ハプスブルク家、女帝「マリア・テレジア」の名前を冠するドリンク。ダブルエスプレッソにオレンジリキュールを加え、ホイップクリームを乗せ、オレンジを飾る。ウィーンのカフェ・コンデットライでいただける。
テレジアは、マリー・アントワネットの母としても有名だが、
ウィーンの観光を背負う看板娘として大切な人物。そして、なんといっても、ハプス
ブルク家に生まれた女子をそれぞれ政略結婚させて男勝りの外交政治をやってのけ、強気な国家改革を推し進めたので有名。しかし、本来は女王にはなれなかった身。というのは、当時ヨーロッパでは、フランス最初の王、クロヴィスの
時代に定めたサリカ法典(クロヴィスはサリ族出身でそこからこの名前が由来)とい
うものがあり、その決まりの一つに後継者は男子とするという記載があったからだ。
しかし、テレジアの父親、カール6世は、近親婚で死亡率多い家系のうえ、自身も男
子の跡継ぎがいないことを悟り、ヨーロッパ諸国の反対を押し切り、女子でも家督が
継げるようにさせたのである。
テレジアの夫になった人は、実はフランスのロレーヌ公国からやってきた。当時珍し
かった恋愛結婚。フランス王ルイ15世は、そんな他国の婿に
なるならロレーヌを手放していけ!の一言で、ロレーヌはフランスに譲渡され(こんな風に、フランスの各地方は、フランスに併合されたのである)代わ
りに、自分の嫁、マリー・レクザンスカの父親(ポーランドで王権争いに負けて亡
命)にロレーヌを一代限りという条件付きで治めさせたのであ~る。