4日前の誕生日の記事

買っておいたモーゼルワインを

開けたという話をしました。

 

結局その日のうちに

1本空けちゃたんですけどw

とれはともかく。

 

モーゼルワインというと

皆川達夫が

『ルネサンス・バロック名曲名盤100』

(音楽之友社、1992)の

ゲオルク・フィリップ・テレマン

《ハンブルクの潮の満干(水上の音楽)》を

紹介するページで

モーゼルの白葡萄酒の栓でもあけて「この世は天国」といった調子でこの曲を楽しみたい

と書いていたことが

思い出されます。

 

けれども

テレマンの同曲は

すでに取り上げていますし

 

 

2020年の誕生日の時に

テレマンを聴くという縛りを

すでに破っていることでもあり

 

 

まあいいか、というわけで

今回、呑みつつ聴いたのはこちら。

 

'Round M

 Monteverdi Meets Jazz

'Round M ジャケ表

(西 Glossa: GCD P30917、2010.8.19)

 

演奏は

ソプラノのロベルタ・マメリと

クラウディオ・カヴィーナ指揮

ラ・ヴェネクシアーナで

録音は2009年10月です。

 

バロックの劈頭を飾る作曲家

クラウディオ・モンテヴェルディの

代表的オペラを録音したり

マドリガーレ全集を完結させたりした

ラ・ヴェネクシアーナが

オリジナル・スコアを変えずに

ジャズ風にアレンジを加え

モンテヴェルディと

同時代の作曲家の作品を

演奏しています。

 

原盤タイトル 'Round M

R の前のアポストロフィーは

Around の A の省略を意味し

Mはモンテヴェルディの頭文字

ということらしい。

 

タイトルを直訳すれば

《Mの周辺

 モンテヴィエルディ、ジャズと出会う》

ということになりましょうか。

 

 

モンテヴェルディの歌曲集

《音楽の諧謔》について

検索しているうちに辿り着いた

こちらのブログの紹介にそそられ

 

 

Amazon で割引されていたので

買ってみた1枚です。

 

 

上に貼った記事で

紹介されているように、

また、原盤タイトルからも

想像される通り

モンテヴェルディの曲だけが

収録されているわけでは

ありません。

 

G・F・サンチェスとか

T・メールラ

N・フォンテイ

A・E・ネグリといった

ほとんど日本で知られていない

(と思われる)作曲家の名前が

モンテヴェルディと一緒に

並んでいます。

 

全8曲中

モンテヴェルディが4曲で

他の作曲家は各1曲ずつ。

 

自分は場合

メールラの名前はかろうじて

耳にしたことがありましたが

サンチェスやフォンテイなどは

初めて聞き/聴きました。

 

 

ちなみに

アントニオ・エロス・ネグリは

1964年生まれの現代の作曲家なので

知っているはずもなく。

(「はずもなく」というのも

 変ですけどw)

 

スペイン語での紹介になりますが

プロフィールはこちら。

 

 

現代の作曲家を

しれっと混ぜるあたり

シャレが効いているというか

むしろ違和感なく収っているので

ネグリすごい、何者?

とか思っちゃいますね。( ̄▽ ̄)

 

 

ヴァイオリン2、ヴィオラ1

チェロ1、テオルボ2、ハープ1

チェンバロ1で構成される

ラ・ヴェネクシアーナの他に

ソプラノ&テナー・サックス1

(サックス奏者1人が

 曲によって持ち替えてます)

アコーディオン1

ダブル・ベース1、ドラム1

という楽器が加わっていて

それがジャズっぽい雰囲気を

醸し出しているわけで。

 

が、バロック時代の音楽、例えば

バッハやヴィヴァルディなどが

ジャズ風にアレンジされることは

これまでにもありましたから

バロック音楽とジャズと

さほど相性が悪いわけでもなく。

 

誕生日に

モーゼルワインを

呑みながら聴く分には

なんら問題ないのでした。( ̄▽ ̄)


 

デジパックの表紙を開くと

水色仕様のCDと

ライナー小冊子が入っていて

 

'Round M ジャケ内側(その1)

 

ライナー小冊子を抜き出すと

その表紙がなかなか

カッコいいだけでなく

トレー裏には

はっちゃけた? 写真。

 

'Round M ジャケ内側(その2)

 

写真はすべて

ソプラノのマメリでしょう。

 

トレー裏の写真は

とても同一人物に見えませんけど

同一人物なんだろうなあ。

 

ライナー小冊子の最終ページ

(いわゆる表3)に

モノクロ写真が載ってますが

この写真がいちばん好きかも。

(写真は省略w)

 

 

いや、これは音楽性とは

別の話でした。(^^ゞ

 

全体的な印象として

ラメント調の曲が多い感じで

グラウンド・バスが耳に残り

ちょっとパーセルを連想させるのも

興味深いところ。

 

まあ、パーセルの方が

イタリアの音楽の影響を

受けているわけでしょうけど。

 

 

トラック01の

Lamento della ninfa

本来なら男声のテノールとバスが

加わるはずなんですけど

本盤ではソプラノ・ソロで

歌われています。

 

サックスとかが

男声パートをフォローしている

ということかもしれませんが

ジャズ・ボーカル・アルバム好きなら

これで充分かもしれませんし

古楽オリジナル演奏好きは

違いを楽しめるわけです。

 

 

ちなみに

ラ・ヴェネクシアーナを創設した

指揮者のカヴィーナは

2016年に脳卒中で倒れて

そのまま現場復帰することなく

2020年に歿したとのことです。

 

 

上に貼った記事では

何年に亡くなったのか

記事中に書かれておらず

タイムスタンプが2つあるため

よく分かりませんけど

検索して2020年だと確認しました。

 

生まれた年は

自分の1年前と知り

ちょっとショック。

 

ご冥福を祈ります。