先週に続いて英語授業研究学会(英授研)の全国大会のお話です。

先週はこのブログで初日(金曜日)に拝見した吉澤孝幸先生の授業についてお話しさせていただきました。

「2023年度の英授研の全国大会に参加しました」
 

翌日の土曜日が二日目で、この日のはじめは村上加代⼦先生(武庫川⼥⼦⼤学)による「個に応じた英語指導を目指して ユニバーサルデザインの授業づくり」のレクチャーでした。

村上先生は英語教育と特別支援の両方に精通した数少ない研究者で、ご著書も多数ございます。DVDを私の研究室に備えてありますが、参考になる具体的な指導法が満載です。

今回も大変勉強になりました。その中で「左利き」と英語の文字の書き順の話題が大変興味深いものでした。日本には左利きの方が約11%いらっしゃるので(「左利きの割合は何%?日本と世界の違いや一定数存在する理由も解説!」)、単純に考えても、1,400万人くらいが左利きということになります。各クラスにも3~4人いる計算になります。

日本語の書き順も英語の書き順(提案されているものはあります)も基本は右利き用なので、横線を引くときに向かって左から右に筆記用語を動かすことが想定されています。右利きであれば、ペンを「引く」のですが、左利きの人はペンを「押す」ことになり、書きにくいことになります。以前、左利きの人は万年筆を使えないと聞いたことがあります。確かに、万年筆だとペン先が二つになっているので、「押す」とペン先が割れてしまいます。左利きのことを考えていない構造になっています(左利き用もあるのかな?)。

何度も述べているように、英語の文字には決まった書き順はありません。なので、書き順テストは実施すべきではないと思います。これは下記のところに書いておりますので、よろしければご覧ください。

「「英語の文字には書き順がない」ことについて」

「書き順テストは不要」

しかし、より書きやすい順序はあると思うので、書き順そのものの存在を否定しませんが、これは、右利きを想定して作られたものでしょう。左利きには必ずしも書きやすくないでしょう。

なので、左利き用の書き順も存在します。

「左利きの児童への英語の文字指導」
→このサイトに「左利き用アルファベットの書き方の一例」(PDF)があります。

なのに、教科書などで示されている書き順は右利きを前提としてものです。10%以上もいる左利きのみなさんのことを考えない書き順でテストをすることなど言語道断です。

やはり、書き順テストには反対です!

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