あっちこっち…より道したっていいじゃない -3ページ目

あっちこっち…より道したっていいじゃない

ミーハー万歳★
あれもこれも大好きってスバラシイ・・・

 

 

映画の公開が決まりTwitterで次々と流れてくる魅惑的なアートワークの数々に、すっかり魅了されて…しかもあの「ドライヴ」のレフン監督の新作サスペンススリラーだというのだから、それはそれはもう、楽しみで仕方なかった…

 

 

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美を追求するあまり、美に翻弄され、やがては欲望と狂気に破滅させられるモデルたちの世界。

ワンシーン、ワンシーンはまるでアートなポストカードのようにスタイリッシュで美しい。

 

 

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ただ、映画としてどうかと問われれば、それは微妙…。なにかを象徴するような抽象的なイメージばかりが散りばめられて、解釈が追いつかない。かと言って、感じる映画なのかと言うと、それも違う(笑)

 

 

 

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主演のエル・ファニングは、ふわっと可愛らしく魅力的。

しかしそれは、人を惑わせココロを狂わせるような妖しさではないような気がする。イヤらしさが、まったくないのだ。

彼女は、小悪魔ではなく、わたあめ。

 

 

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美を追求する女の狂気…「ヘルタースケルター」の方がぞわぞわ、ってしたなあ。

 

 

 

 

 

少女が、恋をしました…

村に初めてやってきた学校の先生に

 

 

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初恋って、覚えてますか?

ワタシにとってはもう30年以上も前のことになりますが、そのときの淡い想いは、大人になってもココロのどこかに残っているものなのですね…そんな甘酸っぱいような、懐かしいような気持ちが、また、よみがえってきました。あの人は、いまも元気にしてるでしょうか…。

 

いまでこそ、想いを伝えるツールは沢山あります。電話だったりLINEだったり、会いたいと思えばすぐに飛んで行けるし、ある日突然、何年も疎遠になっていた人とSNSでつながったりもします。

むかしは、なんだか、誰かを好きになっても、もどかしかったですよね…想いばかりがつのってしまって。中学生のころは、ワタシが好きになった男の子は遠くに引越してしまったので、よく手紙を書いていたのを思い出します。何日も何日も、待ちこがれてようやく届いた返事の手紙は、何度もくり返し読みました。まだ、なんの汚れも知らなくて、ワタシも純粋でした(笑)

 

 

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父親の葬儀のために、久しぶりに故郷に戻ったルオが、部屋で父と母の写真を見て、かつて母から聞いたことのある2人の出逢いの物語を思い出します…。

 

ひと目で恋に落ちてしまった先生への、少女のまっすぐな想いが、ピュアで微笑ましくて、懐かしい。わざわざ遠くの井戸まで水を汲みに行ったり、先生が通るかもしれない道で待ちぶせしたり。姿を見かけて、目でも合おうものなら少女はキラキラ満面の笑顔になります。

街に連れ戻されてしまった先生の帰りを待って、街から村へと続く道に来る日も来る日もたたずむ健気な姿には、チクンと胸が痛みます。

ワタシだって、かつてはこんな風に、ただ目が合うだけで幸せを感じることができた頃があったはずなのに…大人になって、世の中も便利になると、人はどういう訳か、欲張りになってしまうのですね。

 

 

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恋愛結婚は当時まだめずらしいことのようでしたが、やがて2人は結婚します。

映画ではその後の2人について描かれていません。決して裕福な生活ではなかったでしょうが、息子のルオが生まれ、大学にやり、それでも2人の間にはずっと愛があったのでしょう…。父の死を嘆き、泣いて過ごす母の姿を見れば、ルオもこれから妻になるであろう女性をきっと大切にしていくと思います。

あんな風に、初恋の想いがずっと続いて、ひとりの人を愛したまま歳を重ねていけるのは幸せなことです。

 

 

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年が明けて半月もたって、ようやく映画館に行くことができました。

映画の、幸せな余韻にひたっています。

(午前10時の映画祭7 にて)

 

 

 

 

 

 

 

雪崩が起きた。怖かったけど、みんな無事だった…。

無事だったんだから、それでいいじゃない。

ほんとに、そうなのかな?

