インド亜大陸旅行記 -41ページ目

インド23日目 カニャークマリ

『真夏の12月』



日本の冬と変わらない気候であった北インドを飛び出し、真夏の南国である南インドへ。

長い列車の旅を終え、ようやくインド最南端『カニャークマリ』に到着。
小さな町ということだったので、駅からリュックを背負ったまま、町の中心部へと歩き出した。
しかし、200Mほど進んだ所で早くも疲れてきたので、オートリクシャーを捕まえて乗りこんだ。
距離が分からなかったので、言い値の10RsでOKしたが、3分ほどで目的地へ着いてしまった。大損である。

今晩から泊まる宿を探すため、“地球の歩き方”に載っていた『Tri-Sea Cottage』へと向かった。
受付で泊まれるかどうか尋ねると、満室で空きがないと断わられる。仕方ないので、他のホテルをあたってみることに。

2軒目の『Sea View Lodge』も満室。
3軒目の『Sealand』も満室。
4軒目の『Lakshumi』も満室。

10軒目のロッジも満室。

重いリュックを背負ったまま宿探してるので、ものすごく疲れる。

11軒目でも満室で断わられたので、ものすごくヘコんだ顔をしながらその場に座りこんでいると、見兼ねたオーナーが『空いてる宿を紹介してやるよ』と助けくれた。

さっそく、後について歩いていくと、『Jothi Lodge』という宿に連れて行かれ、一泊150Rsの部屋なら空きがあると言われた。
とりあえず、部屋を見せてもらうと、昼間でも薄暗い独房だった。今までの宿で一番最低の環境である。
150Rsは高いので、100Rsにしてくれと、宿屋のオッサンを説得するも、断固として値下げしてくれない。
いつもの俺なら、迷わず他の宿を探しに行くが、ここカニャークマリでは他の宿が空いている保証がない。
どこのホテルも満室なのだ。

仕方なく3日だけ契約して、4日目からは他の宿に移動する事に。
しかし、すぐに考えが甘いことに気づかされる。
宿に荷物を置き、さっそく別の宿を予約しに行くが、「来年の1月15日まで空きがない」とか、「年末年始はどこのホテルでも予約で満室だよ」と、まったく取り合ってくれない。
このまま独房で年越しのようである。

宿のことはあきらめて、カニャークマリの町を散歩する。
観光地(ヒンドゥー教の聖地)なので、客引きや、物売りがたくさん多いのだが、外国人である俺にはまったく声をかけず、インド人観光客ばかりに声をかけている。なんだか拍子抜けである。
しかし、無視される訳ではなく、観光客や暇そうにしているオッサンや店番をしている兄ちゃんたちがフレンドリーに声をかけてくれて、いろいろと話ができるので楽しい。
みんな、どこにも殺気立つものが無く、穏やかである。温暖な気候のせいだろうか?
同じインドだが、明らかに北インドの人間とは性格が違う。

インドは広い。

夕方になると、インド人観光客が大勢、最南端の海岸へと集まってきた。

アラビア海に沈もうとする夕日を拝むのである。

まるで日本の花火大会のような混み具合である。
海岸に座って海を眺めていると、水平線が270°ほど見渡せ、どこかの劇場にいるみたいに思えてくる。

何もないけど世界一素晴らしいスクリーンだ。

夕日が沈むのをみんなで見届け、宿へともどった。
独房のような部屋は風通しが悪く蒸し暑い。
見たことも無い虫が壁に張り付いている。
おまけに、電力事情がよくないので、何度も停電する。

すばらしい年末年始の始まりである。