『漂流教室⑪』

天才漫画家・楳図かずお先生の長編SFマンガ、ついに最終巻。

翔の捨て身の作戦が功を奏して、やっと「天国」から学校へと帰り着いた子供たちとともに私も青息吐息。ハァハァ…。全11巻もあるマンガを一気にここまで読んできて、もう年をとると1巻完結モノじゃないと体力が…。でももうちょっとだ、がんばれ俺！

私はですね、事件の陰にソチンあり、と常日頃からにらんでいるんですが、最終巻でやっと明らかになる、あの日の大地震の真相。やっぱりソチンがからんでたじゃないか！そんなこったろうと思ったよ。だけど翔はね、ソチンを許すんですよ。翔は誰のことも責めたりしないんですよ！なんて強い子なんだ！君は将来いい男になるよ！

そしてこれまで集めてきたヒントを元に、どうしてもといた現代の世界と時空がつながったのかの仮説を検証する子どもたち。これが成功すれば、もしかして…。でも、ここでもちゃんと、戻りたい気持ちと戻りたくない気持ちの葛藤があることを、楳図かずお先生はズバリ見抜いているのです。

だってさ、私たちだってコロナ禍という、ある意味では「荒廃した未来」に生きているわけですよ。多くの人が、もとの世界に戻ることを望んでいるけれど、果たして平常時から苦しんでいた人は、それを素直に喜べるんでしょうか…。という問題を無視しないところが楳図先生の天才たるゆえんだ。

まあそれはいいとして。いけいけ、がんばれ子どもたち！果たして子供たちは現代に戻ることができるのか、もうこれは読んでいただくしかないでしょう！

いや～ほんと、楳図かずお先生のマンガ、初めて読んだけど面白かった～。コロナじゃなかったらこんなにマンガ読まなかったかもしれない。他のもチェックしてみようっと。