55日目 ハンピ→20Km→ホスペット→(バスで13時間、410Rs)→プネー
『インドという名のテーマパーク』
気分爽快に9時起床。
屋上のレストランがとても居心地いいので、今日も朝食を食べる事に。
これからヒンディー語圏へと向かうので、パンを食べながらヒンディー語の予習をしていると、宿屋の少年がカルナータカ州の主要言語であるカンナダ語のレッスンを始めてくれた。
カンナダ語を使うのは本日限りなのだが、彼の好意を無にはできないので小さな先生に従うことにした。
ゆっくりと発音してもらったのを聞き、カタカナでノートに書いておき、その横に意味を英語で記しておくという方法で基礎日常会話をマスターすることに。
あいさつや数字、店に入ったときに使える日常会話までを幅広く教えてもらい、何度も復唱。
少年からも「お前、覚えるの早いな~。」とお褒めの言葉を頂き、2時間でレッスン終了。
せっかく覚えたのに一度も使わないのも覚えた意味が無いので、カンナダ語を試すために近くの『ヴィルーパークシャ寺院』へ行く事にした。
寺院の中へ入ると、学校の授業で訪れていた30人位の小学生集団を発見。
さっそく「チャナゲデア~?(元気?)」と、挨拶してみた。
すると小学生たちは宇宙人か何か珍しいものでも発見したかのように集まってきて、矢継ぎ早に現地語で話しかけてきた。
しかし困った事に、話す事はできても聞き取りは全くできないので、ジェスチャーから何となく理解し、とりあえず笑いでごまかす事に。
だんだんと盛り上がってくると、小学生を引率してきた先生も加わり、全員で好き勝手にしゃべりながら、しばし国際交流。
最後に皆で記念写真を撮り、お別れするのでした。
その後も現地語であいさつしながら寺院内を見学していると、昨晩一緒に食事したインド少年のひとり、ラーマ君に遭遇。
彼には膝から下が無いので、歩くときは四つんばいで歩かねばならず、職も無いので許可なしで寺院のガイドをして稼いでいるらしい。
当然の如く、彼が「寺院内をガイドしようか?」と聞いてきたが、宿をチェックアウトし、バス移動しなければいけないので、丁寧にお断りした。
「皆200Rsくらいで雇ってくれるけどな…。」と呟いたのを聞き、「数分でもいいから頼めばよかったかな?」と、良心の呵責に苛まれたが、笑顔で挨拶をしてその場を立ち去った。
ちょっと難しい気持ちになりながら宿へと帰り、荷物をまとめてチェックアウト。
今日は夜行バスに乗って次の目的地、“プネー”へと向かうのだ。
ハンピからバスに揺られる事30分、ホスペットに到着。
プネー行きのバスのチケットを注文したプライベートカンパニーである“ガネーシャトラベル”を探す。
バススタンドのすぐ近くにあるという事は聞いていたので周辺を探してみるも、見つからず。
通りすがりの人に聞いてみるも、見つからない。
見つからない理由は、皆知らないのに「あっちの方だ」とか全くもって適当な事を言うので、どんどんおかしくなるのである。
インド人に道を尋ねたら、まともに着けることの方が珍しいと思っても過言ではない。
結局、バススタンドまで一度戻り、すぐ裏手にある「まさかこんな場所にはないだろう…」と思っていた小さな路地を入っていくと、ガネーシャトラベルはそこにあった。
受付の兄ちゃんと空手のマネでじゃれ合いながら30分ほど遊んでいると、バスが到着。
「また来る時までに、空手覚えてこいよ。」と見送られてバスに乗り込んだ。
バスが出発するまで、隣に座ったインド人のオッサンと雑談。
オッサンは「このバスはプネーには行かないよ。」と意地悪な事を言う。
「またインド人の悪いジョークが始まったなぁ…。」なんて思いながら笑っていると、バスが出発。
ガバメントバスとは天と地ほどの差がある快適プライベートバスなので、安心して寝る事にした。
悪路で何度か起こされながらも寝ていると、突然肩をたたかれて目が覚めた。
隣に座っていたオッサンである。
「はぁ?何?」と思わず日本語で聞いてみると、「おいっ!乗換えだ!」と言って、早く降りるように即す。
時刻は23時、寝起きで何がなんだか分からないまま荷物を持って降りると、本当にバスの乗換えだった。
乗り換えなんて一言も聞いていない。
まぁ、この国では聞かない方が悪いと、逆に叱られるのかもしれないが。
自分と一緒に降ろされたフランス人5人も、乗り換えは聞かされておらず、叩き起こされて一同グッタリである。
降ろされた町の名は“Hubuli(フブーリ)”。
どこにあるのかも見当が付かない。
とりあえず「バスが来るまで待て。」以外の事は言われなかったので、いつ来るのかも分からないバスを待つ事にした。
小腹が空いたので、屋台で9Rs(約23円)のエッグライスを食べる。
ただ、ライスに卵を混ぜて炒めたチャーハンなのに、絶妙な味で美味い。
寒い中、外で食べるというのも、日本の屋台ラーメンのように格別なものである。
作ってくれた兄ちゃんに「美味い!」って何度も言いながら屋台の傍で食っていると、辺りが急に騒がしくなってきた。
何が起きたのかと窺っていると、突然2人の警官が警棒を持って現れた。
一気に周囲が騒然とし、三々五々に皆散らばり、屋台は慌てて店を閉めながら逃げて行ってしまった。
この辺は営業してはいけない区域だったのか、営業時間がまずかったのかよく分からないが、とりあえず困った事態になった。
緊急事態の中でも俺は平然とエッグライスを食べていたので、屋台にスプーンと皿を返してないのである。
結局、すべて食べ終えてから深夜の町を彷徨い屋台を探す事に。
幸い、5分ほどで懲りずに場所を変えて営業しているエッグライス屋台を発見。
無事にスプーンと皿を返すことができたのだった。
偶然の途中下車で、こんなハプニング。
インドはどこでも、どんな時でも楽しませてくれる。
これだからインドの旅は飽きることがない。