2023年度の英授研の全国大会(1日目)に行ってきました。今年は4年ぶりの対面による大会だそうです。会場は東京です。

今回の公開授業は秋田県立秋田南高等学校中等部の吉澤孝幸先生による中2の授業でした。吉澤先生の授業については、過去にもお話しさせていただいております。

「教科書本文を丁寧に扱う」

「英語教師の英語力」

今回の授業は、教科書の題材となっているAIについて生徒が自分の考えを述べる活動が中心でした。

もちろん、中学2年生がAIについて自分の意見を英語で述べることは簡単なことではありません。私なら「中2には無理では?」と思い、早々に諦めてしまうかもしれません。しかし、吉澤先生は教科書本文をインプットとしたり、また、ペアやグループで活動することを通じて、生徒のみなさんが他者の考えを読んだり聞いたりして、自分の意見を英語で述べるという流を作っていました。これは学習指導要領の「⑶ 話すこと[やり取り]ウ」の内容に当てはまります。

⑶ 話すこと[やり取り]
ウ 社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことについて,考えたことや感じたこと,その理由などを,簡単な語句や文を用いて述べ合うことができるようにする。

吉澤先生はこれを「やりとり」の最重要項目と捉え、実践しておられました。生徒のみなさんもそれにこたえて自分の言葉で(もちろん英語で)AIについて語っていました。とても中2とは思えない内容でした。

また、先生は「即興」によるやりとりも重視しています。生徒から何が出てくるかわからない状況で英語のやり取りを行うことは教師にとって、ある意味では恐怖ですが、それこそが真のやり取りだとおっしゃっていました。その通りだと思います。「発表」であれば、事前に準備をして話すことは母語でもあることなので不自然ではありませんが、「やり取り」では、準備をし過ぎると不自然になってしまう可能性があります。即興でのやり取りを取り入れたり増やしたりすることで、生徒の英語力を伸ばすことにつながると改めて思いました。

しかし、そのためには教師に十分な英語力が必要です(上記の「英語教師の英語力」でも述べました)。その重要性も確認できた授業でした。

第一日目の今日は久しぶりにお会いする方も多く、多くの方から声をかけていただいたり、また、私からも多くの先生にお声をかけたりしました。明日も参加したいと思います。