「これじゃなきゃいけない」理由は必要か? | ドラクエ好きに悪い人はいない

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ドラクエから人生を哲学するブログ
ネタバレには全く配慮していませんのでご注意ください!

私は元々、ドラクエ3って

ドラクエの中ではあんまり好きな方じゃなくて。

 

何故なのか、っていうのは明確なのだけれど

「一緒に行く仲間にストーリーが無いから」なんです。

 

ルイーダの酒場で、

名前もない人達を選んで。

それは誰でも良くって、その人じゃなきゃならない理由なんてない。

魔王を倒しに行かなければならない絶対的な使命や背景が、

勇者以外に誰にもない。(9と10も同じだけれど)

 

仲間に最初からキャラクターと名前があって、

それぞれの生き方が描かれてて、

運命的に導かれて一緒に旅をする、というストーリーがある方が好きで。

 

 

私は昔から何でも、ストーリー重視というか

「これじゃなきゃいけない」という理由を描きたがる。

 

 

先日受けた研修でも、面白かったのが

 

「あなたはとある会社の技術職の主任で、

○社向けに、業界初となる新技術を搭載した製品を開発中。

しかし、○社からはコスト削減の要請、

さらには会社命令で、自社製品のバージョンアップを先に発売することになり

そっちの応援も依頼されている。

メンバー間でもモチベーションはバラバラ、仲が良くないメンバーもおり

学会も出席したいし時間も足りない。

この状況で、あなたが主任ならどうする?」

 

みたいなケーススタディで。

(もっとややこしい設定が色々あるけど、かなりはしょると。)

 

人によって判断軸はバラバラで。

社会起点で、まずは市場データから見て何が望まれているのかを考えるべきという人もいれば、

会社起点で、まずは会社方針の喫緊の課題を解決するべきという人もいれば、

メンバー起点で、まずはメンバー全員と話し合って

なるべく全員にとって良い形にするべきという人もいるし。

 

そういう時私は、大体自分起点なんです。

「え、だって世の中に無い新技術作りたいじゃん。

 知り合いに"これ私作った!"って言いたいじゃん。

 全力でその方向に持って行くべきでしょ!」

っていう発想で。

 

で、感覚で方針の当たりを付けてから

そこに向かって、その結論に持って行ける様な論理を後付けで作ってく。

今後の市場がどうとか、業界内の売上やシェアの数字持って来て

パイオニアの地位を守るべきだとか、

メンバーはこう思ってる、とか。

 

○社が予算削減って言ってたとしても、

最初からその予算に合わせようとするんじゃなくて。

まずは○社の営業担当と一緒に組んで、

その真意を確かめて変えられる余地が無いかを探って。

新技術を入れることで総合的にはプラスになるんだってことを

こっちから色々提案しようよ!って思う。

 

 

そっちの方が面白そうとか、夢があるとか

私の判断軸はいつもそんな感じ。

 

 

それは普段の仕事からそうであると思う。

まずは「こうなったらいいのにな」という最高形を妄想して、

大きめの提案を作ってみる。

妄想通りうまくいかないことの方がもちろん多いけど、

人生のうちで何回か、本当に妄想通りうまくいった経験があって

それがすごく嬉しかったから

その時のことを信じて、とりあえずトライする。

 

 

一見これ、良さそうに見えるのだけれど。

 

 

これは想いとはまた別の問題でもあるのだけれど

私はいつも、その中の細かいことがぐちゃぐちゃだったりする。

想いばっかり突っ走って、

頭の中でわーーっとああしたいこうしたい!ばっかとっ散らかってて、

目の前の数字が苦手だったりとか、

行動計画が苦手だったりとか、

具体的に実現させていくプロセスを描くのがいつも疎かになってて。

なのでそこはなるべく周りに相談して、助けてもらう様にはしているけれど。

 

営業数字も、提案が刺さったり

ドラスティックに改善出来たりすると跳ねるけど、

そうならなかった時に大幅未達になってしまったり、

なかなか安定しない。

 

 

同じ研修で、お互いの人生とか仕事で達成したいこととかを

ずっとペア組んで話してた人が言う。

 

「今まで、こうしたいとかこれやりたいとか全くなくて、

 目の前のことをただひたすらやってきた。

 だから、それがある人は羨ましい。」

 

だけど、話聞いているとこの人は

自分から「これやりたい」は無かったとしても、

目の前のことをしっかりやり遂げるんです。

ちゃんと決められたことや行動をしっかりやりきって、成果出して

目の前に居るお客様も、メンバーも、すごく大事にする。

某有名ネット系企業でマネジャーまで勤めた上で、

うちの会社に入って来てる。

 

そうして目の前のことに取り組み続けてきた結果、

子供が生まれたことをきっかけに、

最近になって初めて、自分から

人の教育に関わって行きたい…という想いが見えて来たという。

 

 

前回の記事で、選択肢が多いからこそ

何でもこなせるタイプの"器用貧乏"と呼ばれる方は

運用が大変…という趣旨のことを書いたら

何人かの方から「すごく分かる」というコメントやメッセージを頂いたのですが。

 

やれば何でも出来る自信があるのに

就職活動で志望動機は?と聞かれて困ってしまったり、

これだけは絶対に負けないというものがなくて

「これしかできない」というタイプの人に勝てない、と。

 

 

私は逆に、ストーリー重視だから

この会社でなきゃならない理由とか

志望動機を作ることは得意で、

面接には強かったりするけど。

 

 

だけど志望動機なんて、本当に必要なんだろうか。

 

 

 

