戦いに勝って作られた三位一体スイーツ。 | 大森 由紀子のブログ

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フランス菓子・料理研究家、大森由紀子が日常の美味しいを綴るブログです。

おこげ、絹部分、タルト生地、三位一体菓子!

京都お菓子教室、2品目は、Tourteau fromagéトゥルトー•フロマジェ(フロマージュではなくフロマジェでお願いします)。独特の専用の型で焼きます。


ポワトゥー•シャラント地方を代表するチーズのお菓子。フランスでチーズケーキは珍しい。なぜならチーズは食後にワインと食べるものだからだ。バスクチーズケーキは、フランスの伝統菓子でもバスクに伝わるお菓子でもなんでもないですぅ。(サンセバスチャンの、とある店で作っていたものを真似て売り出したとのこと。ネーミングが、、)


8世紀に、アラブがこの地方に攻めてきて、トゥール•ポワチエの戦いとなり、結局、カール•マルテルという当時のメロヴィング朝の宮宰が、アラブ勢力を食い止めたんですね。慌てて逃げたアラブ人が、ヤギを置いていったとのことで、当初は、そのヤギからできるチーズを使って作られていたそうな。今は、牛乳のチーズで作られています。


今回は、中沢乳業さんのフロマージュ•ブランの水気を切って使用。繊細で絹のような食感に仕上がります。


高温で、表面が黒くなるまで焼きます。

パリに住んでいた時、パリから5時間かけてこのお菓子を作るアトリエ(入っていた袋に記載されていた電話番号に電話して)訪ねたことがあるんですけど、おこげ部分を剥がして食べていたら、めっちゃ怒られました。笑。