災害について学ぶにつれて、ますます防災に対する意識が高まってきています。
「敵を知り、己を知れば百選殆うからず」という有名な『孫子』の教訓がありますが、これは、災害対策においても言えることではないでしょうか。
敵=自然災害、と置き換えると、まずは災害について正しく情報を得ることが、防災につながるということです。
何度戦っても負けることはない、とは言えないのが、災害ですがそれでも、災害について知り、それを踏まえた対策を、整理収納のサービスを通じて、伝えていきたいと思います。
本日は、防災士研修の様子をお伝えしたいと思います
研修スケジュール
2日間のスケジュール
1日目
09:10~09:30 オリエンテーション
09:30~12:50 救急救命講習
12:50~13:40 お昼休み
13:40~14:40 気象災害・風災害
14:50~15:50 災害ボランティア活動
16:00~17:00 災害情報の活用と発信
17:10~18:10 企業・団体の事業継続
18:10~18:20 事務連絡
2日目
09:10~09:30 試験についての案内
09:30~10:30 土砂災害
10:40~12:50 防災士が行う各種訓練(演習)
12:50~13:50 お昼休み
13:50~14:50 防災士に期待される活動
15:00~16:00 地震・津波による災害
16:10~17:10 耐震診断と補強
17:30~18:30 防災士資格取得試験
お昼休みには、両日10分程度の防災ビデオが流れます(視聴は任意)。
会場内の飲食は可能でしたが、ゴミは各自持ち帰りですので、会場で昼食をとる際は、メニュー選びを慎重に!
また、お腹いっぱいになりすぎると、午後の講義中に睡魔と戦うことになるので、こちらもご注意を
救急救命講習
心肺蘇生
救急救命講習は、180分。
注意点は、補講がないということ。そのため、遅刻、欠席した場合は再度申し込みをして受講しなければなりません(その他の講座は、補講制度あり)。
内容は、非常に興味深く、役立つものでした
心肺蘇生について、まず知ってよかったことが、「死戦期呼吸」について。
これは心停止直後に見られる現象で、口がパクパクするような呼吸だったり、しゃくりあげるような呼吸の状態のことです。
緊急時、呼吸の確認をするときに、この状態だと、心停止直後ということになります。これを知らないと、間違って「息をしている」と救急隊員に伝えてしまうことになります。そうなると、手当の手順も変わってくる!恐ろしい話です・・・
そんな話や、心肺蘇生の重要性、手順などの講義のあと、皆で実践。
本来は、5~6人の少人数で、床に人形を置いて行うようですが、いかんせんコロナ禍の今はそんなことはできず
今回は、机に心肺蘇生トレーニングキットが用意されていて、机に広げての個人練習となりました。
心肺蘇生トレーニングキット、その名も「あっぱくん」!
このあっぱくんを要救助者として、練習しました。
胸骨圧迫の仕方はもちろん、その前後の流れや声掛けなど、一連の流れを何度も繰り返し練習しました。
AEDの使用方法
AEDって、ご存じですか。
私も名前は知っていましたが、どんな機械なのかよくわかっていませんでした。
AED、日本語に直すと「自動体外式除細動器」。
細動とは、心臓がけいれんし、ポンプの役割を果たせす、酸素を含んだ血液を体内に送れない状態。唯一の治療法が、電気ショックだそうです。
除細動、つまり、細動を取り除く。これがAEDの役割です。
日本って、人口比率で考えると、AEDの設置率世界一で、全国に60~70万台設置されているそうです。
でもね、使用率は4.7%。非常に低いんです
確かに、人が倒れていて、AEDが必要ってなったとき、さっと使える人って少ないですよね。
「もし何かあったら・・・」とか、「使ったことないから・・・」って、躊躇うと思うんです。私もそうだと思う。でも、使い方は難しくありません。
ところで、救急車の到着まで、平均どのくらいか知っていますか。
全国平均8.7分、つまり約9分です。
そして、倒れてから5分以内にAEDを使用した場合、成功率は約50%。時間が経つにつれ、どんどん下がっていきます。つまり、救急車が来てから対応していたのでは、ほとんど成功しないんです。成功しない=助からないということです
いくら心配して「大丈夫ですか。もうすぐ救急車きますからね」と声掛けしても、何の役にも立たない。
それだったら、AEDを持ってきて、とにかくやってみる!ほうが、よっぽど助けになる。
AEDは、誰でも使えるように、説明書もついてるし、電源を入れれば、音声ガイドが流れて、それに従って進めれば、使えるようになっています。知識もですが、「やる」勇気をもつことが第一だと思いました。
日ごろから、どこにAEDがあるか、確認しておくのも、大事ですね。
そういった説明の後に、実習を行いました。
