★ONSEN★の徒然!!サブカルチャー中毒!ブログ★ -31ページ目

都立駄菓子菓子高校1年Z組 日誌より抜粋

エピローグ2



「あの破壊力…あれが花依団子…」
団子達が理事長室に呼び出された後、爆発による混乱と怒号と喧騒にまぎれながら

1人Z組のクラス席の後方に植わっている銀杏の木からバサッと顔を出した女子生徒がいた。

どうやらとっさに木の上に非難したらしい。
「あの脚力…生身が?いや、例えそうでなくても…価値がある。彼女の値段は5000万だな。」

そうつぶやくと何やらハーフパンツのポケットから女子高生が持つにあまり似つかわしくない、

黒革の手帳を取り出し、なにやらごそごそと書き込んだ。


「あれ、黒斬サンそんなトコにイタんデスカ」
黒斬と呼ばれた、黒革の手帳の女子生徒が顔を上げると、5メートルほど離れた向かいの銀杏の木の天辺に、

ニコニコしながら話しかける、同じくZ組在籍の中国系ハーフの留学生、イイ・チコがいた。

「…何度も言ったはずだ。お前の笑顔は気持ち悪いとな。虫酸がはしるんだよ」


黒斬はチコに向かって辛辣な言葉を吐いた。しかしチコは全く意に介さない様子でこう返答した。
「命に値段、ツケるアナタもナカナカ気持ち悪いデスヨ。黒斬家の若き御頭首サマ」
ニコニコした表情は変わらないが、それが余計にこの中国系ハーフの不気味さと禍々しさを増大させていた。

ピンっと風が凪いだ。チコの顔の横に、真っ黒いシャーペンが刺さっている。

空気を裂き、黒斬が投げつけたそれは緻密で正確なコントロールで、チコの顔の横5mmといった所に刺さっていた。しかしなんの罪も無い銀杏の表皮傷をつけるとは、なんとも可哀想な事をしてくれる。

「…何度もいった筈だ。黒斬家はお前らとは手は組まん。」


そう言い放つと、トンっと枝を蹴り、ひび割れた大地に着地すると、彼女はクラス席に戻っていった。
「あれ、しまちゃんどこ行ってたの~?心配したよ!また家からの呼び出し?」
「いや、今日はちょっと決闘に…」
「あ、そうなんだ~しまちゃん流石!!ひゃひゃひゃ!」
何事も無かったかのように、無愛想にクラスメイトと言葉を交わす。

・・・イイ・チコ。なんど話してもムカツク野朗だわ。




★解説★


黒斬しま登場!!!

シャーペンもったいない!!

