あっちこっち…より道したっていいじゃない -4ページ目

あっちこっち…より道したっていいじゃない

ミーハー万歳★
あれもこれも大好きってスバラシイ・・・

 

 

 

 

こんなの、見たことないですか?

 

IMG_6208.JPG

 

 

曼荼羅(マンダラ)です。

仏教の装飾画のイメージが強いかもしれないですが、宗教的な世界観を表現したものばかりではなく、宇宙の法則や、人の生死や、輪廻転生を表現したものなど、いろいろな種類の曼荼羅があります。

サンスクリット語で「マンダ」は「本質」を意味し 「ラ」は「得る」という意味があるそうです。

曼荼羅は、円や中心あるものを囲む構図の中に悟りの世界がくり広げられ、あらゆる思想やものごとの、真理に至るまでの宇宙の縮図なのです。

 

 

ヒョウタン星

 

 

曼荼羅は、アートとしても親しまれています。

ワタシが今日、体験してきたのは「糸かけ曼荼羅」です。

 

先生としてお呼びしたタツイシさんは、福岡県糸島市でひょうたん農家を営んでいる方で、そのひょうたんでランタンやスピーカーを作っていらっしゃるアーティスト。ほんわかしていて、とても暖かいおにいさん先生でした。

 

 

IMG_6213.JPG

 

 

糸かけ曼荼羅は、素数を利用したアートで、板に打ち込んだ64本のピンに、素数を数えながら糸を規則正しくかけていくことで、模様を浮かび上がらせていきます。ひとつの色を、1周すべてのピンにかけていきます。選んだ糸の色や作られた模様には、自分の内面が映し出されているそうです。

 

 

IMG_6231.JPG

矢印ワタシが選んだ9色

 

 

ひたすら糸をかけていくなんて、単純でつまらない作業だと思われるかもしれませんが、不思議と癒されて、ほっこりできるのです。完成まで、5時間近くかかりました。

 

 

FullSizeRender.jpg

矢印1周かけ終わるごとに、複雑な模様ができあがります

 

 

ピンに糸をかけながらワタシは「君の名は。」の糸の話を思い出します。

 

「よりあつまって形を作り、捻れて絡まって、ときには戻って、途切れ、またつながり…」

 

人と人がつながっているということ

出逢いと別れのこと

時間と時間のつながりのこと

ココロを固く閉ざすのも糸、それをまた、ゆるめることができるのも、糸…

 

 

FullSizeRender.jpg

 

 

完成した曼荼羅は、ただ美しいだけではありません。

糸がつなぐ今のワタシと未来のワタシ。

ワタシを見つめなおすことができる、ワタシの小宇宙…

 

これが、糸かけ曼荼羅なのですキャー

 

 

 

ヒョウタン星 おまけ 星ヒョウタン

 

https://mandala.meekaa.net/

こんなのも、ありますよ(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

能天気でドタバタなスラップスティックコメディ「すべての道はローマへ」

 

 

IMG_6196.JPG

 

 

きっかけは、ローマの学会に参加する予定のガブリエルが、途中で立ちよったレストランでふと耳にした女の人の話し声…。彼女は、自分の殺され方について、電話で誰かと話している!

 

くしゃくしゃの頭にメガネをかけて、お気に入りのミステリー小説を片手に、お茶目でおとぼけなガブリエル。こう見えて、彼は学会での発表を控えている幾何学者。粋で繊細な、フランス映画界の貴公子とも言われるジェラール・フィリップが、陽気に弾けていてなんとも愛らしい。

 

さて、この “殺されてしまう” 彼女はローラ。 実は、女優さん。

役のなかでの、最期について議論していただけだったのだが、そんなことを知る由もないガブリエルは、ローマへ行くという彼女の、死を覚悟した逃避行のお供を申し出る。

 

ガブリエルと、そんな彼をからかっておもしろがるローラのローマへの旅…

はてさて、どうなるのかな。

 

