花の水の紹介。アルのつく言葉はアラブから。アルコールとか。 | 大森 由紀子のブログ

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フランス菓子・料理研究家、大森由紀子が日常の美味しいを綴るブログです。

お花の水のご紹介。今回京都のお教室で作ったミアスでは、オレンジの花の水を入れましたが、花の水の原産地は、チュニジアを中心とする北アフリカあたりです。

朝早く、花を大量に摘んで、それを煮て蒸留さ
せたものがその水になります。オレンジの花の水は、フランスでは最初にお菓子の香
りづけとして使われました。もちろん今でも使います。主に南のお菓子に多いですね。そのほか、スキンケアとしても利用されているし(お菓子材料として探す場合は、スキンケア用はNG)、原産地では、胃腸薬、風邪薬、などなど体調が悪いときの飲み薬として。

18世紀には、バラやオレンジの花の水は鎮静剤などとして使われ、マリー・アントワ
ネットは、専用のシガレットケースのような香水入れを持っていて、ヴァレンヌ逃亡
の際、不安になるとそれを馬車の中でかいでいました。結局つかまっちゃって、また
チュイルリー宮殿に戻されましたけど。

このように蒸留をして液体にする道具をつくったのも、アラブの人で、それをアラン
ビックというのですが、コニャックpic3(京都のフレンチ、ドロワのものですが)やアルマニャックを作るときに用いますね。アランビックは、
Al-anbiqという言葉が元になっているらしいですけど、Alのつく単語はだいたいアラブから入ってきました。Alcool,  Alphabet, Alchimiste。中世は、医学、数学、
科学、錬金術と何かとヨーロッパよりアラブの方が進んでいたのです。

Pic1の素敵なバラとゼラニウムの花の水の瓶は、チュニジアに赴任していたIさんからいただきました。
Pic2は、パリの高級食品店に並ぶ製菓用オレンジの花の水。

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