インド11日目 デリー
『性病の薬』
今日で1週間も下痢が続いている。
しかも、徐々に悪化してきているようで、トイレで過ごす時間が日に日に長くなってきている。
そのうち治るだろうと思っていたが、どうやら治る気配が無いので、薬を買いに行くことにした。
しかし、どこの薬屋がいいのか分からないので、宿のオーナーであるフセイン氏に相談すると、「一緒に行ってやるから、2分待て。」と言われる。
英語が上手く通じなかった時に頼りになりそうなので、待つことにした。
ところが、30分ほど待っていても、フセイン氏にはまったく動く気配が無いので、諦めて昼食を食べに行くことにした。
ゴールデンカフェに着き、今日もヤキソバを食べようと思ったが、油モノはお腹にやさしくなさそうなので、プレーンオムレツを注文した。
しばらくして、出されたプレーンオムレツに驚く。
中には野菜も何も入ってない、ただ焼いただけのペラペラな素焼きたまごが出てきた。
まさしくプレーンである。
そんなオムレツ(というか、素焼きたまご)をモソモソと食べていると、大きな声で「ソイソース?ソイソース?」と何度もしつこいくらい店員に聞いている、40代と思われる日本人男性が視界に入った。
ああいう人とは関わりたくないな…と思っていたのだが、5分後、そのオッサンは自分の前に座っていた。
オッサンは、ドラッグの話に始まり、70年代、80年代の芸能話や野球話を延々と語る。
まだ自分が生まれていないか、幼少期の話なので、さっぱり分からない。
普通なら話がかみ合わず話も尽きるはずだが、オッサンの勢いが全く止まりそうにないので、聞いているフリをすることに。
結局、4時間ほどオッサンが一方的に話し続けたあと、ようやく開放された。
旅をしている日本人は、いい人ばかりでは決してない。
ただでさえ体調が悪いのに、さらに気分が悪くなったので宿に帰り、フセイン氏を無理矢理誘って薬屋へと向かった。
たどたどしい英語とジェスチャーでなんとか症状を伝え、58Rsのなんだかよくわからない錠剤を処方してもらう。
連れてきたフセイン氏は何もせずニコニコしてるだけで、挙句の果てには「アメ食べたいから、買ってくれよ。」とお願いしてくる始末だった。
フセイン氏にアメを買い与え、急いで宿に帰り、薬を飲む。
日本の友人にメールして、薬の成分を調べてもらってから服用しようと考えたが、一日でも早く体調を回復したいし、明日は移動なので、訳の分からないまま飲むことに。
日本から持ってきた百草丸も効かない下痢に、効いてくれることを願うだけである。
しばらく休憩した後、気分転換にフラフラとメインバザールを歩く。
とある、服屋の軒先に5人の兄ちゃんたちが暇そうにしてたので、輪の中に加わり、話をした。
最初は普通に話していたが、お決まりのように下ネタトークになり、またそれが異様なくらい盛り上がり、みんなで爆笑する。
やはり下ネタは世界共通の話題である。
その店でクルターを買ったのだが、「盛り上げてあげたから、まけてくれる?」というと、値引きした値段からさらに引いてくれた。
この作戦はこれからも使えそうである。
夜になり、夕飯を食べにまたまたゴールデンカフェに行く。
チャーハンを食べながらオーナーに「明日からバラナシに行くから、次回来るのは2ヶ月後だ」と伝えると、チャイをサービスしてくれた。
いつもニコニコして本当にいい人である。
ホテルに帰り、サッカー中継を観ながら、列車の乗り方をガイドブックで読む。
日本のように案内が親切ではないので、かなり戸惑いそうである。
いよいよ、ひとり旅の始まりだ。