ボンジョルノ。

 

昨日、また暑くなってきた、と書いたところで、

今朝はなんと15度!!!

 

夏休み中だとは思えない寒さで、

靴下なんて、引っ張り出してきました。

 

ここで体調崩している場合じゃないところが、つらいところですね。

 

というわけで、夏ももう終わりですが、

夏の野菜、ナスをたっぷり使ったシチリア料理、

カポナータのレシピをご紹介します。

 

実は、我が家の子供たちが初めて食べたのは日本。

 

妹が連れて行ってくれた彼女の友人のイタリアンレストランで、

「へえ、美味しいね、これ。初めて食べた」と長女が言って、

まわりが、みんなびっくりしたとか。

 

「なんでイタリア人なのに、カポナータを知らないんだ!」

と言われても、

「私たち、シチリア人じゃないし、シチリアに住んでないから。」としか、

言いようがないんですよね。

 

ローマではレストランでだって、

シチリア料理レストランじゃない限り、まず食べられないんですよ。

 

 

カポナータのレシピ

【材料】4人分

ナス 2本(約500g)

玉ねぎ 1/2個(約100g)

セロリ 1本

トマトピューレ(約1/4カップ)または、水煮缶のトマト1~2個

緑のオリーブの実(種なし) 10粒くらい

塩漬けケイパー 大さじ1(なければ、酢漬けでもOK)

松の実 約大さじ2杯

エクストラバージンオリーブオイル 大さじ2

バジル

砂糖 大さじ1/2杯

白ワインビネガー 大さじ1杯

揚げ油(できればオリーブオイル)

塩、

 

【作り方】

1.ナスは1.5cm角くらい、玉ねぎはみじん切り、セロリは1センチ角くらいに切る。

(ナスのアクが気になる場合は、塩を振って5分置いて、水分をとる)

 

2.ナスを揚げ油で、色付くまで3~4分揚げる。

 

3,フライパンに玉ねぎをオリーブオイルとともに入れて2分ほど炒めて、

セロリ、トマトも加えて、1分くらいなじませる。

 

4.オリーブの実、ケイパーも加え、弱火で3分くらい煮込み、

揚げたナス、バジルも加えて、あと3分くらい煮込む。

 

5.ここで、砂糖とビネガーを加えて味を塩で整えて、

強火で、少し水分を飛ばす。松の実も加えて、出来上がり!

 

 

カポナータは、イタリア料理の中でも、砂糖を使う珍しい料理です。

オリーブにケイパー、松の実という地中海の素材と揚げたナスのコクに

甘酸っぱい味つけが夏の疲れをとってくれるようです。

 

それこそ、滋味たっぷり!

 

我が家の子供たちはお酢が苦手なので、少なめにしているので、

お好みで、砂糖もビネガーも量を増やしても大丈夫です。

 

 

ナスを揚げるのが億劫で、暑い季節には作れないのですが、

我が家では、少し涼しくなったこの時期に、美味しくいただく料理です。

 

材料が長いので、難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、

基本的に、ナスさえ上げてしまえば、あとは順に混ぜるだけ。

全部で20分から30分もあれば出来上がりです!

 

翌日のほうが、味がなじんで美味しくなります。

材料、多そうですが、少し多めに作ることをおすすめします。

 

ここまでですごく長くなっちゃったけど、興味のある方へ

ちょっとシチリアについてのうんちくを。

 

 

シチリアはイタリアだけど、地中海の真ん中に位置しているがゆえに、

独特な文化背景を持った島なんです。

 

紀元前8世紀ごろには、すでに古代ギリシアの植民地で、

すぐ近くのカルタゴ(現チュニジア)とも、抗争が絶えず、

 

紀元前3世紀ごろ、カルタゴとの抗争を助けた古代ローマの属州となり、

 

古代ローマ帝国の滅亡後、

東ローマ帝国(現トルコを中心)の支配にも入り、

 

9世紀になると、アラビア半島から来たイスラム教徒たちに征服され、

 

11世紀には北欧をルーツとするノルマン人たちによって征服。

 

13世紀になると、一時的に、神聖ローマ帝国(現ドイツ)の支配を経て、

フランス、アンジュー家の支配に入るが、

結局、13世紀の末には、スペインの支配下に。

 

500年続いたスペイン支配のあと、

一時的に、のちのイタリア統一を果たすサボイア家のものとなり、

今度は、オーストリアハプスブルグの支配。

 

18世紀には、スペインのブルボン王家の支配となり、

ナポレオン戦争中、イギリスの干渉も受けた後、

ナポリ王国と統合されて両シチリア王国となるのですが、

王様は、あいかわらずスペインのブルボン家。

 

ようやく、19世紀の末、イタリア統一運動によって、

イタリア王国に組み入れられたんです。

(で、ここから、さらにシチリアの悲劇が始まるともいいます)

 

すごくないです?この歴史!

 

これだけ多くの国に取り合いをされたということは、

それほど、魅力のある島だったということなんですが、

壮絶な歴史ですよね。

 

だから、イタリアと目と鼻の先ですが、

イタリアになったのは、わずか150年くらいの事で、

多くの国の影響を受けた多種多様な文化が特徴なんです。

 

料理なんて、まさにその典型です。

 

だから、ローマっ子の我が家の子供たちが、

カポナータを知らなかった、というのも、

おなじくローマっ子の夫にとっても、あまりなじみのない料理なので、

私もあえて、積極的に作らなかった、

という理由なんです。

 

日本にいたころ、結構、早く覚えたイタリア料理がカポナータだったというのに!

 

いまだに、それぞれの地域の特色を大切にしているから、

イタリアの食文化って面白いな~と思います。

 

これからも、もっとご紹介していきますね。

 

 

 

 

 

 

このブログの人気記事

イタリア人の普段の食事は何を食べている?意外と質素なヘルシー料理

 

揚げ物を週に何回食べてますか?バランスのいい食事について考える