インド亜大陸旅行記 -43ページ目

インド21日目 チェンナイ

『真夏のクリスマス』




今日はクリスマスである。
クリスマスと言えばキリスト教の行事であるが、ヒンドゥー教の人々も一応、クリスマスを楽しむみたいである。
しかし、良く考えれば、仏教徒や神道である日本人もクリスマスを楽しんでいるので、おかしいことではないのだと気づく。

目覚めると、プーランさんとネハーンが「オギ~!Merry Christmass!」と言いながら、山ほど積まれたバウンドケーキの箱を目の前に突き出し、「Eat it!」と、急かす。
目覚めでボーっとしているし、食欲もないのに、無理して2切れ食べたが、プーランさんがそれで許してくれる訳がなく、5切れほど追加され、朝から死にそうになった。
他のインド人達は朝から平然とバウンドケーキを6切れも7切れも食べている。
本当にインド人は良く食べる。いつ飢えに苦しむか分からないから、食べられる時に食べておけの精神なのか、ただの大食らいなのかは定かではないが、食べる量が多すぎる。インドに来て、胃の小さくなった俺は、彼らのペースになかなかついて行けない。

半ば、食べ過ぎでグッタリしながら、お話していると、列車が終点であるチェンナイ・セントラル駅に到着。みんなにお別れの言葉を言い、アドレス交換し、記念写真を撮って、駅の外へと出る。
すると、プーランさんが「オギ~!クリスマス祝いに、一緒にチェンナイ観光しよう!」と提案してきた。
カニャークマリ行きの列車は明日の夕方発なので、喜んでついて行くことに。
しかし、プーランさん一家の荷物が駅で預かってもらうことができなかったので、結局中止になってしまった。非常に残念である。

プーランさん一家&ゴッタム家とは駅でお別れ。今晩泊まる宿を探すことにした。
カニャークマリ行きの列車はチェンナイにあるもう一つの主要駅、チェンナイ・エグモア駅から出発するので、エグモア駅周辺で宿探しをしようと、オートリクシャーで移動することに。
エグモア駅までの距離が分からなかったので、運転手の言い値である40Rsの半分、20Rsで交渉し、乗せてもらう。初めて来た場所での交渉は、基準が分からないので難しい。手探りで交渉していくしかない。

5分ほど走り、エグモア駅に到着。
さっそく宿を探そうと、ウロウロしていると、客引きが声をかけてくる。
普段なら客引きとのやり取りも楽しめるのだが、重い荷物を背負いながら歩いていたのでイライラし、「Stop ask me」と思わず言ってしまう。大変よろしくない。
その後、何とか“地球の歩き方”に載っていた『Hotel Imperial』を見つけ、チェックインした。(駅のまん前にあったのだが、少し中に入ったところに建っているので見つけにくかった)

部屋に荷物を置き、駅周辺の探索に出かけるが、いつの間にか2Kmも離れた州立博物館まで歩いてきてしまった。
せっかく来たので入ろうと思ったが、ホテルに財布を置いてきてしまったので、200Rsしか持ってなく、250Rsの入場料が払えなかった。
気を取り直し、隣のカネマラ図書館(Connemara Library)へ行くが、休館日で入れず。
仕方がないので、そのまた隣の子ども図書館へ行くが、警備のオッサンに、「250Rsのチケットを博物館で買って来い」と言われてしまい、追い返されることに。
ところが、そのやり取りを見ていたもうひとりのオッサンが「タダでいいから入りなよ。」と言ってくれた。さすがインド。いい加減である。(ちゃんと5Rsのチップは取られたが…)

その後、駅前まで戻り、露店で売っているものを冷やかしながら見ていると、暇そうに売り物のルービックキューブで遊んでいる兄ちゃん発見。久しぶりにルービックキューブに挑戦してみた。
最初は苦戦したが、5分ほどかけて全面揃える事に成功。周りで見ていたギャラリーに握手を求められ、ちょっとした英雄気分を味わった。
しかし、ルービックキューブを揃える日本人の話が辺りに広がり、人が集まってきて何回も挑戦させられるハメに。

基本的にチェンナイの人は今まで通ってきた町の人々よりも、親しみやすく、やさしい。困っていると、騙したりもせずに、すぐに分かりやすく教えてくれる。
来て一日も経たないが、チェンナイが好きになった。

聖なる夜…
熱帯夜の部屋で天井のファンがにぎやかに空気をかき混ぜている。
明かりをつけると、にぎやかに蚊の大群が飛んでいる。
にぎやかだ。…しかし、クリスマスを独りで過ごすのは寂しい。
ローソクの光が灯る部屋の中、気を紛らわすため、独りで歌う男の声がいつまでも響き渡っていた…