インド亜大陸旅行記 -58ページ目

インド6日目 アグラー→デリー

『また来週』


今日は朝から、今回の楽しみのひとつである、世界で最も美しいとされるお墓“タージマハル”を見学しに行くことに。
ハリスが、「俺の友人がタージマハルのガイドをしてくれるから。もちろん“タダ”で。」と言うので、ちょっと怪しいと思いながらもお礼を言う。
そんな訳で、ガイド役である友人、タン氏(日本名は高嶋だということをしきりにアピールしていた)を乗せ、タージマハルへと向かった。

駐車場に着き、そこから入場門まで行くのだが、少し遠いらしいので、サイクルリクシャーで行くことに。
リクシャー代に25RSも払えと言われたので、ボられてると思いながらも仕方なく乗ることに。(実際、10倍くらいボられてる)
リクシャーのオッサンは深いしわが刻まれた、栄養失調のようなガリガリの体で自転車をこぎだす。
乗り心地はものすごく悪く、すぐにでも降りたい気分だったが、大人ふたりも乗せて頑張ってこいでいるオッサンに悪いので、文句は言わない事に。

ハァハァとオッサンの息が切れてきたころ、タージマハルの東門に到着する。
リクシャーから降り、チケット売り場でボッタクリの750RSを払い、中へと入る。
途中、厳しいボディチェックを受け、ようやくタージマハルとご対面である。

中央にそびえる大理石の建物が、もやがかっていて幻想的に見える。
真っ白で綺麗に見えるのだが、どこか冷たく、無機質な感じもする。
完璧な構造物だが、どこかはかないような気もする。
目にしたものを引きつける魅力は有り余るほどあり、とりつかれたようにくぎ付けになる。
ガイド役の高嶋さん(インド人)が説明をしているが、適当に聞き流す。
ずっと見ていても飽きない。この建物の美しさに完全に引き込まれていた。

墓の内部へと進んで行くと、5代皇帝シャー・ジャハンの妃であった、ムムターズ・マハルの棺が安置されていた。
しかし、表に出ているのは実はニセモノなのだそうで、本物の棺は地下に安置されているのだ(しゃがむと少しだけ見える位置にあった)。
周りの庭園もきれいに整備されていたのでベンチに座り、しばらくタージマハルを見ながら休憩していたが、高嶋さんが帰りたそうにしているので、仕方なく帰ることに。

東門から出て、またリクシャーに乗り、駐車場へと戻る。
降りる時に運賃の25Rsを渡そうとすると、「ハァ?往復デ50Rsデスガナ」と高嶋さんに言われた。
しかし、それはどう考えても高すぎるので、「25RSしか払わない。お前も一緒に乗ってたから、お前が半分払え!」とキレ気味に言い放ち、早々と車に乗り込む。
高嶋さんが何か文句を言っていたが、聞いてないフリをしてホテルへと戻った。

軽い朝食を食べ、荷物をまとめてホテルをチェックアウトし、次の目的地である“アグラー城”“スィカンドラー”へと向かった。
道中、ハリスが「ここにお前をおいて、俺だけ帰ってもいいんだぞ」と、脅しともとれるようなことを言い出すので、ちょっと焦る。
「見学している間においていかれはしないだろう…か?」と、ちょっと不安になりながら、アグラー城で建物の補修作業とスィカンドラーでアクバル帝のお墓を見学した。

これでツアー終了と言うことで、デリーへと帰ることに。
すごく疲れていたので眠りたかったが、ハリスが「いくらチップくれるんだ?」とか、下ネタ話を延々としてくるので眠れない。
ストレス発散をしようと、笑顔のまま日本語で愚痴を言うと、ハリスもなにやらヒンディー語でブツブツ言ってくる。
かなり異様な雰囲気である。

途中、昼食をとるためレストランへ。
旅ではチップをあげないつもりなので、今回も給仕にチップをあげずにいると、それを見ていたハリスに「おい!どうしてお前はチップをあげないんだ?お前のためにみんな働いてるのに。お前はcrazyだ!」と罵られた。
「日本人にはチップの文化はないんだ。それに俺は彼らの雇用者でもない。意味分かる?」と説明するも、分かってもらえず。
しかし、頑なな態度もおかしいので、次回からは臨機応変にしていこうと考えた。

その後もお疲れムードのままデリーへと向かっていると、ハリスからノートを渡され「日本人に推薦文を書いてくれ。いい感じで書いてくれよ」と頼まれた。
どうやら日本人観光客にそのノートを見せて、自分は安全で優れたドライバーだということを信用させて、仕事を増やそうという目論見らしい。
仕方ないので、適当に書く。
住所と電話番号も書けと言われたので、大学の住所と、「電話しても、姉ちゃんが出ると思うけど…」と、“日本文〇センター”の電話番号を書いて渡した。

そんなやりとりをしていると、デリーの悪徳トラベルエージェントオフィスへと到着。
インド一周チケットの問題が残ってたことを思いだし、なんていい訳しようか考えながら中へと入った。
 



ボスの部屋で、この状況からの脱出を考えながら待っていると、見覚えのあるインド人が前に座り、チケットの事について話し出す。
どこで会ったのか思い出して見ると、ジャイプルの宝石店で怪しい演技をしていたインド人だった。
一人二役?これはどういうことだ?
こんなこと日本では絶対にありえない。
あまりの驚きで半ば放心状態だったが、チケットの話を思いだし、我に帰る。
ボスの所在を聞くと、家に帰ったので事務所にはいないという。
このニセ宝石商人なら、なんとかなりそうだったので、「ボスと話がしたいし、しばらく考えたいから、1週間後にまた来るね」と切り出してみると「イイヨ。マタ来週オイデ」と言うではないか。
最悪、怒って軟禁されるかと思ってたので、帰してくれて安心する。
正直、ツアーが終わってから怖かったが、意外にあっさりとオフィスから出ることができた。
「もう二度と来るものか!」と心の中で叫びメインバザールへと戻るのであった。

ハリスにお願いして、メインバザールまで送ってもらう。
さすがに4日間もお世話になったままチップをあげない訳にはいかないので、ハリスがずっと気にしていたチップ(10$は多すぎたか?)を渡し、お別れした。

すぐに『Sigeta Travel』のロニさんの所へ行き、無事に帰ってきたことを報告し、そのまま併設されている『Ajay Guest House』に泊まることに。
それにしても3泊4日のツアーは激動のツアーだった。
これからはマイペースで旅ができるように、しばらくデリーに滞在してインドに慣れようと思った。
このままでは3ヶ月も体がもたないかも…と不安を抱きながら眠りに就いた。