『古道具よろず屋日乗』

(白泉社 花とゆめコミックススペシャル

 2024年2月25日発行)

 

新久千映の新刊

『ワカコ酒』第22巻および

『ミカコ72歳』第3巻と一緒に

買ってきた1冊です。

 

以前ご案内の

『わかつきめぐみ迷宮探訪』

新作書き下ろしとして

収録されていたものの

続編となると思うんですが

『迷宮探訪』がどこかに紛れ込み

例によって本が出てこないので

正確なところはどうも。

 

ふつうなら

『迷宮探訪』の書き下ろしを

第1話として収録すると

思うんですけど

そうはなっていない模様。

 

もしそうだとしたら

不思議といえば不思議です。

 

 

何かが憑いている品を預かり

憑いているものが落ちたら返す

という古道具屋を

叔父から引き継いだ主人公が

女中に怒鳴られながら

なんとか対応していくという話で

全6話収録されています。

 

第6話は「最終話」となっているので

これ以上は書き継がれないようですね。

 

気がいいけれど気の弱い男性が

気の強い女性に怒鳴られて

困った顔をしながらも

最後は落ち着くところに落ち着く

という展開は

この作者の十八番というか

実にうまいのでして

今回もいい味出してるだけに

残念です。

 

 

今回は「後書」もなかなか深く

いつも使っていたカラーインクがなくなり

いつも使っていた紙の質が落ち

スクリーントーンが廃盤となって

いつも使っていた丸ペンも製造終了

という話を「後書」の冒頭でしたあとに

「多様性などどこへやら

 選択肢は狭まるばかりでござんす」

という呟いているのには

頷くことしきりでした。

 

この冒頭の話を受けて

「後書」の最後では

画材がなくなっている昨今

アナログ原稿描きが

お払い箱になる日も

早晩やってが来るだろうし

「紙の本がでるのもこれが最後かもなあ」

とか寂しいことが書かれてありました。

 

そんなことになったら

切なすぎまする。(T ^ T)

 

次の新刊も

紙の本で出ることを

ひたすら期待して

待つことしかできないのが

辛いところです。