ジェスチャーが派手で、どことなくサイレント映画のような雰囲気もある作品。

途中ガブリエルたちが出会うイタリア人と、フランス語とイタリア語のお互い一方通行のちぐはぐな会話シーンがあるけれど、字幕ではそのおもしろさが半減してしまうのが残念…。

ジェラール・フィリップとヒロインのミシュリーヌ・プレールは「肉体の悪魔」で悲恋のカップルを演じた2人。まったく正反対のコメディをやらせてみよう、というのがプロデューサーの狙いだったのだとか。

 

 

ハート

 

 

2人がワインを飲みすぎて、ほろ酔いをとおり越してちょこっとずつロマンスが芽生えるようなそうでないような…そんな、ふわふわ陽気なシーンが好き。

やわらかな月の光とお酒と笑いと…ほら恋はすぐそこに、って、くすぐったい余韻がとても心地よい。

 

 

flower1

 

 

午前10時の映画祭でやっていた「モンパルナスの灯」を見逃してしまってちょっと後悔。

代わりと言ってはなんだけど…ひっそりジェラール・フィリップまつり(笑)

 

 

 

 

 

 

世の中

なにが大切って

それはやっぱり

なのです

 

 

IMG_6137.JPG

 

 

どこから来たどんな人でも、

争い より 平和

混乱 より 調和

苦しみ より 安らぎ

怒り より 笑顔

憎しみ より 愛

を、信じて

生きていたいのです

 

 

IMG_6140.JPG

 

 

日本人のワタシたちにとって

宗教や神様にまつわる問題は

あまり馴染みがないですが

ゴールまでの過程は違えど、

行きつくところは

やはり

なのです

 

 

IMG_6139.JPG

 

 

純粋で清らかなココロを持った pk の

言葉ひとつひとつに

笑って泣いて、泣いて笑って

世の中が、

少しまあるくなったような

気持ちがするのですキャー

 

 

 

 

 

 

予告を観て、ワタシは一瞬でこの映画を大好きになると分かる…。

ほっこりしてて優しくて、暖かくてほろ苦くて。

なんとなく行きづまってしまったときに、ぽん、と背中を押して、踏みとどまっていた1歩をまたスタートさせてくれるような…生きることにちょっぴり疲れてしまった人たちのココロに、じわ~っと染みこんで、もう少しがんばってごらん、と見守ってくれているような。

 

 

IMG_6112.JPG

 

 

福岡は本日が初日。

函館の美鈴珈琲さんが、客席内でひとりひとりに珈琲を淹れてくれた。

ミルで豆を挽く音、こぽこぽと珈琲が沸く音…そして、ただよってくる甘い香り。珈琲って、こんなに美味しかったっけ…イチコさんの言葉の意味が分かる。

上映前の至福のひととき。

 

 

IMG_6113.JPG

 

 

翡翠館というアパートに、東京からヒヤマ君が引越してくる。

2作目がなかなか書けない小説家…彼はここで、古本屋さんをひらくという。

 

翡翠館には「原石をみがいて育てる」というオーナーのトキコさんのもとに、とんぼ玉を作るイチコさん、テディベアを作るアイザワ君、そして写真家のサワちゃんが暮らしてる。みんな、人生に迷って悩んで、独りぼっちで…なにがあったのかは分からないけれど、過去の傷を背負ったまま、ようやくたどり着いたこの翡翠館で、なにか答えを見つけ出そうとしてる。

ヒヤマ君の淹れる美味しい珈琲は、こわばったみんなのココロを少しずつ、とかしてく。

 

 

IMG_6114.JPG

 

 

函館の短い夏。ヒヤマ君もここで、もう1度、自分を見つめなおしてみる。

夢なんて見なければ良かった?…ううん、それは違う。夢は、いくつになっても何度だって見ていい…ワタシは、そう思う。

 

