あしたの自分にひたすら優しく | ドラクエ好きに悪い人はいない

ドラクエ好きに悪い人はいない

ドラクエから人生を哲学するブログ
ネタバレには全く配慮していませんのでご注意ください!

とにかく意志の弱い人間であるにも関わらず

部屋の寒さから、つい毎年コタツに手を染めてしまう。

 

一度くつろぐとすぐ寝てしまうので、長居しない様に

せめて夕飯は居心地の悪い方の机と椅子で食べているのだけれど。

その姿を見た人に

「何故、コタツで食べないの。そっちの方が絶対に幸せじゃん。究極の幸せを追求しようよ。」と言われ

 

うーーん、そうか、と

次の日コタツで夕飯を食べてみたら

案の定、そのまま寝落ちして朝を迎えてしまい

疲労が取れないまま出勤する羽目になって

「やっぱ駄目じゃんこれ」となったのですが

 

 

今の時点の幸せだけ追求するなら、

コタツで食べた方が幸せなんですけど

 

コタツから出る強い意志を持てない人間なら

明日気持ち良く仕事することを考えると、

やっぱり固い机と椅子で食べた方が

遠回りだけど幸せなんですよね。

 

 

 

面倒くさがりや、何かに依存しやすい人間は

「未来の幸せに投資する」という考え方で行動しないと

結局トータルで不幸せになってしまう。

 

 

 

TEDで依存症に関する面白い動画があるんですが。

 

TED日本語 - ジョハン・ハリ: 「依存症」― 間違いだらけの常識 | デジタルキャスト

 

要約すると、下記の様な内容で。

 

■ネズミを檻に入れ「普通の水」「ドラッグ入りの水」の2本を置くと、

ネズミはドラッグ入りの水を選ぶ様になり死に至る。

私達には「薬物には依存性がある」という固定概念がある。

 

■しかしある教授が「このオリには他に何もない」と気付き、実験の環境を変える。

チーズ、色付きボール、トンネル、交尾出来るたくさんの仲間……

この「ネズミの楽園」に例のボトルを2本置くと、

驚くことにネズミはドラッグ入りの水をほぼ飲まない。

 

■人間も同じ。ベトナム戦争では兵士の20%が薬物を使用していたが、

戦争が終わった時に95%がスパっと辞め禁断症状も無かった。

 

■今ここにいる、TEDの会場に来れる様な人は

半年ウォッカを飲みまくる位の経済的余裕があるはずだが、それをしない。

大事にしたい人間関係や仕事、周りとの健全な関係があるから。

 

■依存症患者を罰して人との繋がりを遠ざてしまうのは、逆効果。

人口の1%がヘロイン中毒だったポルトガルでは

依存症患者への就業支援や起業融資を行い、社会との繋がりを作ったところ

薬物使用者が50%も減少。

 

■依存症の根本要因は「オリ」。毎日を生きるのが辛いということ。

依存患者には社会も、政治も、個人も、愛をもって対処するべき。

「依存症」の反対にあるのは、「繋がり」。

 

 

 

これはドラッグの依存症の話が主体であるけれど、

多かれ少なかれ私達は

何かへ依存する危険因子は持っていて。

 

ゲーム、賭博、SNS、恋愛、セックス、チョコレート……などなど

適正量なら問題ないけど、ハマり過ぎるとヤバいものたち、

その泥沼に沈まないための重要な示唆が含まれてる。

 

 

このTEDで語られてる構図って

もうそのまんま、ドラクエ6のヘルハーブ温泉の話で。

私は毎年コタツで堕落する度に、このくだりを思い出すのですが。

 

 

大魔王によって夢も希望も全て奪われた「絶望の町」では、

ヘルハーブ温泉が行列が出来るほどの人気。

 

温泉には変な成分が含まれていて、

入ると余りにもの快楽に無気力になってしまう。

町の人々は温泉から出ることもなく、

お湯の中をひたすらぐるぐるぐるぐる回ってるという怖い町で。

強い意志を持った主人公達でさえ、

温泉に入るとHPが1になってしまうし

流れに対して逆行は出来ず、横移動がやっと。

 

その町に居る伝説の防具職人も

家族の元に戻れないことに絶望し、

防具作りも辞めてしまっていた。

 

しかし、意思を持ってこの町に来た主人公達に心を打たれ、

遠く離れた妻から仕事道具を受け取ると希望を取り戻し、

主人公達のために再び防具を作ってくれる。

 

絶望しかなくて、気を逸らす為に温泉に浸かって、

希望が無いからそこから抜け出せない……という悪循環から

「家族」「仕事」という繋がりを見出すことで、

立ち直って行くストーリーだ。

 

 

 

人が幸せを最大化させるには

私は2つの要素が必要だと思っている。

 

 

1つ目は、「大切なものがある」という前提。

 

TEDの話も、ヘルハーブ温泉の話も

周囲からの働きかけにより、人間関係や仕事など

「繋がり」という大切なものをつくり、

絶望に囚われている人を救っていく話であって。

 

こっちはもうインフラの様なものというか。

確かに社会や周囲からのサポートは大切で、

自分1人ではどうにもならない部分ではある。

絶望の町にいたら誰だって温泉に浸かってしまう訳で。

(ロシアで安価・粗悪な自家製麻薬「クロコダイル」が大流行、

多数の死者が出たのなんてまさにこの代表例で)

