『ルネサンス・バロック名曲名盤100』

(音楽之友社 ON BOOKS、1992)で

ゲオルク・フィリップ・テレマンの

〈水上の音楽《ハンブルクの潮の満干》〉は

ムジカ・アンティクァ・ケルン盤が

推薦盤になっていると

前回の記事に書きました。

 

同書の初版(2月10日発行)だと

ムジカ・アンティクァ・ケルン盤は

「廃盤」と表示されてたんですが

同書刊行の直後

といっていいくらいの時期に

再リリースされており

当時、店頭で見つけて購入しました。

 

それがこちら↓

 

MAK『テレマン:水上の音楽』

(ポリドール POCA-2120、1992.4.22)

 

アルヒーフ BEST セレクションの

第20巻としてリリースされたものです。

 

この盤の(この時期の?)表記は

「アンティクァ」ではなく

「アンティクヮ」となっており

頭文字を採って

「MAK」とも表記されてました。

(今でもそうでしょうけど)

 

 

先の記事でも引いた通り

皆川達夫はMAKの演奏を

「まるでゾリンゲンの刃物のように

切りこまれてくる」ようなもの

と紹介しているわけですけど

ヴェンツィンガー指揮の演奏に比べれば

というくらいに捉えておいた方が

いいかと思います。

 

個人的には

どちらかといえば

MAKの演奏の方が

好みだったりしますし。(^^ゞ

 

 

ちなみに本盤では

テレマンの曲の原題が

Ouverture C-dur

Wassermusik ≫Hamburger Ebb' und Flut≪

となってるんですけど

Ouverture(序曲)という表記から

バロック音楽ファンならすぐに

バッハの管弦楽組曲を

連想するのではないでしょうか。

 

テレマンの本楽曲も

バッハの楽曲と同じ

組曲の様式になります。

 

さらにテレマンの曲は

序曲に続く各曲に

基になった舞曲名だけなく

標題が付いており

以前、ご案内の

ビーバーやムッファトの組曲

同じ系統のものとして

位置づけられます。

 

序曲に続く

舞曲に基づく各曲は

ギリシャ神話に登場する

神々の身振りや心理などが

描写されている

というふうに解釈されるわけです。

 

 

特に有名なのは

これは神話と直接的に関係ありませんが

第9番のジグ〈潮の満干〉で

楽曲の前半が潮が満ちていく様子

後半が干いていく様子を

描写しているのだとか。

 

なるほどいわれてみれば

そう聴こえますが

最初、買った時は

特に意識してませんでした。(^^;ゞ

 

 

買った当時

意識していなかったといえば

楽器編成についてもそうでして

今回ライナーを眺めていたら

気づいたんですけど

チェンバロが2台

使われているようです。

 

同時収録の協奏曲も

室内楽編成の2曲を除いては

すべて Cembalo I/II となっていて

これにはびっくりでした。

 

耳では聴き分けられませんしね。

 

チェンバロ奏者が示されていれば

すぐ分かったんでしょうけど

日本語版のライナーには

メンバー編成の細目が

いっさい書かれていないのです。

 

日本語版ライナーあるある、な感じ。

 

 

テレマンの本曲については

手許にはヴェンツィンガー盤

MAK盤しかなく

現在の定盤的ディスクが何なのか

あいにくと把握してません。

 

テレマンの楽曲は

あまり聴かない方なので

当面はこれで充分

という感じですけどね。

 

 

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