サワちゃんは、ピンホールカメラで写真を撮る。

おせんべいの缶かんみたいな箱に、小さな穴が開いているだけのカメラ。1枚の写真を撮るのに15分はかかるという。サワちゃんが写真に収める函館の街は、そうやって、彼女が、じっくり自分自身と向き合っている時間が生み出したもの。

 

 

IMG_6115.JPG

 

 

11月14日…雨の予報だったにも関わらず、奇跡的に晴れた夜空にはスーパームーンが輝いた。満月は、今の自分の悩みを解放できる日。今年の満月は、特別。だからワタシも、もやもやした気持ちやワタシのココロをしばりつけているものをすべて手放して、一旦リセットしようと決めた。手放さなければ、新しく受け入れる隙間がないままだから。

 

こんな決断をしたときに、どうしてこういう映画に出逢っちゃうのかな…(笑)

ぽん、と背中を押された。

ワタシはきっと、これからも大丈夫。今なら自分のことを、そう信じてあげられる。

 

 

IMG_6116.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワタシが、朝、目覚めたとき…コーヒーを淹れているとき…電車に揺られているとき…映画館のロビーで待っているとき…こうしてブログを書いてるとき…あの人は、なにをしているのかな、と考える。

 

世の中の、どこにいる誰のうえにでも、時間は同じ早さで、同じ長さで流れているワケで…たった11分間という短い時間の中でも、運命的なことが、ときに起こったりする。

 

 

IMG_6088.JPG

 

 

ある日の17:00から17:11までの11分の間の、11人の男女と1匹のワンコの、それぞれの人生が、大都会の空の下ですれ違ったりちょこっとずつ絡み合ったり。

 

これは、おもしろいと思った…11分間というアイディアが良かった。

ごちゃごちゃしているなかでも、女好きの映画監督や、やきもち妬き夫、窓拭き男やホットドッグ屋、強盗に失敗した少年や絵描きなど、ひとりひとりの個性は描かれている。更には携帯の動画や監視カメラ、ハンディビデオに収められた映像もうまくブレンドされて、時間を行ったり来たりしながら11分間のコラージュが完成する。

 

 

IMG_6090.JPG

 

 

不気味な黒い点…空に浮かんでいるらしき謎のもの…

 

そして、とうとう、運命の、瞬間.....?

 

 

IMG_6089.JPG

 

 

この映画は、おもしろかったと、言えるのか…

ハイ

その瞬間、までは、確かに、ね

 

 

IMG_6087.JPG

 

 

めいっぱい膨らんだ風船が、パンっと勢いよく割れて弾けてスカッとラストを迎えるのではなく…あららと空気がもれて萎んでしまったような(笑) これが、理不尽な世の中を表す不条理さなのだというメッセージなのかな。

なんだかなあ…期待していただけに少々残念な結果に。

 

一瞬ぞわっとするような、不穏な空気をただよわせていたあの「点」は一体なんだったのかな…(笑) いかにも物語のカギのようであって実はなんでもなかったという…ね。

 

 

IMG_6091.JPG

 

 

はてさて今から11分後の、ワタシの未来はどうなっているのかな…ドッカーン爆発

 

 

 

 

 

 

夢やぶれ挫折したバイオリニストと、

スラム街の子どもたち。

音楽が彼らに与える感動と喜び…

 

サンパウロのスラム街には、その日を生き延びるのもやっとの子どもたちを、音楽を通じて貧困や犯罪から救おうとするNPOがあり、エリオポリス交響楽団というオーケストラを創設しているそう。これはその誕生を描いた、実話とのこと。

 

 

IMG_6034.JPG

 

 

上の3行だけで、物語の起承転結の大方は予想できてしまうと思っていた…それでも尚、この映画に惹かれたのは、ただ、ワタシも音楽映画の魔法にかかりたいと思ったからに他ならない。用意されていたところで、準備していた涙を流し、ああ音楽ってスバラシイと、素直にココロを浄化したい⋯そんな、気分だったから。

 

 

