昨日取り上げた

キングズ・コンソートの

《パーセル:オードと

 ウェルカム・ソング全集》

日本流通盤も出ていた模様で

それがこちら。

 

キングズ・コンソートのパーセル(邦盤2枚)

(右:ミュージック東京 NSC-105、

 左:ミュージック東京 NSC-106)

 

ミュージック東京盤あるあるで

日本でのリリース年は

どこにも記載されていません。

 

佐藤章による

解説と歌詞対訳を載せた

別冊小冊子も

添付されていますが

そちらにもリリース年は

記載されていないのですね。

 

解説が別冊小冊子で

添付されているのが

ミュージック東京盤にしては

珍しいんですけど

それはともかく。

 

 

第1集の録音は

1988年5月14〜16日。

 

ソリストとして

ジリアン・フィッシャー(S)

テッサ・ボナー(S)

ジェイムズ・ボウマン(CT)

マイケル・チャンス(CT)

チャールズ・ダニエルズ(T、A)

ジョン・マーク・エインズリー(T)

マイケル・ジョージ(B)

チャールズ・ポット(B)

といった名前が記載されていますが

合唱メンバーについては記載がなく

これは原盤のライナーでも同じです。

 

ということは合唱は

この面々で担った

ということなのか。

 

音を聴いている分には

少年合唱がコーラスに

加わっているようにも

聴こえるんですけど

ソプラノ二人の声質によって

そう聴こえる

というだけのことなんでしょうか。

 

謎です。

 

 

第1集には

NHK FM《古楽の楽しみ》でかかった

メアリー女王の誕生日のためのオードの内

《いま輝かしき日はあらわれた》Z.332 と

《起きよ、わがミューズ》Z.320 が

収録されています。

 

曲名の邦題はおそらく

佐藤章訳であるためでしょうか

NHKの表記と異なりますけど。

 

旧録音ではありますが

同じキングズ・コンソートによる演奏を

これ1枚で楽しめるのでした。

 

 

それともう1曲

聖チェチーリアの祝日のためのオード

《嬉しきかな、すべての愉しみ》Z.339 を

収録しています。

 

こちらは

トレヴァー・ピノック盤

アンドルー・パロット盤

一度聴いているはずなんですけど

第3曲目のアリアを歌う

カウンターテナーのソロと

ヴァイオリン演奏の

あまりの美しさに

はっとさせられました。

 

 

第2集の録音は

1989年1月18〜20日。

 

ソリストは

ジリアン・フィッシャーとテッサ・ボナー(S)

ジェイムズ・ボウマン(CT)

ジョン・マーク・エインズリー(T)

マイケル・ジョージ(B)は同じで

アルト、テノールの

チャールズ・ダニエルズに変わって

ハイ・テノールとして

ロジャーズ・コーヴェイが

バスのチャールズ・ポットに代わりに

サイモン・キーンリサイドが参加しています。

 

チャールズ・ダニエルズの

アルト、テノールって

なんだろうと思ってましたが

アルトの声域がハイ・テノール

ということなんでしょうかね。

 

なお

エドワード・ヒギンボトム指揮

オックスフォード・ニュー・カレッジ合唱団も

ちゃんと、というと変ですけど

記載されています。

 

 

第1集の収録曲は

大作である

聖チェチーリアの祝日のためのオード

《めでたし! 輝かしきチェチーリアよ》Z.328 と

グロスター公の誕生日のためのオード

《誰か喜ばぬものありや》Z.342 の2曲。

 

後者のグロスター公というのは

メアリー2世の妹で

メアリーの夫

ウィリアム3世の歿後に即位した

アン女王の息子

ウィリアム王子のことです。

 

その6歳の誕生日を祝う頌歌ですが

病弱であったために11歳で夭折。

 

パーセルもまた

本オードを作曲後

程なくして(4ヶ月後に)

亡くなるので

パーセル最後のオードらしく。

 

《めでたし! 輝かしきチェチーリアよ》

の方が有名なんですけど

上記したような背景を知って聴くと

あまりよく知らない

音楽の守護聖人を歌った曲よりも

興趣がいや増そうというもの。

 

途中のアリアに

父親と母親を誉め讃える

という歌詞のアリアがあり

そのいかにもな感じが

苦笑を誘ったりして

意外と愉しめるのでした。

 

 

キングズ・コンソートの

《パーセル:オードと

 ウェルカム・ソング集》が

第3集以降

日本流通盤が出たかどうかは

不詳です。

 

当時のレコード雑誌などを

繙いて調べれば

すぐに分かることでしょうけど

そこまでやる気は今のところ

ないですかねえ。( ̄▽ ̄)

 

もし見つかったりした時には

適価であればw 購入して

ご紹介したいと思います。