去る11月24日に、
作詞家の丘 灯至夫(おか としお)が
亡くなったことを知りました。

そこで、追悼も兼ねて、
藍川由美が録音している
『華燭 藍川由美 丘灯至夫をうたう』を
久しぶりに聴いてみました。

$圏外の日乘-華燭 藍川由美 丘灯至夫をうたう
(日本コロムビア COCX-30525、1999.9.1)

もう10年前のCDなんですねえ(しみじみ)

タスキにもありますが
丘 灯至夫 作詞家生活60周年・
日本コロムビア専属50周年 記念盤です。

それまでは、基本的に
作曲家別あるいはジャンル別で
アルバムの企画を立てていた藍川由美ですが、
この盤は珍しく作詞家で統一されています。

だからというわけではないでしょうが、
ピアノ伴奏ではなく、
オリジナルのオーケストラ伴奏
(要するにカラオケ)で歌唱。
しかも、上記アニバーサリーのために
書き下ろされた楽曲まで歌っています。

だからでしょうけど、
個人的にはあまり興味の持てない盤だったんですが、
今回、オリジナルの歌手なんかを調べると、
ちょっと面白く思えてきました。

ちなみにライナーには
各曲についての解説がいっさいありません。
そこらへんも、
あまり興味が持てなかった理由かもしれません
(何といってもウンチク好き野郎なもんでw)。

収録曲は右の通り。$圏外の日乘-華燭(ジャケ裏面)
最初と最後が
この盤オリジナル曲です。

「高校三年生」は
改めて解説するまでもない
超有名曲
だと思いますが……

「カチューシャ」と
「山のロザリア」は
ロシア民謡。

「高原列車は行く」とか
「東京のバスガール」
なんて、懐かしいですね。
懐かしの歌謡曲、
なんていうような番組で、よく流れてました。
バスガールというのは、女性の車掌のことです。念のため。

「ママとゴーゴー」は
NHK『みんなのうた』で流れた曲だそうです。
それでかどうかは、覚えてませんが(藁
聴いたことはあります。

上曲の作曲の越部信義は、
ネットで調べてみたところ、
タツノコアニメの作曲やら、
「おもちゃのチャチャチャ」
「朝いちばん早いのは」等の童謡やらを
書いた人でもあるそうで
それにもびっくり。
調べると面白いですね。

「ハクション大魔王のうた」以下、
アニメソングを入れているあたりが
藍川由美の真骨頂ですね。

「決断」は、「アニメタリー」ではなく
正しくは「アニメンタリー」です。
アニメとドキュメンタリーとを合わせた、
造語だそうですが、
これがタツノコアニメだとは
今回調べるまで、気づきませんでした。

「決断」主題歌の作曲者は古関裕而で、
これはいかにもな感じ。
古関は戦時中に、戦時歌謡・軍国歌謡の名曲を
多く作っていますからね。

初めて聴いた曲の中では、
「はやぶさの歌」の金管楽器の入り具合が
『ウルトラセブン』の主題歌を彷彿とさせて
実にカッコいいです。
バックのマラカス(?)が
『アイアンキング』(ご存知でしょうか?)の
エンディングみたいな感じもしますし。

特撮時代劇の歌かと思って調べたら、
映画『北国の街』の挿入歌だそうです。

今回聴き直したら、「高校三年生」を
「♪こーこー さんねんせいー ぼくら」でなく
「♪こーこー さんねんせーい ぼくら」と、
また、「ハクション大魔王のうた」を
「♪ハ ハ ハクショーンだいまおー」ではなく
「♪ハ ハ ハクショーンだいまおおー」と、
また、「けろっこデメタン」を
「♪ほーらほら ラナタンが とーんでくるー」
「♪ほーらほら ラナタンが とーんでっくーるー」
また、「みなしごハッチ」の
「♪姿やさしい もんしろ蝶々」の「すがた」を、
「が」にアクセントを置くのではなく、
すべてフラットに歌っている
(だから「が」が、半音下がっている感じに聞こえる)
ことなどに気づきました。

たぶん楽譜どおりに、また日本語の発音に
正確に歌っているのでしょうけど、
実に藍川由美らしい(藁



以上、歌詞よりも曲調に耳が向いてしまい、
圏外な追悼文で、
故人には申し訳ないことでした。
乱文深謝。合掌。