昨日、調べものがあって
近所の大学図書館まで行った帰り
いつもと違う道に折れ
住宅街の中を歩いていたら
華鬘草[ケマンソウ]を見かけました。
当ブログでは以前
黄華鬘[キケマン]を
取り上げたことがありますけど
その時の花の写真と
今回のを比べていただければ
黄華鬘と華鬘草が
似ていないことは
一目瞭然かと思います。
でも、今回の花を
ハナノナで確認してみたら
「キケマン属」と出ました。( ̄▽ ̄)
Wikipedia によれば
キケマン属は
ケシ科ケマンソウ亜科で
学名は Corydalis ですが
「季節の花300」によると
華鬘草は同じケシ科でも
コマクサ属に属し
学名は Dicentra spectabilis
といいます。
まったく違うやん、ねえ。
ただし Wikipedia だと
Dicentra spectabilis は
シノニム扱いで
属名は Lamprocapnos
種名は Spectabilis
となっております。
シノニムというのは
学名が複数ある場合の
それぞれを指すそうで
Dicentra spectabilis が
シノニムとしてあがっており
「季節の花300」も
間違いではありません。
いずれにせよ
キケマン属ではないのは
確かなようで。( ̄▽ ̄)
(主婦の友社)では
ディセントラ Dicentra が
別名のひとつとして
あがっています。
Wikipedia によれば
英名は Bleeding heart だとか。
Bleeding は
「出血する」という意味ですから
「血を流す心臓」となりますか。
ちょっとエグい。( ̄▽ ̄)
手元の辞書には
Lyre flower というのも出てて
Lyre は竪琴の「リラ」を指しますから
これは花の形状に由来する命名ですね。
和名の別名は
鯛釣草[タイツリソウ]で
鯛が釣竿にぶら下がっている様子に
喩えたものです。
個人的には
花単体でアップにすると
鯣[スルメ]か水母[クラゲ]に
見えますけどね。(^^ゞ
華鬘草という名称は
以前にも書いた通り
仏具の華鬘の形に喩えたもので
モンソーフルール監修の『花図鑑』(西東社)に
和名の別名として
藤牡丹[フジボタン]
瓔珞牡丹[ヨウラクボタン]
というのも載ってましたけど
瓔珞も仏具を指します。
仏具に関わる名称が多いのは
中国原産だからでしょうか。
モンソーフルール監修の『花図鑑』だと
原産地として北アメリカも
併記されてますけど
アメリカ産の方は
和名を花華鬘草[ハナケマンソウ]という
アメリカ駒草の方ではないかしらん。
アメリカ駒草は
花の形状は似てますけど
横に連なる形で
花がつくのではないため
むしろ以前ご案内の
黄華鬘のつき方に
似ている気がします。
華鬘草のように
花が横に連なる姿は
かなり印象的ですよね。
ところで Wikipedia には
全草、特に根茎と葉に毒性を有する
と書かれてありました。
その意味では
Bleeding heart という命名が
そのものズバリの気もしますけど
これはおそらく色合いから
つけられたものでしょう。
ただし花色には
白いものもありますけどね。
白い花は鯛釣草とも
言い難い気がしますので
鯣草とか水母草とかは
いかがでしょう。( ̄▽ ̄)
いやあ、何はともあれ
華鬘草の現物が見られて
嬉しいかぎりです。
たまには違うルートを
通ってみるものですね。