昨日は

すでに何回か書いた通り

ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京の

コンサート・ライブに

行ってきました。

 

《Musica Poetica

[ムジカ・ポエティカ]2025

第2次・シュッツ全作品連続演奏・

第1回〈受難楽の夕べ〉》

という長いタイトルの下

シュッツの《ルカ受難曲》と

リストの《十字架の道行》を中心とする

プログラムです。

 

 

JR池袋駅で下車して

いろいろと立ち寄りながら

東京カテドラル聖マリア大聖堂まで

歩いて行ったことは

前回の記事で書いた通り。

 

東京カテドラル聖マリア大聖堂外観(2025.4.9)

 

少し早めに着いて

開場前だったので

敷地内で待つことしばし。

時間になったので行ってみると

入口に行列ができてました。

 

真正面に座るつもりは

最初からなかったので

少し落ち着くまで待ってから入場し

後方の席に座って

始まるのを待ちました。

 

 

当日、演奏された曲目を

改めて記すと、以下の通り。

 

01. シュッツ〈おお助けたまえ、キリスト、神の御子よ〉SWV295

02. シュッツ〈天地は滅びるが〉SWV300

03. シュッツ〈ニカイア信条〉SWV422

04. シュッツ《ルカ受難曲》SWV480

―休憩―

05. リスト《十字架の道行》

 

 

1曲目と2曲目は

《小教会コンチェルト集I》

(《小宗教コンチェルト》第1集 作品8)

全24曲からの第14曲と第19曲で

教会堂後方・上方のオルガン演奏台

(オルガン・バルコニー)から

オルガンの伴奏で演奏されました。

(オルガン演奏は椎名雄一郎)

 

SWV295 がテノール2名

SWV300 がバス3名による歌唱で

指揮者はいないかと思われます。

 

会席は前方の舞台を向いているため

オルガンが鳴り出した途端

後方上方に顔を向けている人が

たくさんいましたけど

これは前方に首を垂れて聴く

というのが筋かと思います。

 

まあ、自分の席からは

後方のライトが眩しくて

何も見えなかった

ということもありますけどね(笑)

 

 

3曲目は《12の宗教歌》

(《12の無伴奏宗教合唱曲集》作品13)

からの1曲です。

 

カッコ内の邦題の通り

教会堂前方で

指揮者・淡野弓子を

半円形に囲むようにして

アカペラで演奏されました。

 

 

4曲目は、いよいよ

当日のメイン・プログラムの1曲

アカペラで歌われる

《ルカ受難曲》です。

 

指揮者は

次の《十字架の道行》も含め

淡野太郎でした。

 

 

こちらはかつて1度

CDで聴いているはずなので

特に予習せずに行きましたが

さすがに甘かった。( ̄▽ ̄)

 

冒頭こそ合唱でしたけど

2曲目以降は途中まで

福音史家[エヴァンゲリスト]と

キリストのレチタティーヴォが

延々と展開していきます。

 

これは

全体の流れを知っているか

歌詞を見ながらでないと

何が歌われているのか見当もつかず。

 

来場者がいっせいに

入口で手に取ったパンフレットの

対訳に目を通し始め

曲が進むとページを繰る音が

一斉にするという状況でした。

 

自分は意地を張って

パンフの対訳は見ませんでしたけど

途中、ピラトという名前が出てくるまで

福音史家が何を語っているのか

キリストが何を言っているのか

見当もつかなかった次第です。(^^;ゞ

 

ピラトが出てきて

群衆にキリストを引き渡して以降

キリストが十字架にかけられた際

キリストを演じるバス歌手は

合唱隊後方に立って歌う

というスタイル。

 

また、キリストと共に

十字架にかけられた

二人の犯罪人を歌う

テノール歌手は

合唱隊後方のキリストの横に立ち

歌うというスタイルをとっており

これは来場して見ている人のための

ちょっとした演出ですね。

 

 

《ルカ受難曲》のあと

休憩が挟まりまして

トイレに立ったんですけど

教会内にトイレはなく

外に出ねばならず

トイレの前は行列ができてました。

 