都立駄菓子菓子高校1年Z組日誌より抜粋

エピローグ

「これはどういう事だね?」

理事長室の窓際で、クレーターと化した校庭を食い入るように見つめながら、

理事長は先ほど校内放送で呼び出した生徒2人に問いかけた。
言わずもがな、その生徒とは、花依団子と時雨金時である。

「あれは、私が地面を蹴ったら勝手に大穴が空いただけです」

団子は真顔でそう答えた。キンキンキンニクンの話は一切しないつもりのようだ。

「君ね、そんな言い訳が通じるとでも思うのかね。

いくら私が生徒達にハゲ理事長呼ばわりされているからってウソついちゃだめだからね」

理事長は実際物凄く傷ついている自分のあだ名を持ち出してそう言った。

うん、これなら理事長がとんでもなく哀れに感じてつい本当の事を喋ってしまいそうだ。

常人なら。

「いえ、言い訳ではありません。これは紛れもない事実であり、

もし唯一私に非があるとすれば、たまたまあの場所を蹴ってしまった事です」

「ふーん、君はいつも自分の非を認めようとしないよねぇ」

団子に視線をうつし、理事長は言った。

「で、団子君のナイトの金時君。君から説明してよ」


理事長に促され、金時は口を開く。


「恐れながら申し上げます。このあたりの地層は古来より地殻変動を繰り返し、

幾つもの断層のズレが生じており、大変脆い状態にありました。

そして昨年、この学校を建設するにあたり、校庭のとある地点から埋め立てを進め、

今現在の校庭が完成しました。元からあった地層と全く新しい地層がこの校庭には存在し、

その境目ー切れ目と言ってもいいでしょう。その切れ目は古来からの地層の性質とは全く異なり

非常に危うい地点となってしまったのです。
地層がぶつかりあう切れ目は大変脆く、大きな振動が長時間続けば

いつその切れ目が崩壊してもおかしくありません。


体育祭による徒競走、騎馬線、綱引き、リレー、借り物競争、クラス対抗長縄飛び、

クラス対抗御神輿合戦など、我が校の生徒が1日にこれだけの競技を行い

校庭を踏みしめ蹴り飛ばし、負荷をかけたのです。

特に長縄の時なんて、きっと地面は限界寸前我慢の限界で泣きさけんでいた事でしょう」


金時は身振り手振りを交え、時には憤りの表情、時には悲しみの表情を浮かべ、

淀みなく滑らかに、まるで弁士のように巧みな強弱、緩急をつけてそう言った。

ふう、と一息ついて、理事長の反応を見る。

理事長は
「うむ…しかし…ねぇ」
金時はその反応を見ながら続ける。

「そして、もう崩壊が時間の問題だったときに、偶々にも彼女が

断層の切れ目に立ち、ド派手な蹴りをお見舞いしてしまったのです。

そして、ご覧の通り切れ目は崩壊、爆発が起こるに至ってしまいました。

これは元からあった地層の問題、そして体育祭による地面への過度な衝撃、

そして彼女の蹴りのタイミングとその位置が偶然重なってしまっただけの

、とても痛ましい悲しい偶然が引き起こした爆発だったのです」


ここまできて、金時ははっとした顔を理事長に向け、

そしていきなり、コンマ7くらいのスピードで100点満点の土下座をした。


土下座に素晴らしいなんて言葉は似つかわしくないが

それはもう指のつき方、頭の下げ方の角度、背筋の張り方

から何から完璧に決まっていて、

どこぞの美術館に「土下座の男」というタイトルで

作品として陳列されていてもおかしくないほどだった。
そして、その土下座の男はこう続けた。


「申し訳ありません、理事長ほど博識な方であれば勿論御存知であったとは思います。

出過ぎた事を申しました。しかし地盤調査の甘さが指摘されれば追及されるのは理事長含め学校関者の方々、私たちをこちらに呼び出してくださったのはその調査の手から逃れるために責任を私たちに押し付けるためだったのでしょう。

しかし僕はこう考えております。全ては私たちがこの事態をどう切り抜けるかの知能テストを

するためだったと。ここは日本一の知能を誇る駄菓子菓子高校。この程度の試練を潜り抜けられねばこの学校に在籍する事は許されない。全ては生徒である僕達を思うゆえ。理事長の愛の鞭、しかと僕達は受け取りました。」


そういって、土下座の男ー金時は面をあげ、にっこりと微笑んだ。


「うーん、そうだねえ、ばれちゃったかぁ。

そうなんだよね、確かに地盤調査は甘かったんだよ。

まぁ君がそこまで言ってくれるなら、今回の件は不問にしちゃう。

愛の鞭も届いたようだし。

あ、もう土下座はいいよぉ。今まで何回見たか分かんないし、

君に土下座されちゃうと何でも許してあげたくなっちゃうんだよねー。」


理事長はそういっておもむろに椅子に座り、手鏡を見ながら自分の寂しい頭髪を

手入れし始めた。もうこの件に関して興味を失ってしまったらしい。


この理事長、とんだ狸だな。金時はそう思った。


「では、これで失礼いたします。」

すっくと金時は立ち上がり、理事長室を後にしようとした。


「理事長」

団子が、はげ頭をなでなでしている理事長に向かって、言った。


「この度の件、偶然とはいえ大変申し訳ないことを致しました。

私にも一応、責任はあります。その責任をとるべく、一つ理事長にお知恵を授けましょう。

よろしいですか、頭部への過度の刺激は毛根の死滅を早めます。

あまりお手入れをなさり過ぎぬよう、一言ご進言申し上げます。それでは、失礼いたします。」


そういって一礼し、

「金時、何突っ立っているのよ、はやく行くわよ。」

猛ダッシュで理事長室を後にした。



そして場面は屋上。

「あー金時、今回も良くやってくれたわ!!

地盤の緩みなんてとても考え付かなかったわ、あんたやっぱり最高よ!!

それに終盤の理事長への脅し文句もなかなか決まっていたわ。

何より、あの土下座!!型取して石膏で像を作りたいくらいよ!!」


満面の笑みでけらけら笑いながら、金時への賞賛の言葉を送る。


「まぁ、土下座はおれの特技だし。でもおまえね、最後の理事長への進言はまずかったぞ。

あれじゃああんたの頭はもう終わりですーって言っているようなもんだぜ。」


「いいのいいの、あれくらい言ってやんないと!・・・・金時、あんたも

分かっていると思うけど、この学校、怪しすぎでしょ?地盤の問題も

、多分本当よ。だからすんなり折れたのよ、あの狸め。」


まぁ、団子がキンキンキンニクンで蹴りを入れなければ校庭にクレーターが

出来るなんて事は無かったが、遅かれ早かれ、校庭で陥没なり何なりが起こっていたことには

間違いないだろう。

あれだけの釈明で無罪放免になることなんて、普通なら考えられない。

ありえない。


「とにかく、今回もあんたに助けられたわ。報酬はいつもの講座に振り込んでおくから。

お金が絡むとほんと別人よね、あんた。」


「うるさい。それより、新しいメカを開発したら必ず報告しろよ。

こっちの体がもたねぇよ。」


「大丈夫よ。あんただけは、絶対に守ってあげるから」



「・・・・・そういうのは男の台詞だろ、マンガで読んだ。」


そういって、二人は屋上に寝転んで、

果てしなく蒼い蒼い空を見上げながら

笑い出した。


「あーー、久々の三次元も悪くなかった!!」


最後に団子はそう締めくくった。





★解説★

色々と突っ込みたいところはスルーしてください。

あくまでファンタジーですから。

この世界ではこの理論が正しいのです!!!



ニートの恋

ニートの恋~4~

風邪は治った。

私は、あの川から抜け出した。

ゆったりとたゆたう、気を抜いたら引き込まれそうな幻の優しさから。

さて、幻ではなく現を生きる私がするべき事。

それは、何かを動かすこと。

とりあえず私は

自分の時間を動かす事に

決めたのだ。

「…頑張らなきゃ」
そう、呟いた。
そして、その自分自身に、はっとした。
ニートになって半年が過ぎた。

私は初めて、自分の為に、声を出したのだ。

解説

ニートになってから全てを否定しきってきた彼女にとって、自分自身にエールを送るなんて事はありえない行為だったんですよ~。
この調子で恋も頑張れ!