IMG_6033.JPG

 

 

ところが…予想していたものとはかなり違っていた。

スラム街の背景にある、厳しい社会情勢を目の当たりにするような、なかなか過激なものだった。ただの奇跡の感動物語、ではなかった…。

子どもたちの生活は過酷であっても、楽器を奏でているときだけはそれを忘れられる…彼らのココロはだんだん1つになっていく。

しかしたとえ、スラム街に美しいバッハの音色が響いても、暴力も麻薬も貧困も犯罪も、やっぱりそこには深く深く根づいたまま、無くなりはしない。音楽への情熱だけでは、子どもたちに明るい未来を約束することはできない。音楽だけでは、世界を変えることはないのだ…。これが、現実。

 

 

IMG_6025.JPG

 

 

けれども、音楽の魔法にかかった人たちから、少しずつでもその感動が広がれば、世の中だって、もしかしたら、ちょっぴりは動きだすかもしれない。そんな、希望を、捨ててはいけないのだと思わせてくれる余韻はあった。

 

サンバ、ラップ、クラシック…あらゆる音楽と、あらゆる感情が交差する。決して、このままで良いと思っている訳ではないのだと、誰もが感じていることが伝わってきたのは救いだった。

 

 

IMG_6024.JPG

 

 

流すはずだった涙は、また今度…(笑)

 

 

 

 

 

 

 

西川美和さんの作品は、どれも深くワタシのココロに残るものばかり。

人を、美化して描くだけではなくて、誰のココロの奥にでもひそんでいる黒くて暗い部分を繊細にかつ鋭く描き、じわりじわりと浮き彫りにしていく。だからと言って気が滅入るような後味の悪さを残すものではなくて、人としての在り方、というか自分自身の在り方についてじっくり考えさせられる。

 

「永い言い訳」も楽しみにしていた新作で、前々からもちろん観るつもりではいたけれど、なぜ、この日、このタイミングで観ることになったのか…その朝ワタシに起こった出来事を考えると、これはもう、運命的としか言いようがない。

 

 

IMG_6005.JPG

 

 

サチオとナツコは20年連れ添った夫婦だったけれど、そこにはもう、愛はなかった。

サチオには、ナツコが食べたものも着ていた服の色も分からないし、事故の知らせを聞いても悲しさを演じることしかできなかった…。

あのときサチオは、人気作家としての自分の面子を一番に考えていたのかな。でも、同じ事故で命を落としたナツコの友人の夫や子供たちとふれ合うことで、ようやくナツコとも向き合っていくことになる。

 

ナツコを亡くさなければ訪れることはなかった、小さな幸せをもたらす新たな出逢い。失ってから初めて気づく大切なものに、迷い足掻いて自分の醜さに苦悩しながらサチオが葛藤する姿に、共感しつつも怒りを覚えたり…。

 

 

IMG_6008.JPG

 

 

人としての器が小さくて、ねちっこくて性格もひねくれてるくせに、ナツコへの態度は傲慢で、散々、好き勝手にやってきたサチオ。それなのにナツコの愛はまだどこかにあると思っていたよう。

事故で彼女が亡くなったあと、偶然にも彼女が残したメールの下書きを見たサチオは、もうとっくにナツコを失ってしまっていたのだと気づく。あって当たり前だと思っていたものが、もうないのだという現実が、改めてサチオの胸に突きささる。

 

 

IMG_6009.JPG

 

 

人を愛するというのは、決して簡単なことではないけれど…大切にしなければいけなかったとき、優しくしなければいけなかったときに、それを疎かにせず少しでも歩みよることができていれば…手遅れにはならなかったかもしれないのに。

 

ナツコの春巻きが好きだったことをサチオが思い出した…。

写真のなかには、サチオが知らなかったナツコの笑顔があった…。

 

少しずつ、サチオも変わっていこうとするけれど、ナツコはもう、戻ってこない。

 

 

IMG_6007.JPG

 

 

良かれと思ってした事だったとしても、その真意が相手にきちんと伝わるとは限らない。どこかで、どういうワケか自分本位のわがままにすり変わって、ひねくれてこじれてしまう事がある。

感謝も愛も思いやりも、これではお互い相手に届かない。

ケンカをする相手がいるのは、ある意味、幸せなことなのかもしれないけれど、このまま、もし…本当の気持ちが埋もれてしまったまま、後味の悪いまま、もう会うことができなくなってしまったら…?

