ここでは2010年の読書を振り返るのと、印象に残った本の紹介を。

読書再元年(2009年)から二年目となった2010年の読書は・・・

圧倒的に読書量が減った(年間たったの50冊)のが残念だった反面、読書の楽しみと感想ブログはこうして続いているのでよかったな~とほっとしてもいるところです。(飽きっぽい性格なので・・・)

2010年は仕事を始めたり、書かなかったけどちょっと病気があったりで時間的にも精神的にも読書にのめりこめない時期がありました・・・。生活の変化には慣れてきたので、2011年はもう少し量のアップにも力を入れたい。

それから、二年目の贅沢というか、なんでもがむしゃらに読んでいた2009年より本を選ぶようになってしまったのが自分で憎たらしい!!気分が乗らないと読めないとか、そんなん言える立場かってねー。でも「読みたいときに読める」のはサイコーですね。

初めて電子書籍を購入したのも2010年の特筆すべきできごとでしょう。ネット環境さえあればどこでもすぐ手に入るので、今まで海超え空超え配送してもらうしか手段がなかった海外在住者にとっては画期的なサービスと言えます。まだコンテンツが乏しいので、今後の電子書籍化にさらなる期待です(°∀°)b
ただし、経済的な問題もあるので(;^_^A その辺のバランスが難しいですな。

ミステリから入ったジャンルも二年目は少し幅が広がって、純文学、海外もの、ライトノベルなどにもちょこっと手を出せました。特にファンタジーとの出会いは新鮮で、苦手意識は薄れたので今後も少しずつ読んでみたいです。

さて、ここで、2010年に読んだ本で最も印象的だった作品の紹介です。

私は時流に乗った読書家じゃないし読書量も少ないのであまり皆さんの参考にはならないと思いますが、一応自分の中でこの先もずっと輝きを失わないで心に残っていくだろうなと思われるものを選びました。順不同です。

<福澤彰之>シリーズ/高村薫
「晴子情歌」◎←シリーズ中特によかった一冊にこのマーク
「新リア王」
「太陽を曳く馬」

2010年に読んだ中でこのシリーズは外せません!うんうん唸りながら読んだ作品群でしたがそれだけに生涯忘れられない読書体験となりました。
はな。おすすめポイントはな。
日本の近代から現代までがここにぎゅっと詰まっている。

<リヴァーサイド>シリーズ/エレン・カシュナー
「剣の輪舞<増補版>」
「剣の名誉」
「王と最後の魔術師」

2010年最後に見事にはまったシリーズ。翻訳もの独特の読みづらさはあったがそれ以上に愛くるしいキャラたちにノックアウトされた・・・。個人的には萌えのるつぼだった。
はな。おすすめポイントはな。
剣客、貴族、中世ヨーロッパ風、陰謀、BL、少女剣士、娼婦、男娼、大学(教授と学生)、魔術・・・このあたりのキーワードにピンと来た方はぜひ!!

「冷血」トルーマン・カポーティ
高村薫さんの新連載「新 冷血」から興味を持った一冊だったが思いのほかすばらしい作品で印象に残った。
はな。おすすめポイントはな。
アメリカ社会が背景にあるがこれだけ犯罪者の内面に肉薄した犯罪心理小説を他に読んだことがない。

「春の雪」三島由紀夫
初三島作品。途中何度も挫折したのに読み終わってみたらぞっとするほど心から離れない小説。<豊饒の海>四部作の一作目。ほか三作はまだ未読だがぜひ読みたい。
はな。おすすめポイントはな。
高貴とは何ぞや、禁忌とは何ぞや、おぞましさとは何ぞや―――。それらをちらりと覗いてみたい方に。

「死亡推定時刻」朔立木
お世辞にも出来のいい小説ではないんだけど(ごめんなさい)、犯罪が起こったとき周辺の専門職がどのように動くかが手に取るように分かった点で非常に価値があり、また今後ミステリを読むにあたりためになる本でした。
はな。おすすめポイントはな。
警察の取調べ、起訴、裁判などの過程で密室で何が起こっているかを知りたければこれを読むべし!

「知と愛」ヘルマン・ヘッセ
20年ぶりに再読して、これは私の殿堂入りだと確信した本。何と形容しても言葉が足りない美しさをたたえた作品。天国まで持って行きたい。死んだら棺桶に入れておくれ~。
はな。おすすめポイントはな。
う~ん難しい。あまりに好きすぎて何とおすすめしていいか分からない・・・。

「悪人」吉田修一
ファンと言いつつ2010年はあまり読めなかった吉田さん。映画化もされ話題となった一冊だけに、やっぱり印象は強い。男女のベタな恋愛ものは苦手と思ってたのに、逆にロマンティックであればあるほどのめりこめる自分を発見させてくれた稀有な(?)作品で、特に逃亡中の灯台の場面に(実際は九州の田舎なのに)フランスの港町のような雰囲気を漂わせる描写には吉田マジックを感じた!
はな。おすすめポイントはな。
これと言って強くおすすめするポイントは見当たらないのに(汗)、人には自信を持って「いいよ」と言える魅力がある。なぜだろう。映像が目に浮かぶ作品。結末は賛否両論ありそうだけど、「悪人」というタイトルがうまくまとめてくれている、かな。