昨日通りかかったお宅の

梔子[クチナシ]の花の下

石垣のそばに

咲いていたのが、こちら。

 

黄輪草(その1)

(2025年6月7日撮影。以下同じ)

 

帰宅後

おさんぽ花ずかん」で

今月咲いている黄色い花を見て

あたりをつけました。

 

 

「おさんぽ花ずかん」での漢字表記は

「麒麟草」でしたし

Wikipedia でも「麒麟草」ですけど

金田洋一郎『山野草図鑑』

(朝日新聞出版、2020)を繙くと

「黄輪草」という表記でした。

 

『山野草図鑑』では

「茎の先に黄色い花が

輪のように重なり合って咲く」

というのが名前の由来だと

書かれています。

 

それは今回見かけた

個体の特徴にピッタリ。

 

 

Wikipedia には

「麒麟草」の由来について

「中国の古書に登場する伝説上の動物

麒麟に由来するという説もある」と

あやふやな書き方をしており

だったら「黄輪草」でいいじゃん

とか思われたことでした。

 

おまけに

参照元を示した註の記事は

リンク切れになってるし。( ̄▽ ̄)

 

 

和名の別名は

キジンソウ、キジグサで

「傷薬の草」が転訛したものだと

Wikipedia には説明されてます。

 

だとしたら

別名の漢字表記は

いずれも「傷草」でしょうか。

 

黄輪草(その2)

 

英名は

「AIによる概要」によれば

stonecrop や

aizoon stonecrop

だそうですが

aizoon というのは学名の

種小名そのままで

「常緑の」「緑色の」

という意味だそうです。

 

stonecrop は

手元の辞書だと

「ベンケイソウ」

という訳語が載ってます。( ̄▽ ̄)

 

ちなみに crop は

手元の辞書だと

「(農)作物、収穫物」

という訳語が

トップに載ってますので

stonecrop を直訳すれば

「石の収穫物」ですね。

 

金田洋一郎の『山野草図鑑』には

「山地や海岸の岩場など

乾燥したところに生える」とあり

そういう特徴から

名づけられたものと思われます。

 

 

学名は

Phedimus aizoon ver. floribundus

属名 Phedimus はGKZ 植物事典

ギリシャ語で「光沢のある」

という意味の言葉

phaidimos に由来する

と書かれてありました。

 

種小名 aizoon の意味は

上記の通り。

 

floribundus は

Wikipedia では説明されてませんが

「AIによる概要」によれば

「花が大量に咲いている」

という意味のラテン語だそうです。

 

var. というのは

変種を意味しますが

ということは黄輪草って

何かの変種なの?

とか思っちゃいますけど

詳細は不詳です。

 

黄輪草(花アップ)

 

黄色い花の形は

子持ち万年草に似てますし

茎の上部に輪状に花をつける

という特徴とも合ってますが

葉っぱが肉厚という感じがせず

今回見かけた種の場合

葉っぱの先も尖り気味なので

黄輪草でいいのかどうか

ちょっと悩ましいところ。

 

でも花のつき方は

まごうかたなく

黄輪草そのもの

という感じです。

 

アスファルトの隙間から

生えてるあたり

岩場に生えるという特質と

重なる気もしますし

やっぱり黄輪草でいいのかしらん。

 

悩ましいなあ。