 

 

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雪崩が起きて、夫は、手袋と携帯をつかんで真っさきに逃げた。

妻は、幼い子供2人を守らなければと、必死に夫の名前を呼んだ。

 

雪崩が起きた。怖かったけど、みんな無事だった…。

でも、夫がとった行動は正しかった?

 

せめて自分だけでも助からなければ後から家族を救いに行くことができなくなる、とか、死を恐れるのは当然のことで、極端な状況に直面すれば生き延びたいのいう本能が働くのだ、とか…それと家族への愛は違うのだ、とか…彼の行動はいくらでも正当化することができるけど。。。

 

 

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2人からじわじわ伝わってくる不穏な空気は、バカンスに来ているほかのカップルにも広がっていく。子供たちも可哀想だ…。

アタマで考えても正しいことなんて分からない。ココロに正直に生きろ、ってこうゆうことなのかも。とっさの行動を、正当化するのか反省するのか後悔するのか、それとも怒るのか泣き崩れるのか…アタマで考えるのは、後からでいい。

 

仲良し家族のように見えるけど、夫のココロはどうだったんだろ。夫婦のあいだには、これまで見えないところで積みかさなってきた、小さなもやもやは、あっただろうし。家族が大切じゃない訳ではないけれど、あのとき、あの瞬間に、無意識に自分とそれ以外のこととを天秤にかけてしまったんだろな。

みんな助かったんだから、それでいいじゃない…。

残念ながら、そう簡単にはいかなかった。

 

 

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もし、夫が助けに戻って来たことでみんなが命をおとすことになってしまったら…? それでも妻は、夫に留まってほしかったかな。

 

雪崩が起きた。怖かったけど、みんな無事だった…。

 

 

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バカンス最終日の妻のプチ失踪。夫の行動は、本当にココロに正直だったのかなあ。それともアタマでいろいろ計算したのかなあ(笑)

表向きは、仲直りしたように見えたとしても、そう簡単には消すことができないわだかまりが、間違いなくそこにできた。

はてさて夫は、妻の愛、信頼、気持ちをまた取りもどすことが、できるのかな。

 

帰りのバスのなかで、ドライバーの頼りない運転に不安を覚えた妻は、バスを止めろとわめいて真っさきに、ひとりでバスを降りてしまった。

夫への仕返し? いや…結局は、人間て、そうゆうことなんだ(笑)

 

 

雪だるま星

 

 

あ~この映画、おもしろかったキャー

 

これを観た女性のすべてが、おそらく夫や恋人に「あなたなら、どうする?」と尋ねたはず。で、ほとんどの男性は「もちろん助けるよ」と答えたに違いない(笑)

彼を、信じることができるかどうか…それはきっと、アタマで考えても分からないこと。

 

 

 

 

 

あけまして

おめでとうございますひよこ

 

2017年は、どんな映画との出逢いがあるでしょう…

すでに公開が楽しみな新作もいくつかありますねキャー

 

Be Kind Rewind…「ビデオは巻き戻してから返却してね」

ビデオが消えた今となっては、そんな必要もなくなった…お気に入り映画のVHSが、まだ何本も家にあるけれど、観れなくなってしまったのは少し悲しい。

街の一角にあるフレッチャーのビデオ屋さんは、すっかり時代に取り残されて、DVDは置いてないしボロいし立ち退きの危機に直面してる…。ちょっぴり「スモーク」みたいで、なんだか懐かしくって、ほろっとあったかい。ずっとオススメされてて観たくて仕方なかったゴンドリーを、ようやく。

 

 

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ああこの愛すべき2人のダメ男たちの大暴走…マイクとジェリー、大好きだ(笑)

実はワタシ、ジーン・ケリーの次くらいにこのモス・デフの笑顔が好きなので、これにはもう、ココロの底から本当に癒された。

 

フレッチャーの留守に、店を任されたマイク。

ある日。全身、磁気を帯びて(磁気を帯びて…? 磁気を帯びて…! 笑) 悪友ジェリーが店にやってくるもんだから、そのせいでビデオテープが全滅してしまう。映画が、すべて消えてしまってさあ大変。

もうこの時点で笑いが止まらないのだけれど、マイク&ジェリーは、とんでもない方法でこのハチャメチャな状況を乗り越えようとする。

 

 

