前回ご紹介の

ネモフィラが植えられている

自転車置場脇の花壇では

いろいろと新しい花に目がとまった

と書きましたけど

その「いろいろ」のひとつが

こちらの白い紫蘭です。

 

口紅紫蘭

 

白い紫蘭については

以前、取り上げたことがありますが

 

 

この時の個体はまさに

「白花」の名にふさわしい

真っ白な花でした。

 

今回見かけたものは

白に紫が混ざっており

ハナノナで調べたら

「シロバナシラン」と出て

びっくりさせられた次第です。

 

口紅紫蘭(ハナノナ)

 

それでも、まあ

葉っぱや花の形状から

白花紫蘭に間違いないか

と思っていたんですが……。

 

 

紫蘭の学名は

Bletilla striata

季節の花300」によれば

属名はスペインの薬剤師 Blet にちなみ

種小名は「縞模様がある」

という意味だとか。

 

唇弁の内側に

ギャザーのような

ひだがあるのを

「縞模様」と見たのか

と思っていたら

(そう書いている記事も多いですね)

こちらの記事には

 

 

「葉の姿に由来する」

と書かれていました。

 

どちらが正しいんでしょう。( ̄▽ ̄)

 

 

どうして薬剤師に因んで

つけられたのかといえば

こちらの眼医者さんの記事には

 

 

球茎に薬効があるからだ

と書かれていましたが

今ひとつ腑に落ちず。

 

先に貼り付けた

Kazuya Koga 氏の記事や

かぎけん花図鑑」には

ドン・ルイス・ブレット

Don Luis Blet が

薬学者でもあると同時に

植物学者でもあったと書かれていて

ようやく腑に落ちました。

 

フリージアもそうでしたけど

だいたい人名が学名に使われる場合

植物学者の仲間内の人であることが

多いという印象を受けます。

 

 

白花紫蘭の学名は

以下の記事によりますと

 

 

Bletilla striaia f. gebina Ohwi で

(forma は f. と縮めました)

gebina は「海老根[エビネ]」という

他の植物名に由来するのだとか。

 

Ohwi は命名者である

植物学者・大井次三郎ですが

その大井が海老根と混同して

gebine とついてしまった

と説明されています。

 

ebine が

なぜ gebine に

転訛したのかも謎ですが

そういうのは

命名し直さなくて

いいんでしょうかね。

 

口紅紫蘭(アップその1)

 

紫蘭の英名は

属名そのままに

ブレティアなので

白花紫蘭だと

ホワイト・ブレティア

となります。

 

その他に

White hyacinth orchid

(白いヒヤシンス蘭)

White Chinese ground orchid

というのもあります。

 

どれも white を取れば

そのまま紫蘭の英名の別名

ということになりますね。

 

 

……と

ここまで書いてきて

「三河の植物観察」というサイトの

白花紫蘭の記事を見ていたら

「クチベニシランは花が白く、

唇弁の先だけ紅紫色になる

園芸品種」という記述が目にとまり

びっくりさせられた次第。

 

さっそく

リンクが貼られている

口紅紫蘭の項目に飛ぶと

 

 

口紅紫蘭の学名は

Bletilla striata 'Kutibeni' とあり

明らかに日本語ですので

日本で作られた品種のようですね。

 

 

こちらの記事によれば

 

 

野生種にも

柱頭や唇弁のひだに

かすかに赤紫が入ったものが

あるようでしたから

白花紫蘭で決まりかなあ

と思ってたんですけど

今回、見かけたものは

狙ったかのように唇弁の先だけ

きれいに赤紫なので

園芸種で間違いないでしょう。

 

口紅紫蘭(アップその2)

 

しつこく検索し続けてきた甲斐が

あったというか、なんというか。

 

以前、同じ場所で見かけた

原種系チューリップのように

またまた見聞が広がりました。

 

恐るべし自転車置場脇花壇。( ̄▽ ̄)