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■本当の強い女には、「大義」がある

久々に、「うわぁ~!」と
感心するような映画を観ました。
 
「女神の見えざる手」です。
日本アカデミー賞(2018年)の
最優秀外国作品賞にノミネートされた作品
です。
 
<主人公のエリザベスは、
所属する大手ロビー会社が
銃擁護派団体と組むことに反発し、
部下4人を引き連れて小さなロビー会社に移籍し、
銃規制法案を可決させるべく奔走する>
 
ロビー活動というのは
私も馴染みがなくて、
調べないと分からなかったのですが、
特定の主張を有する個人
または団体が
政府の政策に影響を及ぼすことを
目的として行う私的な政治活動
のことです。
 
多くの企業および企業団体、
利益団体あるいは
国家や政府は、
自身の利益に沿った主張を
広めるために
ロビイストを雇っているとのこと。
 
民間企業においては、
メルカリが
ロビイストとして雇用しており、
政府に対して
自社、そして社会にとって
有益な政策の提言を行っているそうです。
(ご参考まで
 
ITが進歩するにつれて、
法律が追い付かないことって
あると思うのですが、
誰かが「この法律はこう変えるべきだ」
ということを働きかけないと
法律がなかなか変わらないため
社会にとってもいいことのようです。
 
この作品では、
アメリカで、
銃所有による事件が多いものですが、
大手のロビー会社に勤める
敏腕のエリザベスは、
自分の信念を持って、
銃規制法案に進むように
わざわざ会社を辞め、
小さなロビー会社に
移って、活動していくんです。
 
でも、彼女自身
敏腕だけど、やり方が強引。
敵も作りやすいタイプだったりするのです。
 
(ここからは若干、ネタバレになります)
 
観ているうちに、
観客は彼女のその
勝つためには手段を選ばない
欲深いキャラクターに
ちょっと嫌悪感も抱くと思うんです。
 
でも、それが、まず
この映画が観客をダマすことの
1つだと言ってもいいでしょう。
 
「信念のために、
アメリカに仕掛けた罠」

というキャッチコピーが
的確なストーリーで
最後はうなりました。
 
軽い気持ちで観ていたので、
緻密なストーリーの計算があることにも
気付かなかったくらいです。
 
この映画を観ると、
日本に限らず、他の国でも
腐敗している世の中に疑問を抱き、
それに対して戦っている人がいるのだ

感じました。

大きな力と戦うためには
自分の犠牲までも覚悟する彼女の姿

心を奪われずにはいられません!

(ここからは、さらに
ネタバレになります)
 
エリザベスは、それはただ単に、
銃規制法案に進ませるためだけが
目的ではないんですよね…。
 
エリザベスはラストに
こんなことを言います。
 
「議員の人たちには、
祖国のことを思って、
(銃規制法案について)
投票してほしい。

でもそれはかなわない。
そんなことは起こりません。
この国の制度は腐敗しています。
良心に沿って投票する政治家は
報われません。


得をするのは、
ネズミです。
上手い汁を吸うために
祖国を売るネズミです。

このネズミたちが
アメリカの民主主義を蝕むのだと
 
そう言って、彼女の
大逆転が始まります。
身を削った最強の攻撃が。

そんな大志を持って
活動していることを
観客は、最後の最後で知るのです。
 
自分自身を武器にして
全てを仕組んだのだと。
 
彼女自身は、
祖国、そして国民を誰よりも
深く愛している人だといっても
過言ではありません。
 
単にキャリアや出世といった
我欲に溺れ、
手段を択ばない女性では
なかったんですよね。
これだけの大きな愛が
あるからこそ、
強くなれるんですよね。
 
つまり本当に強い人というのは、
男女限らずですが、
それだけ大きな愛を
抱いている人だとも言えます。
 
彼女の場合は、
自己犠牲の精神がありますが、
もしかしたら、
それを犠牲だと思わないくらいの
大きな愛があるのかもしれません。
 
こんな救世主が現れたら、
惚れ惚れしちゃうでしょうね。
 
でも、「敵にも、味方にもしたくない相手」
というキャッチコピーも当てはまるくらい
怖い女性なんですけどね(苦笑)。
 
この作品は、
途中で飽きてくることも
あるかもしれませんが、
最後まで観たときに
その展開に意味があったのだと
感じさせる作品になっています。
 
興味のある方は、
ぜひ、観てみては?
 
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