そんな気持ちが重なって観ていたら、涙が出て仕方なかった。

 

 

IMG_6006.JPG

 

 

悪意があったワケでなくて、ただのちょっとした誤解やすれ違いで、もし、イヤな人になってしまっていたのだとしたら、修復は少しでも早い方がいい。

 

手遅れに、ならないうちに。

 

 

 

 

 

 

 

 

実は、ちゃんと観るのは初めて。むかし…しょっぱなから、なんと言っているのか、あまりにセリフが聞き取れず挫折したことはある…。

今さら、ワタシなんかが語るには申し訳ない国宝級のこの作品。4Kとやらで劇場鑑賞できるなんて、なんともありがたいことである。満席の午前10時の映画祭は初めてだ。

 

 

IMG_5972.JPG

 

 

麦の収穫が終わるころ…とある貧しい村では、盗賊と化した野武士たちの、襲来の恐怖におののいている百姓たちがいた。野武士を相手に戦おうとも、その術を知らない彼らは、村を守るために侍を雇うことを決断した…。

 

 

IMG_5974_sRGB.JPG

 

 

いったい、どこの物好きの侍が、まともな報酬も得られず名誉にもならない戦を買って出るというのか…百姓には、タネの善し悪しは分かっても侍の善し悪しは分からない…侍さがしは難航する。

 

百姓たちが、ようやくめぐり逢った勘兵衛という侍。冷静で頭が良くて優しくて、驕った態度をとることのない、徳の高い勘兵衛…百姓たちは、そんな彼に、村を託すことに決める。

 

 

IMG_5977.JPG

 

 

「実はな。金にも出世にもならん難しい戦があるのだが、ついて来るか?」…集まったのは、勘兵衛の人柄に惚れてついてくることを決めた五郎兵衛、七郎次、久蔵、平八、勝四郎、そして菊千代。

 

日本の、侍が、ここに。

これが、日本の誇る、侍スピリット。

一膳の白い飯のために、命を賭ける男たちの姿だ。

 

 

FullSizeRender.jpg

IMG_5975.JPG

IMG_5971.JPG

 

 

国宝ともなれば、凄いとか、カッコいいとか感動したとか、そんな陳腐な言葉で表してしまっては失礼にあたる。今もなお多くの人に愛されているのは、この七人の侍の精神こそが、日本人のココロの奥深くに根付いているはずの、美しさであり優しさだからだ。

裕福で便利な時代になったのと引き換えに、失ったものも多くある…目先の損得だけで物ごとや人を判断し、他人に責任をなすりつけることを覚え、人との関わりが希薄になった。手遅れにならないうちに、今こそ「七人の侍」を1人でも多くの人が観るべきだと思った。

 

「人を守ってこそ自分も守れる。己のことばかりを考える奴は、己をも滅ぼす奴だ」…忘れかけていた何かを、勘兵衛の言葉で思い出せるかもしれない。

 

 

IMG_5969.JPG

 

 

 

 

 

映画館を出ると、身体中の節々の痛みが出現し、まさかの発熱(笑)

皆さんも、季節の変わり目は体調にお気をつけくださいね四つ葉

 

 

 

 

このところ、家でずっとロッキーを観ていた。

公開から40年もたって、初めてのロッキー。失礼な話ではあるけれど、ブルドッグなみの頬のたるみのせいなのか、まどろっこしい話し方のせいなのか…長い間、生理的にスタローンを受け入れられず、これまでずっと避けてきたロッキーシリーズ。

今もまだなお多くのファンを持ち、名作と名高い1作目が、ちょうどワタシと1歳違い。ほぼワタシが生きてきた年月と同じだけの歴史をもつこのシリーズに、なにか運命的なものを感じやしないか…?

