労働政策審議会建議「仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について」について | ハラスメント防止コンサルタント 社会保険労務士 大澤明彦の情報提供ブログ

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 労働政策審議会は、2023年9月から、同審議会の雇用環境・均等分科会において、7回にわたり議論を重ねてきた結果、2023年12月26日厚生労働大臣に対し、仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について建議を行いました。

 

 資料が公開されておりますので、一部抜粋してご紹介します。

 

仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について

Ⅱ 必要な措置の具体的内容

1 子の年齢に応じた両立支援に対するニーズへの対応

(1) 子が3歳になるまでの両立支援の拡充

① テレワークの活用促進 

・テレワークを事業主の努力義務とすることが適当である。 

 

・努力義務とする場合には、業務の性質・内容等からテレワークが困難な労働者をテレワークが可能な職種等へ配置転換することや可能な職種等を新たに設けることまで事業主に求めるもの ではないこととすることが適当である。 

 

② 現行の短時間勤務制度の見直し 

・子が3歳になるまでの短時間勤務制度については、現行の単独措置義務の仕組みを維持することが適当である。 

 

・柔軟な勤務時間の設定に対するニーズに対応するため、原則1日6時間とする措置を必ず設けなければならないとする現行の制度を引き続き維持した上で、他の勤務時間も併せて設定することを一層促すため、これらの設定が望ましい旨指針で示すことが適当である。 

 

・短時間勤務制度を講ずることが困難な場合の代替措置に関する仕組みを維持することが適当である。 

 また、指針において、業務の性質及び実施体制に照らして短時間勤務制度の対象とすることが困難と認められる業務として示しているものはあくまで例示であり、当該例示以外は困難と認められる業務に該当しないものではなく、また、当該例示であれば困難と認められる業務に該当するものではないとされている旨を周知することが適当である。 

 

・上記の代替措置に、テレワークを追加することが適当である。

 

(2) 子が3歳以降小学校就学前までの両立支援の拡充

① 柔軟な働き方を実現するための措置 

〇新たな仕組みの必要性 

・仕事と育児との両立の在り方やキャリア形成への希望に応じて、労働者が柔軟な働き方を活用しながらフルタイムで働ける措置も選ぶことができるようにすることが適当である。 

 

○措置の内容 

ⅰ 各職場の事情に応じて、事業主が、柔軟な働き方を実現するための措置の選択肢として、以下の中から、労働者が選択可能なものを2以上選択して措置を講じる義務を設け、労働者は事業主が選択した措置の中から1つ選べることとすることが適当である。 

a) 始業時刻等の変更 

b) テレワーク等(所定労働時間を短縮しないもの) 

c) 短時間勤務制度(育児のための所定労働時間の短縮措置) 

d) 保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与(ベビーシッターの手配及び費用負担等) 

e) 新たな休暇の付与(労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための休暇) 

 

ⅲ 事業主は、措置を選択し講じようとするときは、労働者の代表者として、事業所に労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合(過半数組合)、事業所に過半数組合がないときはその労働者の過半数を代表する者から意見を聴かなければならないとすることが適当である。

 

ⅳ 事業主が、制度を利用できるようになる子が3歳になるまでの適切な時期に労働者に対して制度の説明と取得意向を確認するための面談等を行うことを義務付けることが適当である。

 

○対象とならない労働者 

・以下の労働者は対象外とすることが適当である。 

ⅰ 日々雇用の者 

ⅱ 労使協定で以下について措置を講じないものとして定められた労働者に該当する場合 

 a) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者 

 b) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 

② 所定外労働の制限(残業免除) 

・3歳以降小学校就学前までの子を育てる労働者は、権利として残業免除を請求できることとすることが適当である。

 

(3) 子の看護休暇制度の見直し

○取得事由 

・ 感染症に伴う学級閉鎖等や子の行事参加(子の入園式、卒園式及び入学式を対象)にも利用できるようにすることが適当である。 

 

・ 名称を「子の看護等休暇」に見直すことが適当である。 

 

○子の対象年齢 

・ 請求できる期間は、小学校3年生 修了時までとすることが適当である。

 

○取得可能日数 

・ 現行の日数(1年間に5日、子が2人以上の場合は 10 日)を維持することが適当である。 

 

○ 勤続期間要件の見直し 

・ 継続して雇用された期間が6か月未満の労働者を労使協定によって対象から除外する仕組みは廃止することが適当である。

 

(4) 育児期の両立支援のための定期的な面談 

・妊娠・出産等の申出時、育児休業からの復職時、短時間勤務制度や(2)①で事業主が措置した制度の利用期間中などの機を捉え、定期的な面談を行うことが望ましい旨、指針で示すことが適当である。 

