前回に書いたような理由で
手元のCDの山を漁り
ドロテー・ミルズの
Love's Madness を
引っ張り出したんですけど
お目当ての曲が
収録されていなかったからなのか
聴く気をなくしてしまい( ̄▽ ̄)
代わりに聴いたのがこちら。
(仏 Aparté: AP 027、2012.4.3)
今年の1月後半に
新宿のディスクユニオンで
ショパンの歌曲集を見つけたとき
いっしょに買ってきたものです。
ドロテー・ミールズの
Love's Madness は
同じ年の3月28日に
リリースされたもので
割と近接してたんだなあ
と、今ごろ気づきました。
演奏は
イギリスのソプラノ
ローズマリー・ジョシュア。
クリストフ・ルセ指揮
レ・タラン・リリクが
器楽伴奏を務め
ルセはクラヴサン(チェンバロ)と
オルガンを担当しており
ハープシコード(チェンバロ)の
ソロ曲も演奏しています。
他に
ヴィオール・コンソート
ファンタズムから
ローレンス・ドレフュスが
ヴィオラ・ダ・ガンバで参加。
リュート奏者として知られる
エリザベス・ケニーも
参加しています。
録音は
2010年11月28日から
12月1日にかけて
フランス国立銀行
Banque de France 本店内の
かつての所有者である
貴族によって飾り付けられた
黄金の間 Galerie dorée で
行なわれた、とのことです。
書籍販売業者にして
楽譜出版業者の
ヘンリー・プレイフォードが
1688年と1693年に出版した
『ハルモニア・サクラ(聖なる調べ)』
全2巻に収められている
パーセルの宗教的声楽曲を
セレクトして収めています。
声楽曲を何曲か歌った後に
ハープシコード独奏曲が
挿入されるという構成。
収録曲については
タワーレコード・オンラインの
商品紹介ページを見れば
簡単に分かると思ってたんですが
分かることは分かるんですけど
パーセルの作品を整理した
ツィンマーマン番号が
まったく記されていない。
原盤にも記されてません。
ツィンマーマン番号が
未記載であるため
特にハープシコード曲は
どういう曲なのかが曖昧で
これは調べざるを得ない
と思って調べ出したら
思いがけず手間がかかりました。
ハープシコード曲については
タワーレコード・オンラインよりも
ナクソス・ミュージック・ライブラリーの
本盤の紹介ページが参考になります。
そちらを見ると
メアリー女王やジェイムズ2世の
誕生日のためのオードから
器楽合奏曲を抜き出し
ルセが編曲していることが
分かりました。
ただ
ナクソスのページを見ても
ツィンマーマン番号が
記されていない歌曲が2曲あり
これには困惑させらてました。
さらに各曲が
2巻ある『ハルモニア・サクラ』の
どちらに収録されているのか
ということが気になり始め
そちらについても調べ始めてしまい
予想外に時間がかかってしまって
仕事どころではなかった
というのが昨晩のこと(苦笑)
ナクソスのページにも
ツィンマーマン番号が
記されていない2曲
〈夜が来たれり〉と
〈わが目は清められ〉は
それぞれ ZD.77 とZD.72 で
D と付いていることから分かる通り
いずれも疑作扱いになってます。
ツィンマーマン番号が
付いてなかったのは
疑作であるため
パーセルの作品リストに
載っていないため
ということかと思われます。
疑作なのに
何の注釈もなく
収録していいのか
とか思っちゃいますけど
(原文ライナー未確認w)
〈夜が来たれり〉ZD.77 の場合
ウィリアム・クリスティの盤にも
何の注釈もなく収録されています。
(ワーナーミュージック・ジャパン
WPCS-16255、2016.10.12)
研究が進んで
真作だと分かったのか
それともそこらへんは
アバウトなのか
よく分かりませんけど
つくづく困惑させられた次第。
そして調べているうちに
ソプラノと通奏低音(以下、BCと記す)
という編成の歌曲ばかりではなく
ソプラノと合唱、BC
ソプラノあるいはバスとBC
バスあるいはソプラノと
ヴァイオリン2、ヴィオラ1、BC
テノールのソロとBC
という指定の曲もあり
それらがすべて
ソプラノのソロで
歌われていることも
分かりました。
先にふれたクリスティ盤は
原譜の指示通り
だったかと思います。
本盤のジョシュアの歌唱自体は
まったく悪くないので
全曲ソプラノ・ソロ
ということ自体は構わないんですけど
タワーレコード・オンラインの
商品説明欄に載っている
発売・販売元
キング・インターナショナル提供資料に
このCDには、「ハルモニア・サクラ」から、パーセルが高声独唱用に作曲したものが選ばれています。
と書かれているあたり
いかがなものかと思いますね。
そんな細かいこと
誰も気にしないよ
曲を純粋に聴けばいいんだ
という意見もあろうとは
と思いますけど
自分に関していえば
そういう情報がないとダメ
という因果なタイプなんです。
『ハルモニア・サクラ』収録の
パーセルの曲を集めたCDは
これまでにも何枚か出ています。
上でふれた
クリスティ盤もそうですし
手元には他に
ポール・マクリーシュ盤が
あったりします。
(ポリドール POCA-1096、1995.7.26)
マクリーシュ指揮盤には
〈わが目は清められ〉ZD.72 が
原譜の指示通り
テノール独唱で歌われています。
ライナー小冊子の解説で佐藤章が
〈わが目は清められ〉について
作曲者が誰であるかは明らかではない。しかしこの作曲者は細部の想像力豊かな書法において、パーセルにも比肩しうるすぐれた腕前を持っている。
と書いているだけ
誠実ですけど
作曲者不明なのに
なぜ収録しているのか
という点について
書かれていないのは
ちょっと物足りないところ。
他にも
キングズ・コンソートによる
宗教曲全集というのが出てて
もちろん、そちらであれば
全曲入っています。
ジョシュア=ルセ盤は
ソプラノ・ソロで
統一したことも相まって
上記の盤と比べても遜色のない
むしろ従来の盤に比べ
最初に聴く入門盤としては
ちょうどいいかも
とか思ったことでした。
ジョシュアがパーセルを歌う盤は
もう1枚出ているようで
タワーレコード・オンラインだと
在庫なしとなっているため
Amazon で中古を注文しました。
海外の業者なので
今ひとつ不安なのですが
届くのが楽しみです。






