58日目 アウランガーバード→アジャンター→ブサヴァル→ドゥリア
アウランガーバード→104Km(バスで2.5時間、52Rs)→アジャンター
アジャンター→(バスで3時間、33Rs)→ブサヴァル
ブサヴァル→(バスで4時間、60Rs)→ドゥリア
今日は、アジャンター石窟寺院を見学後、ジャルガオンという都市まで移動しなくてはならないので、早めにホテルをチェックアウト。バススタンドまで歩き、アジャンター行きなのかよく分からないバスに何となく乗ってしまうも、「アジャンター」と車掌に行き先を告げると、ぶっきらぼうに切符をくれたので、このバスでいいのだと確信した。
いくつか峠を越え、アジャンターに到着。石窟寺院の麓がバスターミナルになっており、そこから州が運営するバスに乗り換え、4kmほど山を登った所に目的地はあった。クロークルームでリュックなどの荷物を預け、さっそく見学に出かける。神輿みたいなモノに乗って寺院群を見学することもできたが、とても落ち着いて見学できそうにもないので歩いてまわることに。
第1窟へと足を踏み入れると室内は真っ暗で、所々壁に向かって柔らかなスポットライトが当たっている。しばらく目を暗がりに慣らして石窟の側面を見てみると、綺麗な壁画が浮かび上がってきた。そこに現れたのは高校生の時、教科書で見た“蓮華手菩薩”だった。光の加減で全体が青く揺らいだように見え、幻想的な雰囲気を醸し出している。実物の素晴らしさに驚き、思わず鳥肌が立ってしまうほどだ。
しばらくの間、窟内の壁画や天井画に陶酔しリアルな歴史ロマンを体験した後、隣の第2窟へ。第1窟の壁画でお腹一杯になってしまったので、他人が雇ったガイドの説明を盗み聞きしながら適当に見学。第7窟では親切な女性が“千体仏”について丁寧にガイドしてくれた…のだが、やはり最後にチップを要求してきた。ちょっと自分も油断していたし、とても感じのいい人だったので「参りました」と言いながら5Rs払うことにした。
第10窟には、最初に寺院群を発見した人の落書きが残されており、窟内にいたオッサンに教えてもらって発見し見ることができた。大きく書かれたものなのかと思っていたら、柱の上の方に小さく走り書き程度に書かれたものだった。発見した本人も、まさか重要な歴史的建造物を見つけたとは思わなかったんだろう。
第26窟の涅槃像も見学し、寺院群の端まで来たので折り返し来た道を戻る。最後にもう一度、第1窟の“蓮華手菩薩”を拝んで、アジャンター石窟寺院見学を終了。ジャルガオンへ向かうことに。
バス停で日本語堪能な台湾人のお爺さんと旅行話で盛り上がりながらジャルガオン行きのバスを待っていると、イギリス人のオバサンがやってきた。いろいろと質問され、これからマンドゥに行くと言うと、オバサンは「マンドゥへ行くなら“ブサヴァル”へ行った方が近いわ」と教えてくれたので、目的地を変更。台湾爺さんやオバサン、定年退職したての日本のオッサンやらに見送られ、ブサヴァル行きのバスに乗り込んだ。
バスに乗ったのだが、席は最悪の最後尾。シートはペラペラ、窓枠もボコボコのバスだったので嫌な予感がしたのだが、予想通りの悪路で、天井に頭をぶつけるほど跳ね、何度も宙に浮く。気持ち悪くて吐きそうになりながらも3時間後、無事生きたまま到着した。
今日の移動はここまでにして、明日の目的地である“インドール”行きのばすについて、車掌のマリーさんにた尋ねてみると「インドール行きのバスなんてないよ」と言われた。どういうことだ?マリーさんの話によると全然違う方向に来ているとの事。列車ならあるのだが、バスは路線が全く違うらしい。アジャンターで会ったイギリスの叔母様…何度も「バスで行きたいんだけど…」って言ったのに。
怨んでも目的地に着ける訳ではないので気持ちを切り替え、インドール行きのバスが出る“ドゥリア”という聞いたこともない町へ向かうことに。ヘコんでいる俺にチャイを奢ってくれて、行き方も調べてくれたマリーさんに感謝し、バスに乗った。
再び、悪路ばかりを選んで走っているのではないかと疑いたくなるようなバスに乗り込み、西へ。途中、今日泊まるはずだったジャルガオンを通過し、夕闇に包まれる大地をバスは轟音と共に暴走する。最近、バスに乗ってばかりだ…
4時間かけてドゥリアに到着。ガイドブックにも載ってなければ地図にも載ってない町なので、全く情報が無い。とりあえずバスから見えたロッジへと向かった。この町にはどうやら外国人観光客はほとんど訪れないらしく、すれ違う人がみんな好奇な目で俺を見てくる。どこに行っても見られるのには慣れているが、この町の人はまるで宇宙人が来たかのようにじっと見るので面白い。ロッジのオーナーにも「どこから来たの?何してるの?日本はどんな所なの?インドはどう?…」など、1時間も質問攻めに遭い、大変であった。
既に21時をまわっていたので、何か食べるために外へ出る。昨晩からまともに食べてないので、ものすごくお腹が空いているのだが、時間も遅い為レストランが全く見つからない。宿に帰っても食べるものは無いのでフラフラしていると、10人位の酔っ払い集団に囲まれた。
結局、警官のオッサンがレストランまでバイクで送ってくれた。ありえない話だ。
観光地でない町は大変面白い。