これはイベントあるあるですけど

女性側のトイレの行列が長く

日が暮れると風が吹き始め

やや寒かったので

女性陣は大変だったのではなかったか

と思われたことでした。

 

 

休憩が終わって

いよいよオルガン伴奏による

リストの《十字架の道行》の演奏が

始まりました。

 

上にも書いた通り

合唱隊は前方の壇上に立ち

オルガンの演奏台

(オルガン・バルコニー)は

後方・上方にあるので

指揮者も身体を捻って

オルガン奏者に

演奏の指示を出してました。

 

すごく距離があると思いますけど

オルガン奏者は目がいいのか

また、身体の側面を

前方に向ける形になっているから

確認しやすいのか分かりませんが

全体として乱れることなく

整然と演奏されていきました。

 

全体が14の留に分かれており

14の留が淡々と演奏されていきます。

 

以前にも

予習した際の記事で書いた通り

 

 

オルガン独奏の留もあるんですけど

パンフなどを参照することなく

なんとなく聴いていると

留と留の区切りが

よく分からなくなってきます。

 

自分の場合、特に

例によって意地を張って

パンフを見ずに聴いていたので

よけい区切りがよく分からず。( ̄▽ ̄)

 

それでも

残響の美しさが

楽しめましたけど。

 

 

東京カテドラル聖マリア大聖堂の

パイプ・オルガンは

以下の記事内にある通り

 

 

ロレンツォ・ギエルミが

設計コンサルタントと工事監督を務め

イタリアの工房

エウジョニ&エンリコ・マショーニ社

Eugenio & Enrico Mascioni が

制作したものです。

 

上掲の記事内でふれられているDVDは

以前、当ブログでも

取り上げたことがあります。

 

 

また、こちらでのオルガン演奏は

以前にも聴いたことがありますが

 

 

もう7年近く前のことなので

その時、どんな印象を持ったのか

もはや記憶の彼方です。(^^ゞ

 

 

今回、久しぶりに聴いてみて

高い音は電子音に近いかなあ

という印象を受けましたが

(パイプ・オルガンの音は基本

 電子音に近い感じですけどw)

先にも書いたように

残響が素晴らしく効いており

敬虔な気持ちを誘い出される感じでした。

 

オルガンはCDで聴くよりも

生で聴いた方が断然いい

というのが

素直な感想ですかね。

 

 

リストの曲でも

キリストが十字架にかけられてからは

バス奏者が合唱隊の後方に移動する

という演出がなされてました。

 

後半の合唱のどれか(第何留か)で

合唱隊が一斉に立つのではなく

オルガンの一節に合わせて

何人かずつ立ち上がる

という演出も施されており

小癪なことをするなあ

とか思ったのは

ここだけの話です。

 

 

帰りは

いつもは地下鉄の江戸川橋駅まで

歩くんですけど

今回は目白駅前に出る

都バスに乗って移動し

目白駅から新宿駅に向かいました。

 

バス停に行こうとすると

糖度バスが出たところで

スマートフォンで検索してみたところ

すぐ次のバスが来るかのようでしたから

待とうと思ったんですけど

なかなか来ずに待たされて

満員バスに乗ることになったという。( ̄▽ ̄)

 

 

下に掲げたのが

当日のチケット半券と

パンフレットです。

 

〈受難楽の夕べ〉パンフレット(2025.4.9)

 

《ルカ受難曲》は

対訳付きのCDを持ってますけど

(淡野弓子指揮

 ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京

 2012年リリース盤)

《十字架の道行》は対訳付きのがなく

14の場面(留=station)の図版と

解説付きの対訳が載っているのが

たいへんありがたい。

 

図版は

1758年に製作された

スペインの版画のようです。

 

 

今年から

シュッツ全作品連続演奏が

改めて始まることになり

今回がその第1回でした。

 

今回の経験に懲りて

第2回以降の演奏会に

行く機会に恵まれれば

シュッツの予習もしてから

行くことにしたいと思います。(^^ゞ