雪崩が起きた。怖かったけど、みんな無事だった…。
無事だったんだから、それでいいじゃない。
ほんとに、そうなのかな?
雪崩が起きて、夫は、手袋と携帯をつかんで真っさきに逃げた。
妻は、幼い子供2人を守らなければと、必死に夫の名前を呼んだ。
雪崩が起きた。怖かったけど、みんな無事だった…。
でも、夫がとった行動は正しかった?
せめて自分だけでも助からなければ後から家族を救いに行くことができなくなる、とか、死を恐れるのは当然のことで、極端な状況に直面すれば生き延びたいのいう本能が働くのだ、とか…それと家族への愛は違うのだ、とか…彼の行動はいくらでも正当化することができるけど。。。
2人からじわじわ伝わってくる不穏な空気は、バカンスに来ているほかのカップルにも広がっていく。子供たちも可哀想だ…。
アタマで考えても正しいことなんて分からない。ココロに正直に生きろ、ってこうゆうことなのかも。とっさの行動を、正当化するのか反省するのか後悔するのか、それとも怒るのか泣き崩れるのか…アタマで考えるのは、後からでいい。
仲良し家族のように見えるけど、夫のココロはどうだったんだろ。夫婦のあいだには、これまで見えないところで積みかさなってきた、小さなもやもやは、あっただろうし。家族が大切じゃない訳ではないけれど、あのとき、あの瞬間に、無意識に自分とそれ以外のこととを天秤にかけてしまったんだろな。
みんな助かったんだから、それでいいじゃない…。
残念ながら、そう簡単にはいかなかった。
もし、夫が助けに戻って来たことでみんなが命をおとすことになってしまったら…? それでも妻は、夫に留まってほしかったかな。
雪崩が起きた。怖かったけど、みんな無事だった…。
バカンス最終日の妻のプチ失踪。夫の行動は、本当にココロに正直だったのかなあ。それともアタマでいろいろ計算したのかなあ(笑)
表向きは、仲直りしたように見えたとしても、そう簡単には消すことができないわだかまりが、間違いなくそこにできた。
はてさて夫は、妻の愛、信頼、気持ちをまた取りもどすことが、できるのかな。
帰りのバスのなかで、ドライバーの頼りない運転に不安を覚えた妻は、バスを止めろとわめいて真っさきに、ひとりでバスを降りてしまった。
夫への仕返し? いや…結局は、人間て、そうゆうことなんだ(笑)
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あ~この映画、おもしろかった![]()
これを観た女性のすべてが、おそらく夫や恋人に「あなたなら、どうする?」と尋ねたはず。で、ほとんどの男性は「もちろん助けるよ」と答えたに違いない(笑)
彼を、信じることができるかどうか…それはきっと、アタマで考えても分からないこと。



