今、会社の一部改装工事をしていて、

その工事をしている、

若い職人さんと話す機会があった。

 

彼は子供を3人抱えており、

嫁と共働きと言う家庭だ。

 

彼女との同棲生活で子供が出来て、

二人目が生まれた際に、

奥さんと籍を入れた様だ。

それまでは彼は無職で、

実家住まいだった事と、

親が面倒見れないと言う事から、

ようやく仕事をしないと駄目だと、

気付いて、今頑張っていると言う。

 

何故一人目が出来た際に仕事を

しなかったのか?と聞くと、

嫁が子育て初めてだったから、

仕事も出来ない状態だったと、

彼は言う。

 

この夫婦は何か、ズレている子だと、

正直思った。

 

何故か、職人さんは働いているのに、

彼は合図を待って材料を運ぶ為、

じっとしている時間多く、

聞くと未だ見習いの身だと言う。

 

でも、職人さんの見習いではなく、

ただ運ぶだけの仕事を

している事が分かったので、

何故、職人さんにならないの?

と聞くと、

親も同じ様な仕事をしていて、

職人さんに呼ばれた時だけ来る、

そんな仕事の方が楽だと言う。

 

そんな彼は週に2~3日の仕事で、

嫁はスーパーでアルバイトをして、

何とか生活出来るんですと言う。

 

でも彼の本音は、

いつか職人になりたい、

子供に習い事とかスポーツをさせて、

あげられる様になりたいと言う。

 

じゃ、成れば良いんじゃないのと聞くと、

職人さんの見習いは厳しく辛い、

だから今のままの方が良いと言う…。

 

彼が特別なだけかも知れないが、

何か、こういう若者も多いと感じる、

そんな彼の話を聞いていて、

何故か、心にしこりが残る。

 

それも人生だろうが、

私が思うに人生長い様で短いから、

やりたいと思う事に挑戦した方が良い、

待ってても何も起こらないよと、

仮に彼に言っても、

何も始まらない様な気がしたので、

まぁ、頑張ってとだけ告げた。

 

起きた事だけに反応して、

努力せず流されて生きる生き方、

楽しければ良いだけでは、

将来、苦労すると言いたいが、

それも選ぶ生き方だし、

そう生きた人も多い。

 

何故か、彼からの楽で良いと言う

言葉が心から離れない。

彼の笑顔は偽りの笑顔ではなく、

本当の笑顔だった事が、

印象的で何が正しく何が間違いか、

私にも理解出来ずにいる。

 

それは、そう言った生き方をした人で、

未だに幸せそうにしている夫婦を

一組だけいるからだろう。

 

私の狭い世界で何十分の一でも、

確かに幸せな人が居る事を

私は知っているからだ。

 

だけど私の子供には、

絶対なって欲しくない生き方だ。

これだけは間違いない。