어떻게 발음해야 옳을까요?
윤석열: [윤성녈]? [윤서결]?
한자로 된 이름이니 합성으로 봐서 ㄴ첨가를 해야 할 지 하나의 이름이니 그대로 연음을 해야 할 지 궁금합니다. 

 

윤석열検察総長候補者の名前は、どう発音すればいいですか。
登録日2019年6月18日 
標準発音と関連して、漢字語の名前を発音する時、どのように発音すればいいですか?
윤석열:[ユンソンニョル]? [ユンソギョル]?
漢字の名前なので、ㄴを入れるべきか、あるいは一つの名前なのでそのまま連音すべきでしょうか。

尹錫悦関係部分のみ抜粋:以下同じ

 これに対し、翌々日に国立国語院側からの回答が掲載された。

답변자 온라인 가나다  답변일 2019. 6. 20.
사람의 이름을 발음하는 방식이 표준 발음법에서 규정되어 있지는 않으므로, 질문하신 내용에 대해 정확한 답변을 드리기는 어렵습니다. 다만 이름은 하나의 단어이며, 일반적으로 하나의 단어 내부에서는 'ㄴ' 첨가가 일어나지 않는다는 점을 고려하면 '윤석열'은 [윤서결]로 발음할 가능성이 높으며, 표기를 고려하더라도 이렇게 발음하는 것이 좀 더 합리적일 듯합니다. 다만 '정열'이 [정녈]로 발음되는 것처럼, 이름을 구성하는 한자의 발음에 의해 [윤성녈]로 발음될 가능성이 전혀 없는 것은 아닙니다.

回答者 オンライン カナダ 回答日 2019年6月20日
人名の発音については標準発音法で定められておらず、正確なお答えはできかねます。 ただ、名前はひとつの単語であり、一般にひとつの単語内では「ㄴ」が加わることがないため、「윤석열」は[ユンソギョル]と発音する可能性が高く、表記を考慮してもこのように発音するのが合理的だと思われます。ただし、「情熱」が[ジョンニョル]と発音されるように、名前に使われている漢字の発音によっては[ユンソンニョル]と発音される可能性がないわけではありません。

 しかし、この回答はすぐに修正された。

[고침]
위의 답변을 정정합니다. '윤석열'의 '석열'은 복합어도 아니며, 한자 구성을 고려하여도 [성녈]로 발음될 이유가 없어 보입니다. 따라서 [윤서결]로 발음하는 것이 적절하겠습니다. 혼란을 드려 죄송합니다.

[訂正]
上記回答を訂正します。 「尹錫悦」の「錫悦」は複合語でもなく、漢字を考慮しても、[ソンニョル]と発音する理由が見当たりません。 よって[ユンソギョル]と発音するのが適切です。混乱を招き申し訳ありません。

 最初の回答では「漢字の発音によっては[ユンソンニョル]と発音される可能性」があるとしていた。しかし、その後、「윤석열」の漢字が「尹錫悦」であることを前提に答えるべきだということになったのだろう。名前の漢字が「尹錫悦」なら[ユンソギョル]が適切だとしたのである。

 

 韓国では、1988年1月にハングル正書法(한글맞춤법)が制定された。ハングルの表記・綴り方や標準的な発音が決められているが、その中に漢字語のr、すなわちㄹの表記・発音の規定もある。ただし、名前の場合には語中のㄹは表記しなくても良いことになっている。むかしピッチャーで活躍した宣銅烈は선동렬と表記すべきだが、本人の希望で선동열で選手登録された。名前の表記・・ではそれはありである。

 

 つまり、윤석열の場合も、本来は윤석렬と表記すべき漢字名もあるということ。例えば尹錫烈とか尹碩烈とかでも、윤석열と表記されることがある。国立国語院の最初の回答で「名前を構成する漢字の発音によっては」といったのは、こうしたことを言っている。

 

 韓国語では、終声の子音と次の初声の子音が相互に影響して発音が変化する。

 もし、윤석렬であれば、석렬[sɔg][ryɔl]の部分は、ㄱ+ㄹ → ㅇ+ㄴ という変化をして[성녈][sɔŋnyɔl]と発音される。カタカナで書けば「ソクリョル」が「ソンニョル」になるという感じ。

 平壌ピョンヤン冷麺レンミョンで有名な「玉流館[og][ryu][gwan]」が「オンニュグァン [oŋnyugwan]」と発音されるのもこれと同じ原理で、朝鮮・韓国語で普通に起こる発音変化である。

 

 ところが、尹錫悦の「悦」という漢字音はrの音を持っていない。語頭だろうと語中だろうと[yɔl]である。[ryɔl]になることはない。だから、上のような発音の変化は起きない。単に前の語の終声と次の初声が結合して、석열[sɔg][yɔl] が[sɔgyɔl]となって서결と同じ発音になる。

 

 国立国語院の見解は、この漢字音の発音の規則から説明している。漢字が「錫悦」であればこの発音の変化は起きないので、発音は[sɔgyɔl]「ソギョル」となる。専門機関としては当然の説明である。

 

 しかし、尹錫悦自身は、自分は[sɔŋnyɔl]と呼ばれてきたので、こっちがいいと言っているのである。

그런데 언론 보도에서 윤 후보자 본인은 어릴 때부터 집에서 자신을 ‘[성열ママ]’로 불러 왔기 때문에 익숙한 발음인 ‘[윤성열ママ]’로 불리기를 원한다고 한다.