 

社会制度を変えるのは難易度の高い話になるけど

せめて個人で、身近な人が孤独感や絶望感に襲われているなら

私たちは手を差し伸べて、働きかけるべきではある。

 

 

でも、これだけじゃ駄目だと思っていて。

 

 

 

2つ目は、

大切なものに対してその人自身が

 

「未来への想像力」を働かせられるかどうか、

なんじゃないかと。

 

 

 

TEDの会場の人達が

お金はあっても毎日ウォッカを飲まないのは

大切なものがあることも勿論だけれど、

"この選択をしたら、ゆくゆくは大切なものが壊れる"という想像力、

賢さがあるからであって。

 

 

ドラクエ6全体のストーリーは

誰かに作られた世界の記事でも紹介しているけれど

 

「今」だけを大切にするなら、

デスタムーア(大魔王)を倒さない方がいいんですよ。

理想の夢の世界には、妹もバーバラも居るのに

この2人はデスタムーアを倒すと消えてしまう。

 

だけどそのままで居たら

世界全体がどんどん悪くなっていって、

幸せの総和が減っていってしまう。

世界を救いたい、という使命感が強い人間であるなら

結局は自分も幸せでなくなってしまう。

 

「未来への想像力」を働かせて

ある面で今の幸せを壊す、という物語で。

 

 

 

転職支援の仕事をしていて、こんなこと言うのは申し訳ないのですが

ああ、この人大丈夫かな……と

心配になってしまう転職者の方もやっぱり居て。

 

そういう方の共通点が、

この「未来への想像力」の欠如だ。

 

行き当たりばったりで職を変えては

そこから不満だけを見出してすぐ辞める、を繰り返し

コアスキルが身に付かないまま、経験社数ばかりが増えてしまい。

結果、書類選考の通過率がどんどん下がって、

前よりも条件が下がるところにしか行けなくなっていたり……とか。

 

逆にせっかく内定が出ても

「初年度の年収が今より下がるから」「親が反対したから」等々

良く無い部分ばかりにフォーカスして、決めきれなかったり。

え、でも最初に聞いてた軸を考えると

大切にするべきなのはそこじゃないよね?!

一部に現状からのマイナス点があったとしても、

総合的な人生の幸せを考えれば転職決めた方がいいのに……とか。

 

それだけで人生失敗、という訳ではないけれど

幸せや富をより増やそうと思うなら

(というか実は、現状維持でさえも)

「今」だけ考えて楽な方に流れていたら、上手くいかない。

 

 

私も大概な面倒くさがりで

仕事でも何でも、自分にとって楽しくないことは

限界まで後回しにしてしまう方ではあるのですが。

 

 

コタツで寝てしまえば、

翌日の仕事がすごく辛くなるから

勇気を持って出なきゃいけない。

 

このやりたくない仕事を今しておかないと、

後々トラブルになる可能性があって

結果的にもっと面倒くさいことになる。

 

もう投げ捨てて帰ろうかなと思うけど、

今期は良くても、次の営業数字のための種まきもしておかないと

来期の目標数字が達成出来なくなって、

自分が悲しい思いをする。

 

自分から人を誘うのは怖いけれど

この人に会いたい・話を聞きたいから、

頑張って声を掛ける。

 

 

日々日々の小さなことでも

「今これをしたら/しなかったら、巡り巡って自分のためにならない」

という想像力で、何とか乗り越えて生きています。

 

 

 

未来への想像力を働かせるには、ポイントがもう1つあって。

「自分にとって、何が大切かを分かっているか」

ということなんですよね。

 

「大切なものがあること」という前提条件は述べた通りですが、

この「大切なもの」って、分かりやすいとは限らない。

 

家族とか、仕事とか、大きな括りなら分かりやすいけれど

例えば仕事の中ででも

年収なのか、ワークライフバランスなのか、

目標数字の達成なのか、人の役に立てたと実感出来る瞬間なのか、

人によって喜びのツボや重視しているものは違う訳で。

 

そのツボを把握していないと、今していることが

自分の未来への投資になっているかどうかの判断が出来ないし

モチベーションも続かない。

また周囲にとっても、どう支援することがこの人にとって最適なのかが

分からなくなる。

 

 

「大切なもの」は自分1人では作れない。

TEDの話は依存症の人に対して

どう働きかけるか、が主題であるけれど

 

依存症になりうる側、として

自分ごとに置き換えるのであれば

 

周囲がどんなに手を差し伸べたとしたって

その人自身が自分の大切なものに気付かずに

与えられたもの・今あるものを看過してしまったら

栓のしてない浴槽にお湯を流し続ける様なもので。

 

 

自分にとって何が大切かを見極めた上で

それを失わない様に、増やせる様に。

今の自分にとっては厳しいことだったとしても、

明日の自分に嫌な思いをさせてあげない様に。

常に未来の自分に対して優しい選択をしてあげることが、

シンプルに人生をよりよくしていく方法なのではないかと思います。

 

 

という、こんな記事を

今まさにコタツでぬくぬくしながら書いてます。

 

 

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