ローマからボンジョルノ
先日、調理器具、
テフロン素材のフライパンについて質問をいただきました。
せっかく購入したイタリアの老舗の調理器具メーカーのものが
テフロン加工だったということで
私の使っているものについてお問い合わせくださったのです。
ありがとうございます。
そう、普段、食材には注意をしていますが
調理器具が危険だと
元も子もないですよね。
大事なことです。
私自身は、20代の時にビタクラフトにはまり、
結構、揃えたんですね。
アメリカ製のステンレス鍋、
大部分は、イタリアに来るときに実家に置いてきました。
ここ20年ほどは、
結婚するときに母に買ってもらった
ステンレス鍋のクリステルの鍋3個セット
そして義母からもらったラゴスティーノのステンレスの圧力鍋、
これがメインな調理器具です。
あとは、問題のフライパン。
もう30年ぐらい使っているビタクラフトのものをのぞいては
私もコーティング加工されたフライパンを使っているのです。
(傷はあるけど、すごく長持ちしているステンレスフライパン)
PFOAフリーなど書いてあるものを選んでいますが、
コーティングが悪くなると
すぐに買い替えなければならないので
そろそろ真剣に向き合わなければと思っていたところです。
まずはおさらいとして、
問題のテフロン加工。
最近ではテフロン加工って危険、という声を聴きますが
流行りましたよね、90年代も。
結婚するときに、テフロンの鍋を揃えていた友人も
結構いた記憶があります。
テフロン加工が危険かどうかという化学的なことは理解できないのですが
まず、テフロン加工の登録をしているデュポン社について調べると
やっぱり危険だろうな、と思ってしまいます。
WIKIペディアから
第一次世界大戦・第二次世界大戦では火薬や爆弾を供給し
莫大な利益を得て「死の商人」と呼ばれたが、
マンハッタン計画に参加した際は「死の商人」と呼ばれる事を嫌い
金銭は受け取らず、
ワシントン州ハンフォード・サイト、テネシー州のオークリッジ国立研究所で
ウラニウムの分離・精製やプルトニウムを製造して
原子爆弾の開発に貢献をするなどしてアメリカの戦争を支えた。
これを読んだだけでも、げんなりしちゃいます。
デュポン社のテフロン加工は、
化学的に安定で耐熱性、耐薬品性に優れるフッ素炭素樹脂
ポリテトラフルオロエチレンを
1938年に同社の研究員が発見し、
1941年、PTFE:ポリテトラフルオロエチレンの特許を取得します。
これは、当初、戦車への撥水コーティング剤として
採用されたというんです。
その後、核燃料の製造過程において、
六フッ化ウランから発生する強い腐食性のガスが問題だったのですが、
パッキン、ライニング材料にPTFEを使用することで、
安全に取り扱う事が可能となり、
原子爆弾の開発に大きな役割をはたしたんだそうです。
戦争が終わったあと、
デュポンは1945年にPTFEを「テフロン™」 (Teflon)の商標で登録出願し
1947年にはテフロン塗料の販売開始、
1960年にはテフロン加工のフライパンが誕生したんです。
だから、個人的な感想としては
使う人の安全なんて考えてなかったでしょうね。
しかも、私がテフロンと言って思い出すのは、
「アルミの鍋がアルツハイマーの原因だ」というニュースで
テフロン加工の鍋を使うようになったのでは、という疑問です。
で、そのあと、
アルツハイマー、認知症が激増したのですから
皮肉な話です。
我が家でもアルミの鍋は姿を消したのに
結局、父は認知症になっちゃいましたから。
とつらつら書いてきましたが、
問題はテフロンのフッ素樹脂PTFEだけでないんです。
フライパンのフッ素樹脂を接着させるための化学物質
PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、
がんなどの病気のリスクの増加と関連している可能性が指摘され
調査の結果、2011年以降、
企業などがラベルに「PFOAフリー」と表示し始め、
現在、フライパンはPFOAの使用が禁止されているんですね。
いまでもPFOAフリーと書いてあるものが多いので
私も避けるようにしてましたが
実際には、もう製造はされてないそうで
こういうのは、ありがたいですね。
一方、肝心のフッ素樹脂PTFEも
フライパンによっては、
フリーと記載されているものも多いです。
冒頭のお問い合わせがあったメーカーも
ざっとHPを見ていると、
チタン硬質セラミック粒子で強化された
5層のKERAVIS TI-X焦げ付き防止コーティング
と書いてます。
商品の数が多いので、商品にもよりますが
いまは、フッ素樹脂が使われていない可能性が高いと思います。
2023年春から、欧州化学物質庁(ECHA)が、
フライパンのコーティングに使われている
多くの危険な化学物質(グループの総称PFAS)の禁止を提案し、
イタリアは含まれていませんが、
ドイツ、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーで開始されています。
この提案の中にはもちろんPTFEも含まれていて、
18か月の移行期間が過ぎた後は
フライパンへの使用が完全に禁止というものですが
まだ、決定ではないので今後が注目ですね。
ちょっと読んでみただけでも、
フライパンだけでなく、40年代以降、
こうした化学物質が地球上の
いろんなところで大量に使われてきていて、
それに関して、多額のお金が動くわけですから
事態は複雑ですよね。
やっぱり、知ることって大事、
コメント、ありがとうございます。
長くなったので、続きは明日に。
BUONA GIORNATA
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