 

ところで、メディアの報道によれば、尹(検事総長)候補者本人は、幼い頃から家では「ソンヨル」と呼ばれてきたため、「ユン·ソンヨル」と呼んで欲しいといっている。

『韓国日報』2019年6月24日

 上記のように、석열という名前で[sɔŋnyɔl]と発音されることもあるが、それは漢字音を考慮した読み方であって、r音のない錫悦を[sɔŋnyɔl]と発音するのは、漢字を無視するか、あるいは漢字について「無識ムシック」なために起きることである。韓国は漢字を無くしたわけではないのにも関わらず、漢字など気にしなくていいからこう発音してくれと言っているに等しい。

 

 とはいえ、漢字に拘泥しなくなって久しい韓国社会では、本人が望んでいるならということで、韓国のテレビニュースなどでは、[ソンニョル]が主流になった。しかし、曺国問題の報道の時期でも[ソギョル]と発音する放送関係者なども結構いたように思う。

 

 尹錫悦が大統領選挙の有力野党候補として登場していた2021年10月19日、国会で国立国語院に対する国政監査が行われた。この席で、尹錫悦を[ユンソンニョル]と発音した張素媛チャンソウォン国語院院長に対して、与党共に民主党の鄭清来チョンチョンネ議員が質問した。

 

JTBCニュースルームより 下に文字起こしあり

鄭清来:ユンソギョルですか、ユンソンニョルですか?

国語院院長:発音法上ではソンニョルが正しいです。

鄭清来:ソギョルが正しいんでしょ?

国語院院長:いえ、ソンニョルです。

鄭清来:(えっ?)ソンニョルが正しいんですか?

国語院院長:はい。

鄭清来:「悦ぶヨル」であって、「悦ぶリョル」じゃないでしょう?

国語院院長:はい。
鄭清来:だったら錫悦の発音は?

国語院院長:ソギョルが正しいです。

鄭清来:さっきとは違うお答えですね。発音表記上ソギョルが正しい。

 

 与党の監査委員が、国会の国政監査の場で、国立国語院の院長に迫って[ソギョル]だと認めさせたとしても、[ソンニョル]だと言い張る尹錫悦を揶揄する程度に過ぎない。漢字をほとんど意識しない韓国社会では、[ソンニョル]という読みの流れが変わることはなかった。

 

 2022年3月9日から10日にかけての開票速報と開票結果では、韓国の放送ではほぼ全てで[ユンソンニョル]と伝えられた。

 

 

 尹錫悦候補が当選を決めたあとの記者会見で、尹錫悦当選者自身も[ユンソンニョル]と発音している。

 

 


 

 さて… どの「現地音」を基準にしてカタカナ表記をするのが妥当だろうか。

 

 「現地音」として大勢を占めている発音をカタカナ化するとすれば、「ユンソンニョル」であろう。しかし、発音の習慣としても言語規則からも、「尹錫悦」と漢字表記される名前を[yunsɔŋnyɔl]と発音するのは、明らかな逸脱である。名前のハングル表記はある程度の自由度が認められているが、発音も勝手にどうぞというわけではない。でも、本人が言っているんだから…と言われれば、それもそうであるし、韓国社会はそちらの方向に進んでいる。

 悩ましいところではある。

 

 

  (5月11日)追記

 東京新聞は3月12日から「ユン・ソンニョル」に、毎日新聞は3月15日から「ユンソンニョル」にルビを変更していた。
 日経新聞は、就任式の5月10日の紙面から「ユン・ソンニョル」に変更した。しかし、朝日新聞と読売新聞は、5月10日までは「ユンソクヨル」のままであった。

 

 

 しかし、5月11日の朝刊から、朝日新聞も読売新聞も、ルビが「ユンソンニョル」に変えられた。

 

 

 テレビ局では、5月10日の就任式に合わせて、NHKとNNN・JNN・FNNは、「ユンソンニョル」に変更した。しかし、ANNだけは「ユンソクヨル」のままであった。

 

 

 ANNは、5月10日の20時30分の報道番組までは「ユンソクヨル」だった。しかし、23時30分のニュースからは「ユンソンニョル」に変更した。