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ああ、なんて映画愛に満ちた作品なんだろう…。客のリクエストする映画を、あらゆるガラクタを使って次々とリメイクしてしまう。話題作だろうがSF大作だろうが、おかまいなしの手作り低予算映画制作。

ケラケラ笑っているけれど、これこそが映画作りの原点なのだと、ふと、気づく。

その場しのぎで、あわてて2人が「ゴーストバスターズ」を撮ったのに始まって、次から次へと“新作”を撮影していくうちに、街のいろんな人たちが映画づくりに参加するようになる。ただただ純粋に、みんなが楽しんでいるという気持ちが伝わってくるのが、とてもいい。

 

 

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時代がすすめば、その流れにのって、嫌でも変わっていかなければならないことはある。

ただ、失われることになったとしても、そこに込められた人たちの想いは、いつまでだって本物。

ドタバタから一転、クライマックスに向けて「映画ってなんだろう」と問いかけられているようでもあり、映画づくりの愛にあふれてた。

 

あのラストシーン、いいな。

みんなの笑顔が、いいな。

フレッチャーのビデオ屋さんはなくなってしまっても、あの時間を共有した人たちのココロには、キラキラがずっと残る。そうゆうのって、いいな。

 

 

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2017年が

皆さまにとって

笑顔あふれる

幸せな1年になりますように…

 

本年もどうぞ

よろしくお願い致しますひよこ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎年この時期になると、あ~また1年があっという間だったなあ、と感じます。

2016年は、皆さんにとってどんな年でしたか?

 

大きな波、小さな波は行ったり来たり…日々いろんなことが起こりました。

これまで、嬉しかったり楽しかったはずのことが、いつの間にか、もやもややイライラにかき消されて、怒ったり泣いたり凹んだり。今年もまた、たくさんの映画に支えられてきました。

そして…11月のスーパームーン。嘘のような話ですが、ワタシにとってこれは奇跡の夜。正しいと信じてきたことに、必死にしがみついてきたけれど、それを思い切って手放すことで、この夜、ココロが自由になれたのです。

ココロのなかの嵐が去ってしまうと、これまで起こった全部のことが、いまの穏やかな気持ちにたどり着くためにワタシが通って来なければいけない道だったのだということが分かるのです。そう思うと、すべてを、許すことができるのです。

人間ですから、小さな悩みや不安はあってあたりまえ。

でも、上の方は、本当に、晴れているのだと、実感できました。

 

ハート

 

今年も、ステキな映画がたくさんありました。

その時その時の自分の気持ちを重ね、共感して、深く深く感情移入して…そのどれもが、今あるワタシの、大切な一部です。

 

 

 

①マイ・ファニー・レディ

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観る前から大興奮だった1本。2016年、映画館第1号… 明るい幕開け。

娼婦と演出家とセラピスト。ウッディ映画のような人たちが集まって、あふれ出てくる沢山の言葉と複雑に絡み合う人間模様が可笑しくって可愛らしくって、こんな映画は大好きです。

 

 

 

②オデッセイ

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実話と錯覚してしまうような…そんな1本。どんなに過酷な状況に置かれていたとしても、信じることをやめないその強さが美しい。離ればなれになってしまったクルーのメンバーとマークが、再び通信できたときのシーンが好きです。

 

 

 

③シング・ストリート

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すばらしい! すばらしい! すばらしい!

カーニー監督の作品、どれも大好きです。

海の向こうに待っている未来へ。新しい自分を見つけるためには、ときに、なにかを手放す勇気もいる…しがみついているだけでは新しい道は開けないのだと、14歳のコナーに大切なことを教えられます。音楽に彩られて、みずみずしい彼らの姿に、なにやら熱いものがこみ上げてくるのです。

 

 

 

④セトウツミ

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部活に燃えるのも、志望校を目指して猛勉強するのも、憧れの女子に恋焦がれるのも青春。でも、何もしないのもまた、青春。毎日おなじ川沿いの階段…2人のおしゃべり、ずっと聞いていたくなります。笑いが止まらず、ほっこりします。

 

 

 

⑤裸足の季節

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ワタシは自由で、正直に生きて良いはずなのに…どうしてこう、自らを狭い鳥かごのなかへと押し込めようとしてしまうのかな…いま思い返せば、この映画を観たころから、ワタシはココロの解放を求めていたような気がします。

 

 

 

