ディアドラ・モニハン盤を購入して
RV649とRV650を聴くことができ
あと2曲を残すのみとなり
Amazon を検索しまくって見つけたのが
以下の2枚組みでした。
Vivaldi: Cantate per soprano
(伊 Nar Classical: NAR-126182、2018)
【演奏】ロベルタ・インヴェルニッツィ(ソプラノ)
コンセルト・ヴァーゴ
【収録】CD1:RV667、650、658、660、651、656
CD2:RV796、666、668、663、669、678
【録音】CD1:1996年10月、CD2:1997年9月
残りの2曲という観点からは
CD2だけで充分なんですが
当初はバラ売りされていることに気づかず
2枚組みでも新譜1枚相当の値段だったので
購入した次第です。
ところが
これが問題ありありの商品で
CD2のトラック20、
盤面キズのためかどうか
よく分からないんですけど
2:55で止まってしまい再生不能となり
パソコンで聴いているため
フリーズしてしまいます。
未開封品だったのにも拘わらず!
というわけで
また検索しまくることになり
結局CD2の原盤に相当する
以下の盤を購入できました。
Antonio Vivaldi / Cantate Vol.II
(伊 Agorá Music: AG 147、1998)
在庫があって助かりました。
返却すればいいのに
と後に言われましたが
中古で買ったものですから
返却できないだろうと
思っていたもので。
それはともかく、前回
ディアドラ・モニハン盤を紹介した際
イタリア系の演奏は
リュート属の楽器を
通奏低音に使用することが多い
というようなことを書きました。
インヴェルニッツィ盤では
アーチリュートとテオルボが
使われています。
ただし本盤の場合
全部の曲で使用しているのではなく
曲によって通奏低音楽器の編成を
変えているのが特徴です。
具体的な編成については
ライナーに書いてあるものの
それでも、たとえば
アリアとレチタティーヴォで
演奏される楽器が異なる
といったことまでは書かれていません。
また、カンタータのアリアは
Aメロ、Bメロ、Aメロという構成の
いわゆるダ・カーポ形式で書かれていますが
BメロではAメロの楽器がひとつ減る
という演奏もあります。
こうした編成の違いが
効果をあげている場合が多く
こういうやり方を聴いてしまうと
例えば前回のモニハン盤など
単調に思えてしまうのは
仕方がないですね。
歌唱は全体的に
感情過多かもしれません。
例の、カストラート用と思われる
《天に虹の光立ち》RV667 は
インヴェルニッツィの場合
高音部が絶叫調になってしまい
個人的には聴くに耐えない気がします。
ただ、伴奏は良くて
アーチリュートのみの
レチタティーヴォなどは
絶品でした。
感情過多とはいっても
《涙の泉、今ぞ泣け》RV656 などは
ターニャ・ダルタンの演奏が
いかに「単に歌ってみました」
という感じがされるか
分かっていただけそうな気がしますし
そんなに悪くはありません。
エマ・カークビーも歌っている
《愛よ、お前の勝ちだ》RV651 は
通奏低音はチェロとチェンバロのみですが
このチェロが実にいい味を出していて
インヴェルニッツィの歌唱も
3人の中ではいちばんかも知れない
と思わせるくらいでした。
チェロの演奏ではもう1曲
《生まれついたる厳しさで》RV658 の
ロコモーティヴな感じが良かったです。
全般的に録音バランスが良く
アーチリュートやテオルボの音が
よく耳に届いて、存在感を示しており
感服させられてしまいました。
《美しいナイチンゲール》RV796 のアリアで
アーチリュートとテオルボが
フーガ風に絡む演奏は絶品です。
この盤を聴いて
コンセルト・ヴァーゴの演奏を
もっと聴きたくなってしまい
リュートと弦楽のためのソナタと協奏曲を
注文してしまったほど。
レーベルが異なるので
同じ音のバランスが
保たれているかどうか
分かりませんけど
演奏が良かったら
またこちらで取り上げるかも。
乞うご期待。