心を強く持って乗越えるしかない。
能登半島地震については、私も阪神大震災を経験し、被災後の本当の苦労を知るだけに、心が痛くなる。地震被災後に訪れる、多くの火事場泥棒や生活品不足は深刻だった。私の場合、完全に潰れた家から何も取り出せず、着の身着のまま家から出た状況で、未だ生まれて間もない子供が居たので、紙おむつと粉ミルクが買えず苦労した。嫁は母乳があまり出なくて、粉ミルクを買いたいが売っておらず、そんな時、地方から紙おむつ一袋、粉ミルクを一缶を各1万円で売る人達、食べ物が無くお腹が空いてる中、少量のトン汁一杯を1,000円で売る人、威勢の良い、いらっしゃい!の言葉、その笑顔が未だに記憶に残ってる。少し落ち着き、政府からの仮設住宅申込は、高齢者や身体障害者が優先となり、若年者は当選せず、賃貸物件を探すが、通常の2~3倍以上の賃料値上げの為、当時の給料で住める部屋など何処にも無い。だから被災者同士や会社や身内の助けで、転々と共同生活などをしながら、家族で普通の生活を取り戻すのに、1年以上掛かり、ようやく見付けた賃貸物件も、私にとっては高額家賃で、数年間、極貧生活を余儀なくされた。未だに思い出すだけで虫唾が走る程、憎たらしい家主だったのも覚えてる。入居者に対して偉そうな物言いをし、家賃を家主に持って行くと、何か力仕事を手伝わそうとする、断ると出て行かせる様な脅しもあり、市住の申込みが当たった際には、解放される喜びと、私を更に強くした。人の良さと汚さも極端な形で沢山味わう。若い人や心の強い人は良いが、高齢者や心の弱い人達は、絶望と不安から多くの人達が亡くなった。地震による直接的な被害を含め、人生の再建が出来るまでの間、被害は相当な時間を要して広がる。政府や自治体は、様々な今までの経験を生かし、被災者救援に全力を注いで欲しい。本当に心を強く持つしか無いし、頑張って乗越えて欲しいと思う、本当にそれしかない。