 

(5) 心身の健康への配慮 

・仕事と育児の両立のためにフレックスタイム制やテレワークなどを活用する際に、育児負担と相まって、夜間の勤務や長時間労働等を理由に心身の健康の不調が生じることのないよう、育児期の労働者について、事業主が配慮を行うことや、労働者にセルフケアを促すことが望ましい旨、指針で示すことが適当である。

 

2 仕事と育児の両立支援制度の活用促進

(2) 育児休業取得状況の公表 

・男性の育児休業取得率の公表義務の対象を拡大し、300人超の事業主にも公表を義務付けることが適当である。 

 

4 介護離職を防止するための仕事と介護の両立支援制度の周知の強化等

(1) 家族の介護の必要性の申出をした労働者に対する個別の周知等及び環境整備

 ○新たな仕組みの必要性 

・ 両立支援制度を利用しないまま介護離職に至ることを防止するために、仕事と介護の両立支援制度の周知や雇用環境の整備を行うことが適当である。 

 

・ 介護に直面した労働者が離職せずに仕事と介護の両立を実現することは、企業・労働者双方にとって重要であることから、労働者に対して情報を届けやすい主体である、個々の企業による情報提供を促していくことが適当である。 

 

○具体的な内容 

ⅰ 個別の周知及び意向確認 

・ 家族の介護の必要性に直面した労働者が申出をした場合に、事業主が、両立支援制度等に関する情報を個別に周知し、意向を確認することを義務付けることが適当である。 

 

・ 個別周知及び意向確認の方法は、面談、書面の交付等とすることが適当である。その際、両立支援制度等の利用を控えさせるような個別周知及び意向確認は認められない旨、指針で示すことが適当である。 

 

ⅱ 早期の情報提供 

・ 介護に直面するよりも早期の情報提供が重要であるため、介護保険の第2号被保険者となる40歳のタイミング等の効果的な時期に、事業主が、労働者に対して、介護に関する両立支援制度等の情報を記載した資料を配布する等の情報提供を一律に行うことを義務付けることが適当である。 

 

・ その際、両立支援制度等と同時に介護保険制度の内容を知ることが効果的であることから、介護保険制度についても併せて周知することが望ましい旨、指針で示すことが適当である。 

 

ⅲ 雇用環境の整備 

・ 事業主が、仕事と介護の両立支援制度の利用が円滑に行われるようにするため、 次のいずれかの措置を講じることを義務付けることが適当である。 

 介護に関する両立支援制度に係る研修の実施

 介護に関する両立支援制度に関する相談体制の整備

 介護に関する両立支援制度の利用事例の収集・提供 

 介護に関する両立支援制度及び両立支援制度の利用促進に関する方針の周知

 

(2) 介護休業 

・介護休業ができる期間や分割回数については、改正を行わないこととすることが適当である。 

 

(3) 介護休暇 

○ 継続して雇用された期間が6か月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みは廃止することが適当である。

 

(4) 介護期のテレワーク 

・テレワークについては選択的措置義務とはせず、努力義務とすることが適当である。 

 

・努力義務とする場合には、業務の性質・内容等からテレワークが困難な労働者をテレワークが可能な職種等へ配置転換することや可能な職種等を新たに設けることまで事業主に求めるものではないこととすることが適当である。

 

5 個別のニーズに配慮した両立支援 

(1) 障害児等に係る現行の仕事と介護の両立支援制度の運用の見直し

・子に障害がある場合や医療的ケアを必要とする場合にも、要介護状態の要件を満たせば介護休暇等の制度を利用可能であることや、介護休業等に準じて、介護を必要とする期間、回数等に配慮した必要な措置を講ずる努力義務が事業主に課されていることについて、周知を強化することが適当である。

 

6 仕事と育児・介護との両立支援に当たって必要な環境整備 

(1) 両立支援制度を安心して利用できる制度の在り方の検討 

・両立支援制度を充実する際も、他の制度と同様、労働者が両立支援制度の利用申出や利用をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこととすることが適当である。 

 

(2) プライバシーへの配慮 

・妊娠・出産等や家族の介護に関する情報が適切に管理されるよう、事業主は、労働者から意向が示された場合には、その意向を踏まえ共有の範囲を必要最小限としたり、本人の意向に沿えない場合には、労働者にその理由を説明したりするなど配慮する旨、指針で示すことが適当である。

 

 詳細は、以下よりご確認ください。

 

 

 

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