『鐘よ鳴り響け』文庫版

(1980/集英社文庫、2019.12.25)

 

今年度前期の

NHK連続テレビ小説

いわゆる朝ドラが

古関裕而・金子夫妻をモデルとする

『エール』に決まりました。

 

それを受けて

さっそく商魂逞しい出版社が

1980年に主婦の友社から刊行された

古関裕而の自伝を文庫化してくれたので

手に取ってみた次第です。

 

 

古関裕而の楽曲については

以前、こちらのブログでも

藍川由美が歌う

『古関裕而歌曲集』

『レクイエム「ああ此の涙をいかにせむ」 

——古関裕而歌曲集・2』

という2枚のCDを

取り上げたことがあります。

 

本書の中で

歌詞が掲げられている歌のほとんどを

そのCDで聴いていましたし

また、CDのライナーには

本書中からの引用も見られるため

興味深く読み終えました。

 

 

文庫本のオビに載っている

「栄冠は君に輝く」や「六甲おろし」も

以前に紹介したのとは別に

『「栄冠は君に輝く」〜古関裕而 作品集』

というCDで

藍川によって歌われています。

 

藍川由美『「栄冠は君に輝く」』

(ZAPPEL MUSIC: ZM0006、2004.3.20)

 

こちらの輸入・発売元は

カメラータ・トウキョウで

そちらだとCD番号が

CMCD-28023 となります。

 

同時発売かどうかは分かりませんが

上記のリリース年月日は

カメラータ・トウキョウのものを

示しておきました。

 

 

また、これも以前取り上げた

藍川が歌う丘 灯至夫のCDにも

古関の曲が二つ入っています。

 

ちなみに丘 灯至夫は

毎日新聞福島支局の記者として

戦時中、古関の家の

二階を借りていたことが

自伝中に書かれていてびっくり。

 

それにふれた箇所では

筆名の由来も紹介されていて

これは今回、初めて知ったので

ちょっとトクした気になりました。

 

 

そんなこんなで

本書の注釈版のようなアンソロジーが

藍川のCDだけで編めるほどだと思い

さっそくパソコンに

取り込んでみた次第。(^^ゞ

 

今後、放送が始まると

オリジナル音源に基づくCD選集

といった類いのものが

発売されるかもしれません。

 

ただ、戦時歌謡については

そのすべてが収録されるとは限らず

また、レコード化されなかったものもあるので

その意味では藍川の録音は貴重です。

 

 

文庫のオビにある

「オリンピックマーチ」は

インスト楽曲なので

さすがに藍川も録音していません。

 

でも、たまたま手許に

インスト楽曲を中心とした

〈作曲家選集 名曲選〉

というシリーズの1枚があるので

そちらで補うことができたりします。

 

『作曲家研究 名作選/古関裕而』

(日本コロムビア COCP-30359、1999.5.25)

 

ちなみに上のCDには

NHKで野球放送の時にかかっていた

「スポーツ・ショー行進曲」が収録されており

おお、あれかっ! という感じで

びっくりさせられたのも

今では良い思い出。

 

自伝中に歌詞が載っているけれど

藍川が録音していない

「さくらんぼ大将」の主題歌も

オリジナルの音源ではありませんが

上のCDで聴くことができて

これはラッキーでした。

 

何でも買っておくものですね。

 

 

朝ドラの放送をきっかけとして

1929年の英国国際作曲コンクールで

第2位になったというバレエ組曲や

戦後のラジオ放送用に作られた

創作オペラなどが

新録なり初録音なりされたりすると

嬉しいんですけど

そこまでは無理かなあ。

 

でも期待だけはしたいと思います。

 
 
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