 

きっと、今こそが、ワタシがロッキーを観るべき時だったんだ…おもしろくって、もう止められない。夢中になって観てしまう。

ワタシもようやく、ハートで闘うファイター、ロッキーの虜になる。

 

 

 

【ロッキー】 (1976)

IMG_5858.JPG

 

意外にも初めての「ロッキー」を鑑賞。ボクサー魂に火がついてからのロッキーがカッコイイ。

朝4時起きに生卵5個の朝食! やっぱり人は、何か目標に向かって一生懸命な姿が良い。

大切なのは、結果だけではないということ…試合には勝てなかったとしても、ワタシ達を熱くするのはそれまでの彼の道のり。

あんまり得意ではないスタローンだけど、40年前の彼はまだ頬のハリもあって若かった(笑)

 

 

 

 

【ロッキー2】 (1979)

IMG_5864.PNG

 

「勝って」というエイドリアンのひと言がロッキーを再びスタートさせるスイッチ。愛する人が、夢を追いかけている姿は素敵だけれども、そのひと言を発するまでの彼女の葛藤もまた、ひとつのドラマであり大きな決断。

あのラストの試合は…とてつもなく壮絶な闘いだった…。

 

 

 

 

【ロッキー3】 (1982)

IMG_5935.JPG

 

引退が頭を過ぎりながらも、再びやる気スイッチが入ってからのエンジンのかかり方には興奮する。最強とは言え、大切なものを失ってしまうのでは、という恐怖に負けてしまいそうになるロッキー。

ミッキーとの別れを経て、そこからまた這い上がっていこうとする姿には男気を見た! とことん付き合うアポロもまた、なんてイイ人なんだろう…。かつてのライバルが今や盟友となり、そこに強い強い絆が生まれる。

エイドリアンが、どんどん綺麗になっていくなあ。

 

 

 

【ロッキー4】 (1985)

IMG_5938.JPG

 

冒頭からアポロのテンションの高さには違和感があった…なにか不穏なことが起こりそうで、もやもやしてた。まさか、アポロがこんな最期を迎えることになろうとは思ってもみなかった…。

亡きアポロへの想いを胸に、ロッキーは極寒の地、ロシアへ。ドラゴとの闘いは、なんて壮絶でなんて孤独なんだろう…。それでもロッキーは、アポロのために栄光を勝ち取りプライドを守った…彼は、本物の、ファイターなんだと思った。

 

 

 

 

【ロッキー5】 (1990)

FullSizeRender.jpg

 

どこからともなく現れた新人トミーに父の愛を奪われて、悲しそうにする息子のまなざし…チクッとココロがいたんでしまう。

歳をとったせいなのか、ロッキーが純粋すぎるせいなのか…彼はこれまでとはまた違った迷いや葛藤に翻弄されている。でも、彼の目を覚ますのは、いつもエイドリアンの愛、なんだな。

 

 

 

 

【ロッキー・ザ・ファイナル】 (2006)

IMG_5944.JPG

 

あ~エイドリアンは、もういないんだ。。。いつの間にか息子との仲もぎくしゃくで、親しくなったマリー親子に何かを求めているのか、歳もとって哀愁を帯びたロッキーの姿がただただ切なくて…。 挑戦するのに、遅すぎることなんてない。ハートで闘うロッキーの姿に、素直にココロうたれた!

