英語には書き順がないということは、これまでも何度もお話ししてきました。そして、「書き順」そのものの存在は否定しませんが、書き順の「テスト」は不要であることをこれまでも何度か述べてきました。

書き順テストは不要」(2020年01月27日)

『英語の文字には書き順がない』ことについて」(2022年05月27日)

やはり英語の文字に書き順テストはいらない(左利きへの配慮が足りない)」(2023年08月18日)

「書き順」は読みやすい文字を書く上での「提案」として意味があると思いますが、あくまでも提案だと思います。強制すべきではないと思うので、書き順の「テスト」は不要だという考えです。

この「書き順テスト不要」論は日本語にも当てはめるべきだ、つまり、ひらがなや漢字の書き順テストも不要だと思っていましたが、その考えを支持してくれるご意見を拝聴しました。

NHKテレビ『チコちゃんに叱られる!』の2023年10月27日放送分で、漢字の書き順に関する話題がありました。

チコちゃんから「なんで漢字に書き順があるの?」という問題が出ました。

そして、その正解は「先生が教えやすいから」(何だか児童生徒を無視しているかのようで、印象がよくありませんね)。

番組によると、それまでバラバラだった漢字の書き順を、2年間、約80回の会議を経て昭和33年に文部省(当時)が示したとのことです。これにより、書き順テストが可能になったわけですね。

ところが、番組で解説をされた松本仁志先生(広島大学)は、「定められた書き順以外で書いたからと言って、間違いというわけではない」と述べられました。

続けて、文部省(当時)の『筆順指導の手引き』が紹介されました。その中には、

「ここに取りあげなかった筆順についても、これを誤りとするものでもなく、また否定しようとするものでもない」

とはっきりと書かれています(7ページ)。

(参考)「筆順指導の手引き」⇒PDFでダウンロードできます。

こうなると、もはや日本語でも書き順テストは不要ということになると思いませんか?

では、現在、学校現場で実際に筆順テストが実施されているのかを知りたいのですが、そこまでの時間がないので、それはいずれ、ということで。

ただ、以下の記事を見ると、低学年では筆順は重視されているものの、中学年以降ではその必要性は明言されていないそうです。

漢字などの書き順の指導は必要?学習指導要領や文部省の文章から考える!

やはり学校現場でも筆順やそのテストについて柔軟な考え方が広まっているのですね。

でも、ネットで「漢字、書き順」で検索するとかなり多くのサイトがヒットします。多くは書き順テストの対策につながるもの、という印象です。

また、クイズ番組などでよく書き順の問題が出されますね。あれも、漢字には決まった書き順があってそれ以外は認めないという誤った考えを広める一因になっていそうですね。出題者には気を付けてほしいと思います。