最近読んだ記事で、すごくいいなあと思ったのが

マツコデラックスさんと福山雅治さんの対談なのですが。

 

成功は「やりたい仕事ではなく求められる仕事」を選んだ結果――マツコと福山雅治の会話から見えたもの

(キャリコネニュースより)

 

マツコさんはテレビに出たくて頑張ってきた訳ではなかった。

福山雅治さんも本当にやりたかったことはロックやパンク音楽だったが、

求められるのは甘いルックスと恋愛ソングの方だった。

 

最初からやりたいことじゃ無かったけれど

2人とも、求められたものに応えようと本気で取り組んでいった結果、

今の自分たちがある。

 

ー「出会いと巡り合わせよね」

ー「こんなにも望んでくれた職種って今までなかったのよね。

  私の居場所はここで、骨を埋めるまでやるしかない。」と。

 

 

起業家とか、世の中の偉人の話とかは

最初から想いがあった人がほとんどで

それを貫いて成功しました!というストーリーが

感動話で描かれがちで。

もちろんそれは素晴らしいことではあるのだけれど。

 

この道でならなければならない、という理由が

成功や偉業の絶対条件では無いと思ってる。

 

「絶対にやりたいこと」とかそんなものなくたって、

目の前で求められているものに真摯に取り組んで、

その積み重ねの結果として、

目の前のことが特別なことになっていったり、

それをきっかけに他のやりたいことが見つかることもあるし。

 

あんまりフォーカスされないかもしれないけれど、

そうやって華を開かせている人は多いと感じていて。

 

うちの会社だけで見ても

入社した時点では人材業界にそこまで特別な思い入れがなかった人でも

長年仕事していくうちにこの仕事が大好きになって、

ずっとこの仕事に携わりたいと、同業種で独立していく人も多い。

 

 

それは恋愛や結婚でも言えることで。

東京の時の職場の先輩で、

別れた元カノと再会した時の勢いで子供が出来てしまって、

そのまま結婚した人がいるのだけれど。

 

その先輩は適当ーーーな人なんだけど

それを後悔とかはしていなくて、子供のことも可愛がってて。

 

「この世界の一体誰と付き合えば幸せなのかを考えて探すより、

 目の前の人とどう幸せになっていくかを考える方が建設的だよ。」

 

なんて、飄々と言ってて

私は先輩のその言葉がすごく好きで。

 

 

別に始まりや出会いが

漫画やドラマみたいに運命的じゃなかったとしても、

絶対にその人じゃなきゃならない理由がなかったとしても、

縁があった目の前の人と時間とやり取りを積み上げていけば

それが特別な関係性になっていく。

 

 

理屈ではそう思うのだけれど

私はなぜか昔から、理屈じゃない感情で

「まあ、いいや」で付き合ってみることがどうしても出来なくて、

自分の中で、こうだからこの道なんだ!って100%納得しないと動けない。

 

もうそれはそういうものとして腹を決めて、

自分を貫いて生きていこうと思っているけれど

 

どっちがいいとか悪いとかじゃないけれど、

ちゃんと目の前の人と関係性を作って行ける人、

自分に持っていないものを持っている人はやっぱり素敵だと思うし

そういう人が結婚出来るんだろうなーーと思ってる。

 

 

 

ドラクエ3だって、最初に旅する時には

その仲間でならなきゃいけない理由なんてなくっても、

自分で名前を付けて、職業選んでレベル上げて呪文覚えて転職させて、

一緒に旅をしていくうちに

自分が作った自分だけのキャラクターになっていって、愛着も湧いてくる訳で。

 

 

先々月、ドラクエ30周年記念のミュージカル、

「ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー」を観に行って


全公演終了したのでネタバレをすると、

「勇者は、あなただ」というコピーで。

主人公は3の勇者をモチーフにしているのだけれど、

呪文を唱える時とか以外は一切セリフが無い。

 

終盤、父親のオルテガも目の前で亡くなり

ゾーマの圧倒的な力の前に挫けそうになる時に

主人公に、会場全員に、語りかけられる。

「君の名は、何だ?」

 

"名前をつける"という行為が強い絆を生み出すー

それはまさに、人生やこの世界そのものだと

プロデューサーの依田謙一さんがパンフレットの中で語っている。

 

 

私はSMAPも槇原敬之も好きなんですけれど、

『世界に1つだけの花』の歌詞は余り好きではなくて。

「ナンバーワンにならなくてもいい 元々特別なオンリーワン」というけれど。

 

確かに、誰だって生まれた時から

世界にたった一人の存在かもしれない。

だけど、それだけじゃ「自分」は作られなくて。

 

名前を名付けられて、

そこから色んな経験を積んで、

自分自身と旅をしていくうちに

自分自身が他の誰でも無い、「○○」という自分自身になっていく。

 

 

学生時代に聞いた誰かの言葉で

「ベストな選択肢なんてない。選んだ選択肢をベストにするだけだ」

という言葉があって、本当にその通りだと思っていて。

 

どんなに考えて、

どんなに「これじゃなきゃいけない」っていう理由を描いたって

実際にはやってみないと分からなくって、

やってみた結果、これじゃなかったんだってことが

分かる時だってある。

 

マツコさんの言っていた通り

「出会いと巡り合わせ」を大事に出来るかどうか、

それに尽きると思う。

 

志望動機なんてなくっても、

絶対的にやりたいことなんかなくっても、

「出会いと巡り合わせ」を大事に出来る人は

絶対に良い人生を歩んで行けるし、

誇りを持って生きて行って欲しいなと思います。

 

 

 

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おかださいこ

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