来週、

東京カテドラル聖マリア大聖堂で

ハインリッヒ・シュッツ合唱団の

《受難楽の夕べ》公演があり

シュッツの《ルカ受難曲》と

フランツ・リストの《十字架の道行》が

演奏されるという案内が届きました。

 

 

そしたら

先週の水曜日

春期講習の採点後に立ち寄った

新宿のディスクユニオンで

NAXOS から出ている

リストの同曲のCDを

たまたま見つけまして。

 

《リスト:宗教的合唱曲集》

Liszt: Sacred Choral Music

《リスト:宗教的合唱曲集》NAXOS盤

(香 8.553786、1997.8)

 

本盤での邦題は《十字架への道》で

録音は1993年6月に

スイスはロカルノの

サン・フランチェスコ教会にて

行なわれたものです。

 

 

帰宅後

演奏者をよくよく見てみると

当ブログではヴィヴァルディやバッハ、

ペルゴレージの指揮でお馴染みの

ディエゴ・ファソリスが指揮者で

ピアノも弾いていますから

弾き振りということになりますね。

 

合唱はキャップ(タスキないしオビ)には

「ルガノ・スヴィッツェラ放送合唱団」

と表記されてますけど、これは直訳

というか直訳すぎ。( ̄▽ ̄)

 

原語表記だと

Choir of Radio Svizzera, Lugano で

svizzera は手元の辞書には

Switzerland を参照となってますから

ルガーノ・スイス・ラジオ合唱団

と訳すのが妥当かと思われます。

 

これまで

当ブログで取り上げてきた録音では

Radio Svizzera, Lugano ではなく

Radiotelevisione svizzera, Lugano

という表記でしたが

ファソリスの録音ではお馴染み

スイス・イタリア語放送協会合唱団と

ほぼ同じだろうと思われます。

 

当ブログのこちら↓の記事も参照ください。

 

 

ソリストの1人に

フィリップ・ピエルロ指揮の

《ディドーとエネアス》

エネアスを演じている

フリオ・ザナシの名前があり

(キャップではフーリオ・ザナーシ)

おお! つながるなあ

と感動しました。

 

 

リストの《十字架の道行》は

Wikipedia によれば

オルガンかハーモニウムの伴奏を

前提として作曲されており

室内での演奏ではピアノも可

ということらしく

来週の公演は教会での演奏なので

オルガン版が演奏されるらしい。

 

だったら

オルガン演奏版を聞かないと

予習にならないと思い

検索してみたところ

リストゆかりの

ハンガリーの奏者による演奏が

フンガロトンから出てたのを

タワーレコード マーケットプレイスで

見つけました。

 

《リスト:十字架の道行》フンガロトン盤

(洪 Hungaroton: HCD 32685、2011)

 

ケースに

ライナー小冊子を収めたままだと

バックが暗くなるため

撮影者が反射して写り込むので

ケースから取り外して撮りました。

 

以下の記述では

ハンガリー語の読みが怪しいので

原語も併記しています。

 

ちょっとうるさいかもしれませんが

ご海容いただければ幸いです。

 

 

演奏はゾルターン・パッド

(Zoltán Pad)指揮

デブレツェン・コダーイ合唱団

(Debrecen Kodály Chorus)で

オルガンは神学者(らしい)

デズー・カラスゾン

(Dezső Karasszon)。

 

録音は

2010年6月29日から7月2日にかけて

デブレツェンのスザバドサーグテレプ改革派教会

(Debrecen-Szabadságtelep Reformed Church)

にて行なわれました。

 

 

上にリンクを貼った Wikipedia の記事に

同じフンガロトン・レーベルからのリリースで

フランス・ディスク大賞の

グランプリを受賞した盤が紹介されており

それかと思って注文したんですけど

よくよく見ると違ってました。(^^;ゞ

 

でも、演奏は

教会のオルガン伴奏ということもあり

響きが抜群に良くて

ピアノによるファソリス盤よりも

感銘を受けましたので

少々お値段は張りましたが

(新品の邦盤CDと同じくらい)

買って良かったと思った次第です。

 

 

ファソリス盤も

悪くないんですけど

コンサート・ホールでの演奏というか

現代音楽のリサイタル演奏のように

聴こえなくもない。

 

ピアノ独奏の楽章も多く

無調音楽っぽいところもあり

(というか、実際に無調だそうですが)

それが影響してるんでしょうか。

 

オルガンだと

独奏の楽章や無調が気にならず

それが不思議といえば

不思議ですけど。

 

 

リストといえば

超絶技巧のピアノ曲で知られており

自分もそのように認識してたので

こんな宗教的合唱曲があるとは

思いもよりませんでした。

 

自分のような

バロック好きの耳で聴いても

違和感を覚えないというか

バッハの《マタイ受難曲》で

使われているコラールが

《十字架の道行》にも出てくるため

まるでバロック時代の宗教曲を

聴いているような気分になります。

 

 

これで予習もバッチリ。( ̄▽ ̄)

 

実際に教会に行って

シュッツの受難曲とのカップリングで

教会のオルガン伴奏で聴いたら

どういう化学反応を起こし

どういう音楽体験になるのか

今から楽しみです。