本物のAEDは使えないので、先ほども登場した「あっぱくん」を使用。
AEDの使い方を実習した後、心肺蘇生からAEDまでの流れで、2回ほど繰り返し練習しました。
なかなか使う場面に遭遇することもないかもしれませんが、もしもの時のために、知っているといいことだらけの講習でした
講座内容
講座
1コマ1時間の講義が、1日7コマあります。
初日は、3コマが救急救命講習ですので、講義は午後に4コマ。
2日目は、7コマのうち2コマが演習(演習だけで2コマではなく、講義が1コマ分くらいありました)、最後の1コマが試験でした。
内容は、教本のテーマに沿ったものですが、教本を詳しく解説するというわけではなく、教本のテーマをさらに詳しく、実例を挙げながら知識を広げていくというものでした。
講義を担当する先生方は、どなたもその分野の第一線で活躍されている方たちばかりです。
どの講義も勉強になる内容でしたが、特に印象的だった講義をご紹介します。
一つが「災害情報の活用と発信」(担当:松井一洋講師)です。
先生の熱いトークと、防災に対する想いが、ひしひし伝わってくる講義でした。
お話もかなり納得のいくもので、「確かに!」と膝を打ちたくなるようなものばかりでした。しかし、言われないと気付かないということは、「普通」に慣れてしまっているということで、怖くもなりました。
その中でも、「現在のままで次の大災害に立ち向かえるのか」「災害の教訓が正しく伝えられていない」というのが心に刺さりました。
そしてもう一つが、「防災士に期待される活動」(担当:玉田太郎講師)です。こちらは上記の松井先生とは違って、じっくり語りかけてくるタイプの先生でした。心に響く話し方で、思わず引き込まれてしまいます。そして、内容も、地域で備える重要性や、同じ状況でも明暗が分かれた例を挙げられたり、防災の重要性を実感するものでした。
そんな濃い内容の講義が、2日にわたって行われました。
受講に当たっての注意点
私が気づいた諸注意
①服装について
初日は救急救命講習があるので、服装はスニーカーとパンツ一択!力を入れて人命救助するので、スニーカーが動きやすいです(スカート、サンダルは禁止)。2日目はどんな服装でも可。
研修日は2日間とも30℃近くあったからか、エアコンがよく効いていて寒かったです。講師陣及びスタッフは、スーツだったり制服だったりで、けっこう厚めの服装だったからかな。
私も、初日は長袖シャツだったんですけど、2日目は長袖シャツにカーディガンを持って行ったのですが、結局1日中着ていました。それでも寒かった!
時期と環境によると思いますが、暑さ寒さ対策は、多めに用意しておいた方が無難です。
②座席について
スライドを映しての講義なので、絶対前の席がお勧めです!
初日に最前列、2日目に3列目に座りましたが、3列目でも見にくかった!
ちなみに、講座中、特に指名されたり、注意されたりということはなかったです。
そして、講座の間は、基本的にはずっと座りっぱなしなので、休憩ごとに軽くストレッチすることをお勧めします。
私は初日、お昼ごろから足がだるくなり、7階の会場から1階まで3往復しました
③昼食
会場近くにコンビニ等あることもありますが、「できるだけ持参ください」
と案内には書かれています。
私が受けた会場は、街の真ん中だったので、絶対何かしらある!と分かってはいたものの、初日はお弁当持参。しかし、上記の理由(足がむくむ)から、2日目は近くのカフェで昼食を取りました。
グループや会社の業務の一環で受講している方は、お喋りしたりできますが、個人で受けに行った場合、一日ほぼ誰とも喋らず、同じ場所から動かずなので、ちょっとストレスになります
昼食の、わずか1時間弱の外出で、けっこうすっきりして、午後の講座も頑張れました
④その他持ち物
眠気覚ましのための小道具?をお勧めします。休憩の間に食べられるグミやラムネ、ガム、コーヒーなどの飲食系や、手のひらマッサージ道具など。
やはり、いくら興味があっても、お腹いっぱいの昼下がり、スライド上映のため薄暗がりになった部屋は、眠気を誘います。
ちなみに
私の斜め前で受けていたおじさまは、耐え切れずに、うたた寝
からの、いびきをかき出し、本格的に夢の中へ周りに迷惑がかかるうたた寝は、控えましょう
感染症対策
最後に、会場で実施されていた感染症対策は以下の通りでした
・朝、会場に入る前に検温、アルコール消毒、健康管理の実施
・会場内は受講者、講師ともマスク着用
・講師はマスク&必要に応じてフェイスシールド着用
・入口と出口が分けられていて、人の流れが一方通行
・間隔をあけた座席配置
・座席の間にパーテーション
・休憩時間ごとに扉の開放
・グループワークではなく、個人ワークに変更
・会場内での会話の禁止(休憩時間など、定期的にアナウンスあり)
・講義終了ごとに物品のアルコール消毒
次回は、いよいよ、試験についてお伝えしていきます
防災士への道のりシリーズ