黒い豆、白い豆
鴨じぃの家には、母屋の向こうに座禅を組む神聖な部屋がある。
もう、かれこれ座禅を組むようになってから、十数年経つらしいが、毎日朝の日課となっており、
朝起きるとその部屋に入り、一人静かに座禅を組むらしい...。
その座禅部屋から眺める山々の風景は、そりゃぁ素晴らしい絶景で、ただそこにいて目をつぶり
座っているだけでも、何か心の奥の方から癒され、身体ともに洗われていくような気がするほどの
風景がそこにはあるのだ。
前回の農業体験が終わり、ほっと一息お茶をしている時に、ポツリとその話を鴨じぃはし始めた。
鴨: 黒い豆、白い豆って知ってる?
オ: もちろん。大豆と小豆のことですよね?
あれ、ちょっとたんま!!!
黒は、黒豆のことでしたっけ?最近、お茶なんかでも有名ですよね。
鴨: 違うよ!
座禅の話しだよ!!!
どうやら、座禅の話しらしい...。
話しを聞けば、こういうことである。
人間の体とは、『瓶』または、『器』であり、要するに貯蓄するところというらしく、
善良な考えを持つ者には、白い豆が体に溜り、邪悪な考えを持つ者には黒い豆が溜まるとのことなのだ。
座禅はその体に溜まる豆を白い物にしていく作業のことをいう。
鴨: キミは、座禅をした方がいいかもな。
オ: どういうことですか?
鴨: ・・・。(遠くを眺める。)
その日の夜、お風呂に入っているときのこと。
ふと、おへそに目をやると、黒豆がでていた。
豆というよりは、ゴマである。
要するに、不衛生ということであり、座禅とは全く関係がないのだが...。
ただ、その時鴨じぃのあの一言が僕の中でリフレインした。
『キミは、座禅をした方がいいかもな・・・。』
『・・・いいかもな・・・。』
『・・・かもな・・・。』
そして、座禅をすることを決めたのだった。