これまで、スタローンが苦手という以外は、なんて理由もなく避けてきたロッキーシリーズ。ワタシが観るべき「その時」を、きっとこれまで待っててくれたんだろな…。

 

 

 

 

【クリード チャンプを継ぐ男】 (2015)

IMG_5953.JPG

 

そして、ついにここまで来た…これは、父と息子の物語だと、ワタシは思った。

亡きエイドリアンやポーリーに話しかけたりカメにエサをやったり、レストランを切り盛りしながら、ボクシングからは離れた平穏な毎日を送るロッキー。

そこに、息子の姿が見えないのがワタシはどうも気がかりで仕方ない…前作で父子の絆を取り戻したかのように思えたのに、やはり「ロッキーの息子」であるということは、地元で生活するには重荷だったのだ…。ココロに、ぽっかり穴があく。

さらに老いて、ひとまわり小さくなったように見える寂しげなロッキー。そんな彼の前に、ドニーが現れる…あの、アポロ・クリードの息子が。

 

 

IMG_5954.JPG

 

 

ロッキーがドニーに見ているのは、トレーナー目線のボクサーとしてのドニーというよりも、息子との間に想い描いていた父子のあり方なのだとワタシは思った。

息子には、ボクサーになってほしいと願っていた訳ではない…ただ、そばで共に生きる家族、仲間として、信頼関係をきずいていきたかっただけなのに…。若き日のロッキーを思い出させるドニーのひたむきな姿。まさにチャンプの名を継ぐに相応しいボクサーへと成長するドニーに、ロッキーが一生懸命になればなるほど、ワタシは息子の不在を悲しく思わずにはいられない。

そしてドニーもまた、父親の名声の重圧に潰されそうになりながらも、自分の存在価値をボクシングに見出そうと奮闘している訳で…。

 

それぞれの想いをぶつけ合うかのようなラストの1戦。

シリーズを通してみても、これは最高レベルの試合だった…泣いた。

 

 

FullSizeRender.jpg

 

 

それにしても、最強無敗の王者であるコンランが…王者なのに、ぽっちゃりだったのはなんでかな。それに引きかえドニーの筋肉といったら…それはそれは、とても美しい。

 

 

星星星

 

 

IMG_5956.JPG

 

ということで…

ロッキー、なのでしたカオ

 

 

 

 

 

アートたけし展に行ってきた。

最終日に、すべりこみセーフ(笑)

 

 

FullSizeRender.jpg

 

 

芸人としてお茶の間を笑わせ、ニュース番組では時評を語り、はたまた俳優としてスクリーンに登場し、いまや映画監督としては世界のキタノと称される北野武。ワタシは、映画監督としてのたけしが1番好きだけれども、画家としての一面もまた、すごい感性が宿っているものだと思った。

 

1998年に公開された「HANA-BI」を見るまでは、ワタシは彼が絵も描ける人だったとは知らなかった…。点描画法で細かくポップな色使いでシュールなところもあり。映画で描かれる暴力的なシーンとは裏腹に、幻想的な美しさが今でも印象に残っている。あの頃は、特に北野映画にハマっていた頃だったしね…。

 

さて今回のアート展。

「HANA-BI」で使用されたものの展示はなく、初めて目にするものばかりがずらり。カラフルな作品が多く会場はパッと明るく広々している。

でも、なにかが違う…なんだろ…そう感じる人もいたはず。

美術展などでふつう見られる「順序」のサインも、作品タイトルも解説のパネルもなにもないからだ。山田五郎さんの音声ガイドの貸出はあったけれど、たけしが自由にやってるのなら、ワタシも自由に見ることにする。

 

絵を見るのは好き。でもそれが上手いのかどうかは正直どっちでも良い。たけしの目に見えているユーモラスな世界が、どれだけ伝わってくるのかを感じるのが楽しい。彼の見ている人々や世界を、ワタシもちょこっと覗かせてもらっている。

こんな絵を家に飾りたいな、と思う気持ちよりも、ワタシも描いてみたいな…そう思わせる不思議な空気がただよってた。ワタシ、絵なんて描いたことないのに(笑)…それだけ自由だった。

 

北野武...すごい人なんだなあ。

 

 

FullSizeRender.jpg