⑥君の名は。

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これは少年と少女の恋の話?たしかにそうとも言えるけど…

「最初は2人でひとつにつながっていたのに、人は糸から切り離されて現世に落ちる」…これは、まだ出逢ったことのない運命の人を求めて、その糸を探る2人の、果てしない物語。

どこか遠くに、確かに糸でつながっていた運命の人がワタシにもいるはずなのだと、そんな夢を、みたくなります。

 

 

 

⑦七人の侍

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新作ではないけれど、初めて観たこの国宝級の作品は外せません。

この七人の侍の精神こそが、本来、日本人のココロの奥深くに根付いているはずの、美しさであり優しさなのです。

「人を守ってこそ自分も守れる。己のことばかりを考える奴は、己をも滅ぼす奴」

一杯の白飯のために命を賭けることができる侍の姿に、ココロを打たれました。

 

 

 

⑧函館珈琲

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山盛りの特別感で、今年1番ワタシのココロに染み入った作品です。迷って踏みとどまってしまったワタシの背中を、ぽん、と優しく押してくれるような、そんな優しさがあふれていました。

 

 

 

⑨ pk

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愛の、映画です。

誰もが、信じたいのは争いより平和。

混乱より調和。苦しみより安らぎ。怒りより笑顔。

そして、憎しみより愛。

 

 

 

⑩グッバイ、サマー

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あの夏2人が出逢って拾いあつめた数々のキラキラはすべて、後の彼らの人生の宝もの。目の前にあるのが、たとえ困難の壁だったとしても、それを乗りこえて行こうとするまっすぐな少年たちに、ワタシは忘れかけてしまった何かが、はっとよみがえってきたような気がします。

 

 

ハート

 

きっと…

2017年はワタシにとって

新しいスタートの年になるはずです

 

 

今年も仲良くしてくださって、ありがとうキャー

少し早いですが

どうぞ、良いお年をお迎えください

 

 

 

 

 

 

 

デジタルリマスターとか4Kとか、技術的なことはよく分からないけれど…むかしの、名作と言われる作品が、こうしてまた映画館によみがえってくれるのは本当に嬉しいこと。

この「スモーク」は、とっても優しくてココロ暖まる、ワタシの大好きな映画のひとつで、クリスマスの夜にこんなステキな作品をまたスクリーンで観ることができるなんて、まるで神さまからのプレゼントのようです。

 

 

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1995年の公開当時は、恵比寿ガーデンシネマでこれを観ました。懐かしいです。

 

 

クリスマスツリー星

 

 

14年もの間、毎朝同じ時間に、同じ場所で、街角の写真を撮り続ける煙草屋のオギー。

妻を亡くしてから、書くことができなくなってしまった作家のポール。

車にはねられそうになったポールを助けた黒人少年のラシード。

 

ブルックリンの街角にある、オギーの煙草屋さんを舞台に、ワケありの3人と、そこに集う人たちの物語。

 

 

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なにが嘘で、なにが本当なのか…。

きっとそれは、どうでもよいこと。

信じる人がたった1人でもいれば、その物語は真実にちがいないから。

 

 

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クリスマスにショートストーリーの依頼を受けたポールに、オギーが聞かせてあげたとっておきのお話。

それは14年前のクリスマスに、彼が盲目の老婆と出逢ったときのこと。

オギーは老婆に嘘をついたけれど、その嘘は、彼女を幸せにする、とっても優しい嘘だった…。

 

ただよう煙が、固定することなくその形を変えていくように、ときに嘘は、人を思いやる真実に変わる。

 

 

クリスマスツリー星

 

 

エンドロールで流れるその物語は、トム・ウェイツのしゃがれた歌声に包まれて、ワタシのもとにもまた、優しく、暖かく届きました。

 

 

良かったらコチラもクリック

  【クリスマスがいっぱい】

  【煙草がいっぱい】

 

 

               

 

 

このブログを読んでくれた人たちへも…

happy christmas星

 

 

 

 

 

 

 

 

ワタシたちは、アタマばかりで物ごとを考えすぎていて、目に見えているものや耳に聞こえているものだけに、とらわれすぎているような気がする。

 

 

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ワタシも、もっともっと、自分のココロに正直に、自由に生きていたいと、カーネギーホールに響くマダム・フローレンスの歌声を聴きながら思った。

 

 

