『猥談』

岩井志麻子大先生の対談集、いや猥談集。ゲストは野坂昭如、花村萬月、そしてこれだけエロみが少ない久世光彦。

しまこ先生といえば、「瀬戸内の黒アワビ」「夜の外交官」など、数々のエロい異名をとる過激作家。

それならば私は「下半身のバックパッカー」として、いつか憧れのしまこ先生と相まみえたい…と恐れ多くも夢見ていた。じつは私、一冊目の本が出たとき、「２冊目は、『地球のハメ歩き方』っていうのどうッスか！？」とプレゼンして編集者をドン引きさせていたのである。（この甘くない世界、どうせ私は一冊で終わると思ってたので、笑）

そんな私がこの本を読んで、もう恐れ入りました。なぜかというとですね、私は幻の2冊目『地球のハメ歩き方』で、各国のセックス事情と文化背景を結びつけたりとか、どうしてもエロなだけではダメなんじゃないかと思って、そういう小賢しいことをしようとしちゃうんですよ。

ところがしまこ先生とゲスト陣の話といったら、「オナニーの目覚めは幼稚園の頃。のぼり棒をのぼっていたとき」「ヤギとハメるなら崖っぷちがいい」「ハメてるときに編集者から電話があったので、そのままハメながらゲラを直した」どうですかこれ！！最初から最後まで、ただ純粋にエロいだけの、何の役にも立たないトークなんですよ！

やっぱり猥談は猥談、中途半端に小賢しいことをしたら一気に純度がなくなるのですねぇ…。（そんな私の幻の２冊目、発売予定はありません）