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フローレンスは、歌えなかったかもしれないけれど、歌わなかったワケじゃない。

讃えるべきはその勇気? 財力? それとも意地? そうではなくて、彼女の正直なココロ、だ。

確かに、音のはずれたソプラノでは感動よりも笑いが起こってしまう。それでもまっすぐで、解放されたそのココロの声に、ワタシの涙は止まらなかった。

 

 

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フローレンスの歌が下手っぴと知っていながら、彼女を持ち上げてその気にさせるのは、一歩違えば酷なこと。そんななかで、フローレンスが彼女らしくいられたのは、たくさんの愛にあふれていたから。

愛される人というのは、小賢しさなんてこれっぽっちもなくて、自分のココロに正直な人。たまたまフローレンスは病気だったけれど、そうでなかったとしても彼女ならカーネギーで歌っていたと思う。

ワタシは、そんなフローレンスを本当に美しい人だと思った。

 

 

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映画を観るまでは、夢を夢だけで終わらせない、というところにこの作品のテーマがあると思っていたけれど、そうじゃなかった… 見えているもの、聞こえているものだけが真実なんじゃない。ワタシのココロは、いつだって自由であっていいはず。もっとココロの目をひらいて、ココロの耳をかたむけてごらん、と導いてくれるような、そんなステキな映画だったなキャー

 

 

 

 

 

 

 

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「リトル・ダンサー」ビリー11歳

「シング・ストリート」コナー14歳

「天才スピヴェット」T.S.10歳

「リトル・ランボーズ」ウィル11歳

「ムーンライズ・キングダム」サムとスージー12歳

「さよなら子供たち」ジュリアン12歳

「スタンド・バイ・ミー」クリス12歳

 

かつてはワタシにだって、こんな歳のころがあったんだよね…もう、子供ではないけれど、まだ、大人ともいえない、ちょうど思春期に差しかかる多感なころ。そのときのワタシは、それなりに考えて悩んで笑って泣いて生きていて、そのときのワタシの目に見えてる世界がすべてだと思ってた…。

 

 

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クラスメイトからはミクロと呼ばれて馬鹿にされてるちびっ子ダニエル。ママは口うるさくて、お兄ちゃんはパンク。絵を描くことが大好きで、長い髪が女の子みたいで…恋するローラにはまったく相手にされてない。悩み多き、14歳。

そんなある日、クラスに転校生がやってくる。ガソリンくさくって、へんてこな自転車に乗ってて、ちょっぴり変わり者のテオ。彼もまた、両親の愛に飢える複雑な14歳。

 

ダニエルは、やがてテオと仲良くなっていく。周りの大人に理解してもらえないもどかしさも、テオなら分かってくれるから。2人は廃材を組み立ててつくった“動く小屋”で、窮屈で息苦しい日常から飛びだそうとする。

 

 

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僕たちは、30年後どこかで再会したときに 「あの時、夢をあきらめたよな…」って語り合うのかい? と、テオは言う。

30年たってしまえば、ダニエルとテオの日々は子供のころの夏の思い出のひとつでしかないのかもしれない。けれど、自分の前に立ちはだかった壁を超えるため、やり遂げようとした2人の姿には、大人になってしまったワタシでも少し背中をおされた。

夢を、ただの夢だけで終わらせないよう、前に向かって歩いていくことに、本当は年齢なんて関係ないんだな…。

 

 

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子供たちがすることは、大人から見れば馬鹿げていて突拍子もないことかもしれないけれど…そのとき出逢うべくして出逢った人と、そのときにしか感じることができない、そのときにしか見ることができないいくつもの宝ものを、いっぱいいっぱい吸収しているんだと思う。ワタシだってそうやって、キラキラしたものを集めながら大人になってきた。今からだって、同じなはず。

 

 

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ミシェル・ゴンドリーは「エターナル・サンシャイン」が大大大好き。あんなステキな映画を撮れる感性は、やっぱり彼が子供のころに集めたキラキラのおかげなんだろうなと思う。彼の自伝的映画とも言われる本作…あたりまえのように過ぎていく毎日のなかで、ワタシが忘れてしまっていた宝さがしを、また思い出させてくれたような気がする。

 

 

 

 

 

音楽のひびく、ニューヨークの空の下…

「はじまりのうた」を観たあとだったせいか、なんとなく印象が薄れてしまっていたのだけれど、遅れてでも観て良かったな…少し優しい気持ちになれたから。

 

 

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ケンカしたまま疎遠になってしまった弟が、ニューヨークの街で聴いてきた音、見てきた景色、訪れた場所。そのカケラをひとつひとつ拾いあつめて、弟との失った時間を取りもどそうとするフラニーだけど、交通事故で昏睡状態にある弟には、その想いはそう簡単には届かない…。

 

 

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目を覚まさない弟の傍らで、後悔と、このまま逝ってしまうのではないかという不安に押しつぶされそうになりながら、その弟が与えてくれたジェイムズとの新しい出逢いには、惹かれながらも戸惑いをかくせないでいる。

 

 

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「はじまりのうた」よりも「ONCEダブリンの街角で」の切なさに似ていたかな。気持ちは、ひとつなのに、結ばれない2人。ココロは誰よりも近くにより添っているけど、それは相手を想いこがれる恋というより、もっと大きくてもっと深い、優しくつつみこんでくれるような信頼と安心。

「ONCEダブリンの街角で」より、かなりチープな感じではあるけれど、恋人同士として結ばれるだけが、ハッピーエンドなのではないのだということ。

 

 

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いつか大切だと思える人が現れたなら、ココロでつないだその手だけはどうか、離してしまわないように…。一緒に過ごすことができなくても、同じ歌を聴きながら、同じ想いを胸に、ココロだけはいつまでもつながっていられるように…と、ラストシーンを眺めながら、ぽっ、と気持ちが暖かくなった。

 

 

天気

 

 

12月も終わりに近づいて、世間は忘年会シーズン真盛り。だけどワタシは、いつものようにヨガに行く。

 

「上の方は、晴れている」…今日のいずみ先生の言葉は、特別ココロにしみたなあ。

どんなに厚い雲が空をおおい、雨が降りつづいたとしても、その雲の上は、晴れている。

嫌なことに向き合わなければいけなかったり、乗り越えなければいけない苦難が目の前に山づみだったり、凹んだり、くじけそうになったとしても…ワタシは思考をさらにその上へ、上へ持っていこう。

上の方は、晴れているから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界の黒沢へ…1歩目

 

 

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ダゲレオタイプという言葉を、この映画で初めて聞いた…

世界で最初の、実用的写真撮影法なのだとか。

ちょっと気になる光景や美味しそうなものがあれば、カシャッとボタンひとつで写真に収めることができるのと違って、フィルムは光の明暗が反転せず、露光時間20分という長いあいだ被写体を捉えてそのまま再現する。よって仕上がった写真は、焼き増しなどはできない、世界に1枚しか存在しない写真となる…らしい。

先日の「函館珈琲」には、ピンホールカメラというのがでてきた。サワちゃんが撮影しているあいだに、そこを流れるゆったりした時間は、優しくてとても心地よかったのだけれど…

黒沢清だと、そうはいかない。

 

 

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ゆれるカーテンと軋むドアの音、風で舞う落ち葉…。

ハッとなったりビクッとしたり、あからさまなホラーではないけれど、ぞわぞわと不穏な空気が、全編ずっとながれてる。

 

1800年代のお話なのかと思いきや、現代の、話である。

ダゲレオタイプ写真こそが本物なのだと、それにとらわれすぎている写真家のステファン。よりきめ細やかな写真を撮るために、1枚の写真に永遠の愛を刻むために、露光時間は次第に長く、長く…妻が、娘が、彼の犠牲になっていく。

 

 

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執着も過ぎればそれは狂気に変わる。

助手のジャンも、不穏な空気にのみ込まれ、現実と妄想との境がどんどん不明瞭になっていく。

 

 

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誰しも、いつの間にか、知らないうちに目には見えない何かに締めつけられていることがある。

日々の暮らしのなかでもそう。仕事をしているうえでもそう。正しいと信じていること、こうであるべきと信じていることを曲げるまいと、必死になってしがみつけばつくほど、ふとした時に、息苦しくなって足掻く。いつしか、この映画のように狂気に堕ちていく要素を誰もがココロの内に孕んでいると思うと、ゾクゾクする。

 

早く深呼吸を…手遅れになってしまう前に、肩の力をゆるめてあげないと(笑)